エアコンをつけっぱなしで寝るとどのくらいの電気代がかかる?
暖房つけっぱなしにする際の節約方法はある?
冬の寒い時期は寝るときも寝室のエアコン暖房をつけっぱなしにしたいと思うものです。
しかしこまめに消す方が電気代が安くなるのではないか、またつけっぱなしだと部屋の空気が乾燥したり火災の危険もあるのではないかということを気にしている方も多いでしょう。
そこで本記事では、暖房をつけっぱなしで寝るときの電気代や暖房をつけっぱなしで寝るメリット・デメリット・注意点、そして暖房代の節約方法について解説しています。
寒い冬、寝ている間の暖房代が心配な方、また暖房の電気代を節約したいという方はぜひ参考にしてください。
冬に暖房をつけっぱなしで寝る時の電気代
エアコン暖房をつけっぱなしで寝ると、どのくらいの電気代がかかるのでしょうか。1時間当たりの電気使用量をもとにして、電気料金を計算してみましょう。
ホットカーペット・ファンヒーターなど他の暖房機器についても同じように計算するので、それぞれ比較してみてください。
エアコン暖房をつけたまま寝るときの電気代
エアコンは1時間あたり13.5円程度の電気代がかかります。これをもとに夜間23:00~7:00の8時間つけっぱなしにした場合の電気代を計算すると、以下のようになります。
13.5(円)× 8(時間)=108円
※1kWhあたりの単価については、電気代の目安単価である27円/kWhを用いて計算
このようにエアコン暖房をつけたまま寝た電気代は1日あたり108円程度、つまり1ヵ月で3,000円以上かかるのです。
他の暖房器具をつけたまま寝るときの電気代
他の暖房器具をつけたまま寝るときの電気代も計算してみましょう。
たとえば2畳用のホットカーペットの場合、温度設定を「中」にしておくと1時間当たりの電気代が約5.6円になります。これをもとにして、夜間23:00~7:00の8時間つけっぱなしにした電気代は、以下のとおりです。
5.6(円)× 8(時間)=44.8円(1ヶ月1,344円)
ファンヒーターの場合も、同じように計算してみましょう。セラミックファンヒーターは1時間あたり約27円です。
27(円)× 8(時間)=216円(1ヶ月6,480円)
・ホットカーペットの1ヶ月の電気代は?他の暖房器具と比較し節約方法
・ファンヒーターの電気代|エアコンなどの暖房器具との比較や節約方法
暖房をつけっぱなしで寝るメリットやデメリット
暖房をこまめに消すのではなくつけっぱなしにして寝るのには、メリット・デメリットの両方があります。両者をよく比較して、自分にはどちらの方がよいかを考えてみましょう。
夜に暖房をつけたまま寝るメリット4つ
エアコンをこまめに消すのではなくつけたまま寝るメリットとしては、以下の4つがあります。
人の体は気温が低下し過ぎると睡眠の質が低下してしまうので、寒い日はエアコン暖房によって睡眠の質を維持できます。特に真冬の夜間は室温10度以下になることも多く、布団の中でも体を冷やすことがありますが、エアコンを付けたままにしておけばその心配もありません。
またしっかり体を暖めることができれば、風邪をひく可能性も低くなるでしょう。そして節電効果があるというのも、暖房をつけたまま寝るメリットです。
暖房は室温が低下している立ち上げ時に最も電力を消費するため、頻繁に付けたり消したりすることで電気代がかえって高くなってしまいます。ただし節電効果についてはどのくらい長時間つけておくかにもよるので、睡眠時間が長いときは消した方が節電になる場合もあります。
夜に暖房をつけたまま寝るデメリット4つ
暖房をつけたまま寝るのには、以下のようなデメリットもあります。
エアコンを付けっぱなしにすると部屋の空気が乾燥するため、喉が渇いたり傷んだりする原因になります。また同じように部屋が乾燥することが原因で起こるのが、肌荒れです。冬場はただでさえ空気が乾燥しているので、エアコンをつけっぱなしにすると肌荒れが悪化することもあります。
そして電気代については節電効果があるというメリットとは逆に、エアコンを付けることで電気代が高くなるというデメリットもあるのです。つけっぱなしで節電効果があるのは確かですが、長時間のつけっぱなしはかえって電気代が高くなる原因になります。
また部屋の乾燥を防ぐために加湿器などの器具を使えば、そのぶんの電気代もかかるでしょう。あとは温度設定を高くし過ぎると必要以上に汗をかくため、逆に睡眠の質が低下することにもなりかねません。
エアコン暖房のつけっぱなしは本当にお得?
エアコンや床暖房などの暖房器具は、頻繁に付けたり消したりするとかえって電気代がかかるといわれます。これは立ち上げから設定温度まで上げるときに最も電力を消費するからです。そのため頻繁にスイッチを入れたり消したりするより、つけっぱなしにしておいた方が消費電力を抑えて電気料金を安くすることができます。
ただし何時間のあいだエアコンを切っておくのかということや、スイッチを付ける回数によっても消費電力量が異なるため、ずっとつけっぱなしにしておくのがお得とは一概にいえません。たとえば仕事などで日中ずっと外出するのであれば、エアコンを一度切った方が電気代は抑えられるでしょう。このように基本的にはつけっぱなしにすることで節電効果がありますが、長時間切ることができるのであればいったん切っておくというのが最も節電効果の高い使い方です。
次項では、エアコン暖房をつけっぱなしにした場合と、こまめに消す場合の電気料金を、時間帯別に比較してみましょう。
こまめに消す場合に関しては①30分間隔で付け消しを繰り返す場合、②外出時と夜寝るときだけ消す場合の2パターンに分け、それぞれつけっぱなしにした場合と比較します。
また電気代は「消費電力量(kWh)× 単価(円/kWh)× 使用時間」によって計算できますが、電気の値段である電気単価は電力会社ごとに異なるため目安単価である27円/kWhを用いて1時間あたりの電気料金を計算しています。
暖房つけっぱなしの1日・1ヶ月の電気代
時間帯 | つけっぱなし 1日の電気代 | つけっぱなし 1ヶ月の電気代 | 30分間隔でこまめに消したりつけたりする 1日の電気代 | 30分間隔でこまめに消したりつけたりする 1ヶ月の電気代 |
---|---|---|---|---|
23:00~06:00 | 135円 | 4,185円 | 230円 | 7,130円 |
06:00~18:00 | 211円 | 6,541円 | 302円 | 9,362円 |
18:00~23:00 | 89円 | 2,759円 | 113円 | 3,503円 |
合計 | 435円 | 13,485円 | 645円 | 19,995円 |
30分間隔でこまめに入り切りをした場合の方が、どの時間帯においても消費電力が多くなっています。この結果からはやはり、頻繁につけ消しを繰り返すとつけっぱなしにするよりも電気代が高くなるということがわかるでしょう。
電気代でいえば1日あたり約200円、1ヶ月あたり約6,000円もの差が出ているので、頻繁につけ消しを繰り返すとかなり無駄が多いことがわかります。
暖房をこまめに消す時の1日・1ヶ月の電気代
時間帯 | つけっぱなし 1日の電気代 | つけっぱなし 1ヶ月の電気代 | 外出時などに消す 1日の電気代 | 外出時などに消す 1ヶ月の電気代 |
---|---|---|---|---|
23:00~06:00 | 95円 | 2,945円 | 8円 | 248円 |
06:00~18:00 | 154円 | 4,774円 | 240円 | 7,440円 |
18:00~23:00 | 92円 | 2,852円 | 65円 | 2,015円 |
合計 | 341円 | 10,571円 | 313円 | 9,703円 |
外出時と夜寝るときエアコンを消す場合については、1日5回程度30~90分の外出をするというスケジュールを想定しています。その結果、つけっぱなしにするよりも外出時と夜寝るときのみ消す場合の方が1日あたり約30円、1ヶ月あたり900円ほど電気代が安くなりました。
時間帯ごとの電気代をみると、頻繁に付け消しを繰り返す日中は電気代が高くなっていますが、逆に長時間消している夜間23:00~6:00の間に電気代がかなり抑えられています。夜間は寝室のエアコンも切り、完全に停止することが節電に繋がるのです。
暖房をつけっぱなしで寝るときの注意点
注意点としてはまず、デメリットでも説明したとおりエアコンをつけっぱなしにしておくと部屋の空気が乾燥してしまうことです。そのため寝ている間に喉を傷めたり肌荒れしたりする可能性があるうえ、ウイルスに感染するリスクも高まります。寝るときに暖房をつけっぱなしにするなら、加湿器などの器具を併用するのがよいでしょう。
その他に注意しなければならないことは、やけどや火災のリスクです。エアコン単体だけではやけどしたり火災が発生したりする危険は少ないですが、ストーブやファンヒーターといった器具を併用するときは注意が必要です。
寝ている間、無意識にヒーターに触ってしまうとやけどの危険がありますし、ストーブを倒して絨毯などに引火すれば火災が発生する危険もあるので注意してください。
・エアコン暖房をつけっぱなしにすると火事になる?原因や事例など解説!
【結論】暖房はつけっぱなしorこまめに消すべき?
エアコン暖房を常につけっぱなしにしておくのではなく、長時間の外出時と就寝時にだけ切るというのが最も電気代が安くなる節約方法です。
エアコン暖房は基本的につけっぱなしの方が消費電力が少ないのですが、24時間つけっぱなしはおすすめできません。たとえば仕事や用事などで日中あるいは夜間、ほとんど家にいないという場合は消しておいた方がよいでしょう。一方買い物や散歩といったちょっとした外出であれば、つけっぱなしにしておいた方が電気代を抑えられます。
もっとも電気代の節約以外にも、エアコンをつけっぱなしにしておくことで室温を一定に保ち、スイッチの付け消しの手間を省けるというようなメリットもあります。逆につけっぱなしにすると空気が乾燥したり、環境負荷がかかるといったようなデメリットもあります。
以上より、どちらにすべきかはメリット・デメリットを比較したうえで自分のライフスタイルに合わせて選ぶのがよいでしょう。
夜に暖房をつけっぱなしで寝る時でもできる節約方法
暖房をつけっぱなしで寝るときでもできる節約方法としては、以下のようなものがあります。
・設定温度を調整する
・自動運転にする
・電力会社を乗り換える
以上の3点について、順番に解説します。
節約方法1.電力会社を乗り換える
エアコン暖房の電気代を抑えるためには、電気料金の単価を下げるという方法もあります。つまり電気料金自体が安い電力会社を選べば電気代も下がり、節電効果があるということです。
新電力会社は自由に選ぶことができますが、住んでいるエリアによっておすすめの新電力会社も異なります。そこで下記の記事ではエリアごとのおすすめ新電力会社を紹介しているので、電気代をさらに節約したい人はぜひこちらも参考にしてください。
おすすめ新電力会社
▷北海道のおすすめ電力会社
▷東北のおすすめ電力会社
▷関東のおすすめ電力会社
▷中部のおすすめ電力会社
▷関西のおすすめ電力会社
▷中国地方のおすすめ電力会社
▷四国のおすすめ電力会社
▷九州のおすすめ電力会社
▷沖縄のおすすめ電力会社
また、電気代と合わせて安くしたいのがガス代です。電気とガスのセット割プランがあったり、まとめることで管理しやすくなったりとメリットも大きいのでぜひチェックしてみてください。
おすすめ都市ガス会社
・【関東】東京ガスエリアのおすすめガス
・【中部】東邦ガスエリアのおすすめガス
・【関西】大阪ガスエリアのおすすめガス
節約方法2.設定温度を調整する
エアコンの設定温度が高いほど電気代も高くなるため、設定温度を低めに調整することで電気代の節約効果があります。
経産省が推奨するエアコン暖房の適温は20度であり、エアコンの設定温度を21度から20度に下げることで年間の電気消費量を53.08kWh抑えることができるとされています(経済産業省資源エネルギー庁HP参照)。
電気単価を目安単価27円/kWhとして、設定温度を1度下げたときの年間電気代節約料金を計算すると約1 ,433円となります。つまり1度温度を下げるだけでもひと月あたり100円以上の節約になるということです。
設定温度を上げすぎることなく、できるかぎり20度以下をこころがけるとよいでしょう。
節約方法3.自動運転にする
自動運転にすると、エアコン立ち上げ時に強風で一気に室温を上げて、設定温度に近づくにつれ風が弱くなります。電力消費量は室温が下がっている立ち上げ時に最も多くなりますが、自動運転であれば最短で室温を上げられるため消費電力量も少なく済むのです。
そのため自動運転にすれば効率よく部屋を暖めることができ、電気代も節約することができます。
節電のためにはずっと弱風にしているのが良いような気がしてしまいますが、実は最初のうちは強風で一気に室温を上げてしまった方が節電効果が高いということを覚えておきましょう。
節約方法4.エアコン清掃をする
エアコンクリーニングすることで、効率が良くなるため、結果として電気代の削減につながります。フィルタが埃まみれだと、設定温度に達す時間が長くなってしまい余計な電力を消費してしまいます。
そのため、エアコンは定期的に清掃することをおすすめします。その他埃などがまってしまうとウイルス感染にもつながってくるので自分で掃除をするか適度に清掃業者に依頼するようにしましょう。
節約方法5.断熱カーテンやフィルムを使う
窓はガラス1枚で薄いため、外の冷気が入ってきやすいです。なので断熱材やカーテンなどを使用することで、室内を冷えにくくすることができます。暖房で部屋が暖まっても、外気の影響で冷えたり温まりにくかったりするとそのぶんエアコンが稼働してしまい、結果として電気代が高くなってしまうでしょう。
節約方法6.サーキュレーターや扇風機を使う
サーキュレーターや扇風機をエアコンと併用することで電気代を抑えることができます。サーキュレーターを上に向けて回し、空気を循環させると、暖かい空気が下にくるので、暖房使用時に試してみてください。
まとめ
エアコン暖房をつけたまま寝たときの電気代は、1日あたり108円程度、1ヵ月で3,000円以上かかります。
暖房をつけっぱなしにしておくと睡眠の質が良くなったり、風邪をひきにくいといったメリットがありますが、逆に喉を傷めたり肌が荒れるといったデメリットもあります。
またエアコン単体ではやけどしたり火災が発生したりする危険性は低いですが、ストーブやファンヒーターを併用しているときは注意してください。
そして暖房をつけっぱなしにすると電気代が多くかかってしまうので、意識的に節電対策を取り入れましょう。たとえば設定温度を20度以下に設定したり、電気の料金単価を下げたりするのが有効な対策になります。
新電力会社の切り替えは暖房代以外の電気代も節約できるので、電気代を安くしたい方はぜひ検討してみてください。
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