ダクトの清掃方法が分からない
ダクトの清掃頻度は?
ダクト内部の清掃は専門的な道具や知識が必要なため、自分で行うのは難しいです。
しかし、ダクトを今以上に汚さないためにできることはあります。
本記事では、業者が行うダクト清掃の方法と、自分でもできることについて解説します。
ダクトについて知らない方へ向けて、ダクトの種類や清掃するメリットも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
そもそもダクトとは?種類や掃除の頻度
ダクトとは、空気の通り道となる配管のことです。汚れた空気を外へ排出したり、新鮮な空気を取り入れたりなど、室内を快適な環境に保つ目的で設置されています。
また、配管は一般的に、液体や気体などのさまざまなものが通ります。「排水管」は水、「ガス管」はガスが通るのです。
ダクトと配管を同じようなものと捉えている方もいるかもしれませんが、ダクトは空気のみ、配管は液体や気体などさまざまなものを通すものと覚えておきましょう。
ダクトの種類は?
ダクトは大きく分けて厨房ダクト・空調ダクト・換気ダクトの3種類があり、それぞれ使用目的や設置場所が異なります。
壁の内部や建物の外壁などに設置されているため、普段は気にしたことがないかもしれません。しかし、私達の身の回りにある建物には意外とダクトが隠れているのです。
種類①厨房ダクト
厨房ダクトはその名のとおり、厨房に設置されているダクトです。
調理の際に出た熱気や煙、水蒸気などの汚れた空気を外へ排出する役割があります。焼肉店や居酒屋といった料理を提供する店、食品加工工場などに設置されています。
厨房タクトは油を含んだ空気が通るため、非常に油汚れが付きやすいです。そのまま放置していると継ぎ目から油が漏れ出てくる可能性もあります。
種類②空調ダクト
空調設備と一緒に使われることがほとんどである空調ダクト。
温度と湿度を調整して空気を循環させ、室内を快適な空間にするのが目的です。空調ダクトには、空調機から室内へ空気を送る給気ダクトと、室内の空気を空調機に戻す還気ダクトがあります。
病院や商業施設、ビルなどの利用者が多い場所または大規模な建物には欠かせません。”
種類③換気ダクト
換気ダクトは、空気を取り入れて排出するダクトです。
名前のとおり、室内の空気を入れ替える目的で設置されています。外の空気を取り込むダクトは外気ダクト、室内の汚れた空気を外へ排出するダクトは排気ダクトです。
工場や飲食店、マンションなどの人が出入りする建物には、換気ダクトの設置が法律で義務付けられています。
また、外へ煙を排出する排煙ダクトもあります。火災が発生して避難する際に役立つものです。普段は使われることが少ないですが、万が一に備えて病院や工場、ビルなど大きな施設には必ず設置されています。
ダクト掃除の頻度
ダクト清掃の頻度は、ダクトの種類や業態などによって異なります。大まかには以下の通りです。
ダクトの種類 | 詳細 |
---|---|
厨房ダクト | 飲食店の業態によって異なりますが、年1回は掃除すべきでしょう。 |
空調ダクト | 最低でも3年に1回を目安に清掃しましょう。 |
換気ダクト | 店舗やマンションの換気ダクトは3~5年に1回は掃除しましょう。 |
ダクト内部は汚れが溜まりやすく長年掃除しないと頑固な汚れになりますので、ダクトまわりの清掃は、定期的に自分で掃除したり業者に依頼したりして清掃しなければいけません。
ただしあくまで目安なので、状況に合わせてできるだけ早め早めに掃除することが好ましいでしょう。
ダクトの清掃方法2種類
ダクト清掃をする方法は2種類で、ダクトビート工法とダストストリーム工法です。それぞれどのような清掃方法なのかみていきましょう。
ダクト清掃1.ダクトビート工法
ダクトビート工法とは、大型の専用機械でほこりやごみを吸い取ってきれいにする清掃方法です。工場などの大口径のダクト清掃で使われます。
ダクトビート工法で使う大きくて長いホースは、建物内を占領します。そのため、業務時間外に作業を行わなければいけません。しかし、コストを抑えられるのは大きなメリットです。
ダクト清掃2.ダストストリーム工法
ダストストリーム工法は、室内から室外へ向かってダクト内部にブラシを挿入し、汚れを掻き落とす清掃方法です。
マンションや一戸建てなどの小口径のダクト清掃で使われます。室外の換気口には集塵機をセットするため、掻き落とした汚れをしっかりと除去できます。
厨房ダクトは油汚れが多いので、ダストストリーム工法だけでは汚れを落としきれません。ダストストリーム工法以外にも、ヘラで油汚れをはがしたり、専門の薬剤で溶かしたりします。かなり強力な油汚れならば、高圧洗浄をする場合もあります。
ダクトは5年に1回(厨房ダクトは1年に1回)が清掃の目安です。ただし、空調機器の使用頻度や周りの環境によっても異なるため、定期的な点検は必要です。
ダクト掃除をする理由とは?
ダクトは定期的な掃除が必要です。「空気が通るだけなら掃除は必要ないのでは?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、ダクトを掃除しなければいけない理由は3つあります。
ダクトを掃除しないと、さまざまな場面で問題が発生する恐れがあります。自分だけでなく、周囲の方へ迷惑がかかる場合もあるのです。
火災の危険性を軽減することができる
ダクトを掃除しておくことで引火するものがなくなり、火災の危険性を軽減できます。
厨房ダクトには油を含んだ熱い空気が通るため、非常に油汚れがたまりやすいです。この汚れにほこりやちりなどが付着すると、ダクト内の汚れはより大きくなってこびりつきます。
そして、油を含んだ熱い空気がダクトを通ったとき、ほこりやちりが混じった油汚れに引火するダクト火災が起きる恐れがあります。ダクトの掃除は見栄えを良くするだけでなく、火災も防げるのです。
臭いや害虫などの発生を防ぐことができる
ダクト掃除は、嫌な臭いや害虫などの発生も防げます。
季節によって湿度や温度が変わるように、ダクト内も湿度や温度が変動します。ダクト内にたまったほこりには、湿気や熱によってカビやダニが発生するのです。
また、カビやダニが発生したほこりや厨房ダクトの油汚れには害虫が集まりますが、腐敗すれば嫌な臭いを放ちます。場合によっては周囲に住んでいる方に不快感を与えることもあります。
汚れたダクトを通った空気を吸って体調を崩す人が出てくる恐れもあるので、ダクト掃除は必要です。飲食店の場合は衛生面的にも良くありません。
省エネにつながる
ダクトにほこりや汚れがたまればたまるほど、空気がスムーズに通りにくくなります。そうなると、厨房のファンや空調機器などが適切な量の空気を取り入れる(排出する)ため、必要以上にパワーを使わなくてはいけません。
反対に、ダクト掃除をしておくことで空気の通りがスムーズになります。厨房機器や空調機器の能力を最大限に引き出せるので、節電や機器の寿命を伸ばすことにつながります。
自分でできるダクトの清掃方法
ダクトの定期的な清掃は、私達の生活に大きなメリットを与えてくれます。とはいっても「ダクトをどうやって清掃すればいいのだろう」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
ダクト内部の汚れやほこりは、専門的な道具や知識を持っている人でないと除去するのは難しいです。しかし、ダクトについてあまり知らなくても、以下の2つの方法を行うだけでほこりや汚れを軽減させられます。
・換気扇に付いているほこりを取る
・フィルターを定期的に掃除する
直接ダクトの汚れを除去するわけではありませんが、ほこりや汚れを取るだけでも空気の流れは良くなります。それだけでなく、ダクト内部に余計なほこりが入り込むことも防げるのです。
自分でダクト清掃をする際のおすすめ道具
ダクトを少しでも汚さないために自分でできることと、掃除の際に役立つ道具を紹介します。業者に依頼する場合のダクト清掃も一緒に紹介しているため、依頼すべきか迷っている方はぜひ参考にしてください。ダクト周りを清掃する際におすすめの道具は以下のとおりです。
・掃除機
・ブラシ
・アルカリ性洗剤または中性洗剤
・スポンジ
掃除機は換気扇に付いているほこりを除去するときに使います。掃除機の吸引力だけではきちんとほこりを除去できないため、掃除機の先に取り付けるブラシまたは毛の長いブラシを併用するのが最適です。
厨房のグリスフィルターは、アルカリ性洗剤を使って油汚れを落としましょう。シンクにお湯をためてグリスフィルターをつけ置きし、スポンジやブラシで汚れを落とせばきれいになります。
空調機器のフィルターはほこりのみなら掃除機、油汚れも付いているなら中性洗剤を使って掃除します。
また、換気口に取り付ける使い捨てのフィルターも効果的です。フィルターがほこりをキャッチしてくれるので、汚れたらフィルターを取り替えるだけで済みます。ぜひ試してみてください。
自分で掃除するのが困難な時は清掃業者に依頼しましょう
「ダクト清掃をしたい」「ダクト周りの臭いが気になる」などの場合は業者へ依頼しましょう。自分では難しいダクト清掃でも、プロならば専門的な道具を使ってきれいにしてくれます。
ダクトは専門分野なため、自分では届かない箇所や頑固な汚れなどもきれいにすることができるためおすすめです。以下で業者の選び方やおすすめ業者を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ダクト以外の厨房清掃
ダクト以外でも清掃が必要な箇所は多くあります。以下でおすすめの清掃業者など紹介していますので、厨房や家庭など全体的にきれいに掃除し快適に過ごせるようしましょう。
・グリストラップのおすすめ清掃業者
・厨房のおすすめ清掃業者
・外壁のおすすめ清掃業者
・フローリングのおすすめ清掃業者
・ガラスのおすすめ清掃業者
・レンジフードのおすすめ清掃業者
まとめ
今回はダクトの種類や清掃頻度、自分で掃除する方法などを紹介しました。
また、清掃方法やおすすめの道具、人気の清掃業者についても紹介していますので、厨房やマンション、家庭をきれいな状態に保ち快適な空間を維持できるよう参考にしてみてください。