自分でできるシロアリ駆除方法|予防対策や見つけ方、注意点など徹底解説

自分でできるシロアリ駆除方法|予防対策や見つけ方、注意点など徹底解説

住宅の木材を食べ尽くし、甚大な被害を発生させるシロアリ。もしみつけたら、すぐに駆除したいところですが、正しい駆除の仕方がわからず、困ってしまう方も多いのではないでしょうか。

そこで、正しくシロアリが駆除できるよう、シロアリの特徴や発生原因、巣の見つけ方から自分でできる駆除の方法までを解説します。

シロアリは賢い生物なので、間違えた方法で退治しようとすれば、安全な場所に逃げてしまい、なおさら駆除が困難になります。こちらの記事を読んで、正しい駆除の仕方を学び、確実にシロアリを駆除できるようになりましょう。

目次

シロアリとは?特徴や種類、似た虫を紹介

シロアリとは?特徴や種類、似た虫を紹介

シロアリは、昆虫網ゴキブリ目シロアリ科に属する昆虫の総称です。シロアリという名前の通り一般的に見られる蟻(クロアリ)に似た虫ですが、厳密に言うと別の生き物になります。

こちらではシロアリの種類や生態・特徴、クロアリの違いについて紹介していますのでしっかりと確認していきましょう。

シロアリの種類|生態や特徴、巣

シロアリは女王アリが生む卵から生まれてきます。種類によって生態や駆除方法も変わってくるため、家にいるシロアリがどの種類なのかをしっかりと把握しておくことが大切です。

日本の家屋に被害を及ぼす「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」について、その生態や特徴、巣についてご紹介していきます。

各種類の見分け方や大きさの違いについてもまとめてありますので、ぜひご参考ください。

ヤマトシロアリの生態や特徴

ヤマトシロアリはほぼ日本全土に生息し、シロアリ被害の80〜90%はヤマトシロアリによるものとされています。暑さに弱いため、九州、沖縄には少ないですが、それ以外の地域でのシロアリ被害はヤマトシロアリがまず疑われます。

こちらでは日本で最も多い種類のヤマトシロアリの生態、特徴について確認していきましょう。

ヤマトシロアリの生態

ヤマトシロアリの成虫は大体3〜6mm程度で、1万頭以上のコロニーを形成します。一口にシロアリといっても種類が分かれます。(女王アリ、兵アリ、働きアリ、羽ありは他のシロアリも共通です)

女王アリ腹部が肥大しており、基本的には動かず1日に数十から数百個の卵を産みます。大きさは約15mmほどです。シロアリの駆除、予防のためには、卵を大量生産する女王アリを退治することが最も重要だと言えます。
兵アリ働きアリよりも体はやや大きく、アゴの先端が尖っています。
働きアリ集団の90%以上が働きアリです。全体的に乳白色で丸みを帯びています
羽アリ繁殖時期(4〜5月)に全体が黒褐色の羽アリを見かけた場合、ご自宅にヤマトシロアリが大量に潜んでいる可能性が高いです。
ヤマトシロアリの巣の特徴

ヤマトシロアリは巣を作る能力がないため、餌場がそのまま住処となります。

土の中や地面に近い床下、バスルーム、キッチンといった湿度の高い場所付近の木材に多く生息します。(主に1階部分)シロアリはふんや分泌物を固めて作った道「蟻道」を移動します。

床下に不自然な土が盛り上がったような道が見つかった場合、それが蟻道でシロアリがいるサインです。雨漏り、結露が発生している場合、蟻道を伝って屋根裏、天井まで被害が及ぶ可能性がありますので、注意が必要です。

ヤマトシロアリは乾燥に弱いため、日光の当たる地上にはほとんど出てきませんが、4〜5月の繁殖期には羽ありとして昼間の時間帯に一斉に飛ぶことがあります。

イエシロアリの生態や特徴

イエシロアリはヤマトシロアリに次いで多い種類です。生息地はまだ限られていますが、世界の中でもっとも建物が被害を受ける種類だといわれています。

被害の進行スピードは早く、かつ被害の範囲が広いため、イエシロアリは特に早めの対策を求められます。こちらでイエシロアリについて詳しくご紹介しますので、生態、特徴をしっかりとご確認ください。

イエシロアリの生態

イエシロアリの体長は大体7〜9mm程度で、ヤマトシロアリよりサイズは大きいです。その他、イエシロアリとヤマトシロアリの見分け方は「兵アリ」と「羽あり」にあります。

兵アリイエシロアリの兵アリは頭が卵型をしています。ヤマトシロアリの兵アリは頭が長方形です。
羽アリイエシロアリは体が黄褐色で5〜7月の夕方から夜に飛ぶことが多くなっています。ヤマトシロアリの羽ありは黒褐色です。また、イエシロアリはヤマトシロアリとは違い、自分で水を運ぶ能力があります。
イエシロアリの巣の特徴

イエシロアリは餌場から離れた場所に巣を作ります。

壁の間や床下をはじめ、家から離れた場所にある木材や切り株にも巣を作ることがあります。(外部から移動するため、天敵から身を守るための長い蟻道を作ります)

イエシロアリは水を運ぶ能力があるため、ヤマトシロアリとは違って住処が湿った場所には限定されません。行動範囲が広いことに加え、多い場合は数百万匹の集団を形成するため、建物全体が被害にあう恐れもあります。

寒さに弱いとされていますが、温暖化の影響でイエシロアリの生息地が徐々に広がってきているといわれています。

アメリカカンザイシロアリの生態や特徴

アメリカカンザイシロアリの元々の生息地はアメリカで、輸入された家具や木材から日本に運ばれたと考えられています。アメリカカンザイシロアリも他のシロアリと同じゴキブリの仲間です。

しかし、集団形成の仕方、生態がこれまでのシロアリとは違うため、発見と対策が難しい種類だといわれています。

家屋全体に大きな被害を及ぼしかねないアメリカカンザイシロアリの生態や特徴について、詳しく確認していきましょう。

アメリカカンザイシロアリの生態

アメリカカンザイシロアリの羽ありはヤマトシロアリに似ていますが、頭部が赤っぽくなっているのが特徴です。

成虫の大きさは8〜11mmとその他のシロアリよりサイズが一回り大きく、兵アリでは頭が四角形で触覚の根元が太くなっています。

アメリカカンザイシロアリは、他のシロアリとの見分け方としてふんが手がかりになります。

粒状の乾いたふん(大きさ1mm程度、とても硬く俵状の形をしている)が屋根裏や床下、部屋の隅、窓枠の隅に積もっている場合は、アメリカカンザイシロアリが家に住みついてい可能性を疑いましょう。

アメリカカンザイシロアリの巣の特徴

アメリカカンザイシロアリは、名前の乾材が表すように、多くは乾燥した木材に生息します。餌場の木材の中にそのまま住み着くため、特別に巣は作りません。

土の中や湿った場所に住み着く他のシロアリとは違い、わずかな水分でも生きられます。一つの集団は数百〜数千と小さく、巣も家の中に点在していることから発見が困難です。

アメリカカンザイシロアリは乾いた場所だけではなく、湿った場所にも侵食するため、家全体に被害が及ぶ可能性はあります。気づかない間に被害が広がり、最悪のケースでは家の建て直しが必要になってしまうこともあるのです。

シロアリに似た虫

シロアリに似た虫でクロアリがいますが、見た目や巣を作って生活する点がよく似た虫になりますが、分類学上ではシロアリはゴキブリ、クロアリは蜂の仲間です。

大きさはほとんど同じですが、両者では「触覚」「翅」「胴体」を見ると違いがよくわかります。シロアリは「数珠上の触覚」「翅の大きさは4枚ともほぼ同じ」「胴体は寸胴」です。一方のクロアリは「くの字状に曲がった長い触覚」「翅の大きさが前後で違う(前側の翅が大きいです)」「胴体にくびれがある」という見た目の特徴があります。

シロアリの発生原因

シロアリの発生原因

シロアリの好物は湿った木材なので、湿った木材が多くある環境が発生の原因になります。

シロアリは、土の中を移動して床下にやってきます。そして、基礎にできた僅かな隙間、風呂場や洗面所の経年劣化したタイル・コンクリートの隙間から侵入してくるのです。

木造住宅は家ごとシロアリの餌になりますが、特に屋根裏から雨漏りや、窓が結露で壁や床、天井に使われている木材が湿ると、シロアリ発生の原因になります。

また、建物に使われる木材だけでなく、住宅内の畳や木製家具も発生の原因の1つ。例えば、畳や木製家具などを使っている場合、湿気を含むと十分にシロアリの餌になるのです。

シロアリが家屋に与える被害|放置するデメリット

シロアリが家屋に与える被害|放置するデメリット

シロアリは多くの方がご存知だと思いますが、具体的に一軒家やマンション、アパートにどのような被害があるのかまではご存知の方は少ないのではないでしょうか。こちらでは、シロアリが家屋に与える被害について詳しくご紹介していきます。

放置することによって、身の危険もありますし、工事のために大きな費用がかかる可能性もあります。まずはシロアリによって起こりえる被害をご確認ください。

シロアリによる被害1.躯体部分

家の躯体部分とは、壁や床、柱など建物を支えている土台部分のことです。躯体部分がシロアリによって食い荒らされることで、家が倒壊してしまう被害が考えられます

特に地震が多い日本では、土台がもろくなることは非常に危険です。たとえ倒壊は免れても、柱や床下が食べられ土台が弱くなっていると、改修工事の必要性も出てきます。

シロアリ対策を放置することで、倒壊のリスク、修復のための経済的負担が考えられます。

シロアリによる被害2.水回り

シロアリは湿気のある場所を好むため、トイレ、お風呂、キッチンといった水回りは被害に遭いやすい場所になります。ユニットバス、洋式便所の普及によって、水漏れが発生しやすいタイル貼りは減りましたが、それでも安心はできません。

浴室、トイレ、キッチンまわりの柱や土台がシロアリによって食い荒らされ、家屋が破損するという被害が起こりえます。また、見える箇所だけではなく、屋内の壁がシロアリによって食べられ、穴があいてしまう被害もあります。

シロアリによる被害3.家の中

家の中に和室の畳があるおうちは注意が必要です。畳自体もシロアリの餌になりますので、畳を持ち上げるとシロアリがたくさんいたというケースもあります。

家の中のシロアリ対処、予防をせずに放置しておくと、柱や床といった躯体部分までが被害を受け、家が倒壊するおそれもあります。また、水回りや、玄関部分でシロアリ、羽アリを実際目にすることもあります。目にしたのがたとえ数匹でも、奥には数万〜数百万のシロアリがいる可能性があります。

工事費用による損害に加えて、気持ち悪い虫が屋内にいるという精神的な苦痛もありますよね。

シロアリの巣の見つけ方

シロアリの巣の見つけ方

シロアリは食料がある近くに巣を作って住み着きます。なので、シロアリを駆除するためには、巣から根こそぎ駆除しなければなりません。しかし、シロアリは暗くて湿った場所を好むので、人目につく場所になかなか姿を現さないため、巣を探すのも難しいのです。

そこで、シロアリの習性など利用して巣を見つける方法があるので、ここではそれを紹介します。

見つけ方1.蟻道をチェックする

シロアリは、光や風を嫌い、湿った環境を好む特徴があります。そこで、蟻道(ぎどう)という通路を自分たちで作り、その中を通って巣へと移動します。つまり、この蟻道がつながる先をたどるという方法で、シロアリの巣を見つけることができるのです。

蟻道は、土壌や木くずなどをシロアリの分泌物で固めたもので、茶色っぽい土のような見た目の特徴があり、壁や柱に付着しています。もしも住宅の付近で蟻道を見つけたら、シロアリの巣がある可能性が高いでしょう。

見つけ方2.床や壁をチェック

シロアリの主な侵入経路は床下です。地中を通って床下に侵入し、床の木材を食べますが、そうすると、床の木材が弱くなります。なので、もし床がきしむ音がしたり、沈むような感じがしたりしたら、シロアリに床が侵食されている危険があるのです。

また、壁の内側で木材が冷暖房による結露や雨漏りで湿っていると、シロアリの食害を受けている可能性があります。壁からきしんだ音がしたり、叩くと空洞音がする場合、壁もシロアリに侵食されているかもしれません。

このような方法を使い、床や壁を手がかりにするという見つけ方があります。

見つけ方3.シロアリのふん

アメリカカンザイシロアリのふんを頼りに、シロアリの巣を見つけるという見つけ方です。アメリカカンザイシロアリは外来種のシロアリで、ふんを巣の外へ排出するという習性があります。そのため、このシロアリのふんがみつかった場合、近くに巣がある可能性があります。

シロアリのふんは、顆粒状で乾いているという特徴的な見た目をしており、活動が活発になると大量にふんが排出されます。もしもふんがみつかったら、シロアリの存在を十分に警戒しましょう。

見つけ方4.シロアリの羽あり

シロアリは、巣が大きくなって維持しきれなくなると、新しい場所に巣を作るため羽ありを飛ばします。つまり、羽ありが発生したら、その近くに巣があるということです。

羽ありは短い期間で大量発生し、ヤマトシロアリは4月~5月の午前中イエシロアリは6月~7月の夕方以降、それぞれ羽ありになります。

夏や秋に発生する羽ありは多くがクロアリですが、外来種のアメリカカンザイシロアリの羽ありは一年中発生するので、注意してください。

シロアリの駆除方法|自分でできるやり方を紹介!

シロアリの駆除方法|自分でできるやり方を紹介!

被害が大きい上に、発見するのも困難なシロアリ。できることなら、自分で駆除したいものです。自分でする駆除の仕方としては、ベイト工法とバリア工法という2通りの方法があります。

それぞれの内容と手順を紹介するので、比較して適切な手段を検討し、退治の仕方の参考にしてください。

駆除方法1.ベイト工法

ベイト工法とは、毒餌を用いた駆除の方法です。蟻は餌を巣に持ち帰るという習性があるため、これを利用して毒餌を巣に持ち帰らせ、巣にいるシロアリごと駆除するのです。

この方法は、毒餌を設置するだけで巣から根こそぎ駆除することができるというメリットがあります。また、散布するための器具を用意したり、壁に穴を開けたりする必要もなく、素人でも手軽に行うことができます。

ただし、餌を食べて巣に持って帰るまで待たなければいけないので、即効性がないことと、シロアリが食べるよう設置場所を工夫しないと効果を発揮しないというデメリットも。

ベイト工法の手順

まずは、シロアリの生息する場所や通り道を、調査することです。蟻道のような明確な証拠が見つかればよいですが、調べても蟻道が見つからないこともあります。

その場合、被害の受けやすい湿気が溜まりそうな場所や、水回りを中心にベイト剤を設置しておきます。シロアリは警戒心が強いため、あまり頻繁にベイト剤を取り替えると、危険を感じて寄り付かなくなる恐れがあります。

そのためこの方法をとるときは、できるだけシロアリを刺激しないよう、交換の頻度は1年に1回程度が適切です。

駆除方法2.バリア工法

薬剤の散布によって、シロアリを駆除する方法で、シロアリが侵入する経路である床下に薬剤を散布したり、木材の中に注入したりします。

侵入経路を断つことでシロアリを駆除するとともに、薬剤からシロアリが嫌いな臭いを放つ忌避剤で、侵入を防ぐ効果も発揮

この方法を使えば、シロアリを退治しつつ、侵入経路を絶ってそれ以上シロアリが侵入することも防ぐため、即効性があります。ただし、侵入を防ぐことが主な方法なので、既に住宅で巣を作っているシロアリへの効果は低いです。

また、住宅床下の木部にドリルで穴を開けたり、住宅を傷つける場合があるうえ、使う薬剤の成分によっては人体に被害を与え場合もあります。

バリア工法の手順

バリア工法の手順は、住宅の建つ土壌部分と、住宅の木部に分かれます。

土壌処理は、土壌の表面に薬剤を散布して、シロアリが土壌から建物に侵入することを防ぎます。木部には薬剤を散布するだけでなく、木材の内部にも薬剤を注入します

床下部分に入れない風呂場や玄関などは、室内から床に穴を開け、床下へ薬剤を散布することもあります。場合によっては、外周に薬剤を散布することもあり、侵入経路や侵入状況に応じて、様々な手段を取ることになります。

【DIY】シロアリの予防対策!自分でできるやり方を紹介

【DIY】シロアリの予防対策!自分でできるやり方を紹介

シロアリ被害は、床下から始まりやすいです。自分でシロアリ被害を点検するためには床下に入り、蟻道と呼ばれるシロアリの通り道がないか確認する必要性があります。

床下は狭く、出っ張っている釘で怪我をするおそれがありますので、生地が厚めの服を着て、ゴーグル、マスクを必ずご着用ください。壁や柱に不自然な土の盛り上がりがあれば、それが蟻道でシロアリが床下にいる証拠になります。

たとえ蟻道はなくても、床下が湿気ていないか、水漏れがないか、木材が壊れていないか、叩いてみて軽い音がしないかなど確認することで、今後のシロアリ予防に役立てられます。

予防対策1.エサとなる木材をなるべく置かない

家の周りに木材を置いていると、それをエサにシロアリが繁殖してしまうおそれがあります。繁殖したシロアリが地面を通って建物内に進入し、家が被害を受けてしまう可能性が高まります。

木材を置かないことが理想的ですが、廃棄したり移動したりすることが難しい場合、下にビニールシートをひいて地面と接触しないようにしましょう

また、シロアリの住処となる切り株がある場合も除去することが予防として重要です。木材だけではなく、シロアリのエサとなる古紙やダンボールも家の周りに置かないようにしましょう。

予防対策2.家の周りにモノを置かない

基礎の換気口がふさがっていると、床下の湿気が外に排出されにくくなります。シロアリは湿気を好みますし土壌性になりますので、床下の換気が悪くなるとシロアリが繁殖する環境が整ってしまいます。基礎の換気口まわりに置いてあるモノを整理し、雑草も除去しておくことがシロアリ予防として大切です。

また、シロアリは湿気を含みやすいコンクリートよりも、砂利を嫌がるといわれています。床下などに砂利を敷いておくと水はけが良くなり、湿気対策に有効です。

予防対策3.家の風通しや日当たりをよくする

湿度の高い環境はシロアリを寄せ付けるため、なるべく家全体を湿気させないことが予防として重要です。

・定期的に家の窓を開けて換気をする
・扇風機やエアコンで空気を循環させる
・壁と家具の間にきちんと隙間を作る
・お風呂に入った後は換気扇を回す

また、雨漏り、水漏れしていたり、壁にヒビが入っていたりすると家が湿気やすくなります。放置せずDIYで修復するか、大工さんにお願いして早めに工事するようにしましょう。

予防対策4.定期的に家を点検する

シロアリの被害を未然に予防するためには、ご自宅を定期的に点検することをおすすめします。

ここでは自分でできるシロアリの点検方法と点検結果からできるシロアリの予防、対策方法について詳しくご紹介します。シロアリ被害による家の倒壊を防ぎ、修繕するための工事費用を抑えるためにも、ぜひご参考ください。

点検方法

自宅にシロアリがいるかどうかを点検するためには、以下の道具を揃えましょう。

・つなぎ(肌を露出しない服):床下を点検する際、釘や木材の出っ張りで怪我をする恐れがあるため
・長靴:床下で這って進む際、靴に土が入りやすいため
・マスク:床下でほこりを吸い込まないようにするため
・ゴーグル、軍手:ケガ予防のため
・懐中電灯(ヘッドライト):床下は光がなく暗いため
・カメラ、スマホ:記録しておくと、業者との相談にも使えるため

まず点検していただきたい場所は床下です。蟻道の存在を確認するとともに、床下の湿気具合や柱が腐っていないかなどをチェックしましょう。

床下以外では、屋根裏、水回り、壁のひび割れた箇所なども点検したい箇所になります。シロアリがいるかどうかだけではなく、水漏れや雨漏りなど家が湿気てしまう要素はないかをご確認ください。

その他、次のような点検するポイントもあります。

・玄関や風呂場で羽ありを見かけなかったか
・屋根裏や窓枠、部屋の隅に木屑のような硬いふんが積もっていないか
・床がきしんだり、ドアの開け閉めが悪くなっていないかなど。

点検結果からわかること|種類ごとに対策

点検結果からわかることは次の2点になります。

【蟻道がある:ヤマトシロアリ、イエシロアリ】

特に太くて山盛りになった蟻道が見つかった場合はイエシロアリの可能性が高いです。アメリカカンザイシロアリは蟻道を作らないとされています。

【ふんがある:アメリカカンザイシロアリ】

大きさが約1mm程度の硬い粒状のふんが見つかった場合は、アメリカカンザイシロアリがいる可能性が高いです。

その他、羽ありを見かけた場合も、シロアリの種類を見分けるポイントになります。

・ヤマトシロアリ:全体が黒褐色で昼間に飛ぶことが多いです
・イエシロアリ:全体が黄褐色で夜に飛ぶことが多いです
・アメリカカンザイシロアリ:頭が赤褐色、他は黒褐色で昼間に少数の群れで飛ぶことが多いです

自分でシロアリ駆除をする際の注意点

自分でシロアリ駆除をする際の注意点

シロアリはとても賢い生物なので、対応を誤ると危険を回避してしまい、別の場所に巣を作って住み着きます。そこで、誤った処置をしないよう、シロアリを駆除するときの注意点を紹介します。

こちらで紹介する注意点をよく読み、家の中でシロアリを発見しても冷静に対策を考え、適切な駆除を実施するようにしましょう。

注意点1.その場で駆除しない

シロアリは警戒心が強く、危険な場所だと判断すると、別の場所で新たに巣を作ります。シロアリを見つけたとき、直ちに殺虫スプレーで退治すれば、その場にいるシロアリは駆除できるかもしれません。

しかし、表に出てきているのはほんの一部で、巣に残った大量のシロアリは危険な場所だと判断して、別の場所に移動してしまいます。

シロアリが発生したら放置はしておけませんが、すぐにスプレーを吹きかけるのではなく、できるだけベイト工法かバリア工法で対処しましょう。

注意点2.巣から駆除する

たまたま発見できたシロアリを退治しても、巣に残ったシロアリがいる以上再発します。

シロアリは壁の内側・天井・床など、目に見えないあらゆるところに潜んで巣を作っているので、現れたシロアリだけ駆除しても、抜本的な解決にはなりません。

よって、シロアリを退治するには、巣ごと一気にまとめて駆除するべきです。現状を正しく把握して、ベイト工法で、抜本的な対策の仕方を考えましょう。

シロアリ駆除は必要ないという考えは危ない!

シロアリ駆除は必要ないという考えは危ない!

「シロアリの好物は木材だから、鉄筋鉄骨の住宅なら対策は必要ないだろう」こういった考え方は、非常に危険です。なぜなら、木造住宅でなくても、シロアリの食害になる可能性はあるからです。

また、「シロアリ=古い家」というイメージが強いかもしれませんが、新築の家でもシロアリ被害が見られることはあります。シロアリにとって好都合な場所があれば、築年数は関係なく住み着いてしまうのです。

一度シロアリが発生すれば、たとえ鉄筋コンクリートの住宅であっても、大きな被害を受けます。そこで、具体的にどのような危険があるのかを紹介します。

鉄骨や鉄筋コンクリートでも被害にあう

鉄筋鉄骨なら対策は必要ないかと言えば、そんなことはありません。鉄骨住宅は、板や仕切りに木材を使用しているため、シロアリの餌になる木材が含まれるのです。

また、鉄筋コンクリートの住宅であっても、シロアリは発生します。シロアリは、僅かな隙間でもあれば侵入できるため、経年劣化でコンクリートに亀裂が入れば、その隙間から侵入してきます。

住宅内に侵入されれば、室内の畳や木製家具を食べるので、鉄筋造の住宅でも安全とは言えないのです。

シロアリの被害にあうとどうなる?

シロアリの被害は、建物全体に及び、放置しておけば取り返しのつかないことになります。初めは床下や外壁の内側など、目に見えない部分から被害にあうため、被害に気付きにくいです。

しかし、次第に床下だけでなく柱の内部まで食害が及び、家を支える機能が低下します。そして、和室の畳や木製家具など、室内の木材にも食害が及びます。

シロアリは乾燥した部分の木材を自分で湿らせて食べるので、こうして住宅内の木材すべてが被害にあうのです。

自分での駆除が難しい場合は業者に依頼しよう!

自分での駆除が難しい場合は業者に依頼しよう!

シロアリ対策を業者にお願いすることで、次のようなメリットが考えられます。

・確実な駆除を期待できる
・予防にもつながる
・薬剤による健康被害を防げる

市販されている薬剤を使用すれば自分でも駆除はできますが、床下や狭い隙間に入っての作業は素人には難しいです。たとえ薬剤を散布できたところで、的が外れていると駆除の効果はあまり期待できません。また、薬剤を使うことで健康被害を受けるというデメリットも考えられますよね。

その点、専門の業者であれば、今後シロアリが出そうな箇所にも薬剤を散布しますので、今いるシロアリの駆除だけではなく、今後の予防も期待できるのです。

ちなみに、シロアリ駆除を専門の業者に依頼した場合の相場は、1平方メートルあたり3200円程度です。DIYで対策する場合と比較して費用はかかりますが、確実に駆除、予防したい場合には、業者にお願いすることをおすすめします。

以下の記事でおすすめの駆除業者をランキング形式で紹介し、各業者の特徴なども解説しています。費用相場についてもまとめていますので、お得かつ手軽にシロアリを退治しましょう。

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