一度発生すると、駆除が難しいコバエ。コバエは生ごみや排水溝などを好み、家の中で繁殖することもあります。
そして実はコバエにはさまざまな種類があり、種類によって生態や生息する場所が異なるのです。またコバエは繁殖力が高いので、見つけたら早めに駆除することが重要です。
そこでこの記事では、コバエの種類ごとの生態や発生する環境の共通点、効果的な駆除方法についてご紹介します。
駆除方法の中には手作りのトラップで簡単に試せるものもあるので、ぜひお試しください。市販のスプレーや捕獲器の使い方や選び方についてもご紹介します。
【目次】好きなところから見れます▼
コバエの種類や生態!どこから湧いてくる?
どこからともなく湧いて中々いなくならないコバエ。そんなコバエは、一体どこから発生しているのでしょうか。
実は日本には数多くの種類のコバエがいます。それぞれ異なる生態を持ち、繁殖の時期も異なるため、種類に応じた駆除方法を検討する必要があります。
そこで減らないコバエを効果的に撃退するため、まずはコバエの発生サイクルや種類、生態を見ていきましょう。
自宅に発生しているコバエがどの種類か、要チェックです。
ショウジョウバエの生態や特徴
日本で非常に多く見られる種類が、ショウジョウバエです。ショウジョウバエは目が赤いものや白い種類がいます。
人家性種と野生種と生態別に分けることができ、家で発生するのは主に人家性種のショウジョウバエです。腐った果物や野菜などを好み、冷蔵庫で発見されることもあります。
生ごみや古くなった食べ物に集まって産卵し、卵は約10日で成虫になります。メスは一回の産卵で約800個もの卵を産むとされており、一生で1,000個以上産卵することも可能です。
この高い繁殖力を兼ね備えた生態がショウジョウバエが大量に発生する原因でしょう。
活動が活発になるのは、春から夏にかけての気温が25度前後になる時期です。
孵化から最大60日前後生きることができ、比較的成虫になってからの寿命が長い種類の昆虫といえます。
ショウジョウバエの湧く環境を作らないためには、生ごみを放置しないなどの方法がおすすめです。
チョウバエの生態や特徴
チョウバエは体色が灰色がかっており、羽先が丸く開いている特徴を持ちます。
発生時期は春から秋にかけて。特に5~6月の春先は活動が盛んになるため、繁殖期のピークを迎えます。
汚水の溜まった場所のヘドロなどを好み、お風呂の浴槽下や排水溝などに産卵するのが特徴です。卵は約2週間ほどで成虫になり、そこから1~2週間ほど活動して寿命を終えます。
チョウバエのメスは1回で200~300個もの卵を、複数回に分けて産卵します。
チョウバエはそこまで飛行力が高くないため、成虫になってからも生まれた場所の周辺にとどまりますが、この高い繁殖力で大量に発生します。
お風呂のエプロンを開けてみたら、チョウバエが大量発生していたというケースは珍しくありません。
どこから湧くのか特定できない場合は、浴槽の下やトイレタンク、浄化槽や排水溝を確認してみましょう。チョウバエの湧く環境を作らないためには、水回りをこまめに掃除するなどの方法がおすすめです。
キノコバエの生態や特徴
文字通り、キノコや観葉植物のある場所を好む生態を持つキノコバエ。中でもよく見られるクロバネキノコバエは真っ黒な体色をしており、体長1~2mmほどの小型のハエです。
実はキノコバエの生態については分かっていないことが多く、駆除方法が確立されていません。
現在分かっているのは、水分を適度に含んだ土に産卵し、湿度の高いときに多く湧くということ。活動時期は他のハエと同様、4~9月あたりです。
主に明け方から午前中にかけて活動し、雨の降った翌日には多く湧くともいわれています。梅雨明けと共に個体数は減少し、通年では活動しません。
キノコバエの湧く環境を作らないためには、観葉植物を外に置くなどといった方法が効果的でしょう。
また、大量に湧く時期や時間帯はこまめに換気をして湿度を下げる方法もおすすめです。
ノミバエの生態や特徴
ノミバエは体長2~4mmで、背中が丸まっており後ろ足が太くノミに似ていることから名づけられたコバエです。
温かい環境を好み、屋内では年間を通して繁殖する場合もあります。野生下での主な活動時期は4~7月の春先と、9~11月の秋口。
ノミバエはヘドロのある場所や、汚物が溜まっている場所を好みます。そのため浄化槽の中や下水道、排水溝などといった湿度が高く、汚れやすい場所を好んで産卵する傾向があるのです。
動物のフンなどにもたかることから病原菌などを媒介しやすく、大量発生する前に確実に駆除することが求められます。
生ごみやヘドロ、漬物やたい肥のある場所に産卵をし、孵化から成虫になるまでは約2週間。退治するには常に生ごみを放置しないことや、排水溝など水回りを清潔に保つ方法が効果的です。
なぜコバエが大量発生する?コバエがいなくならない環境
コバエはどこからともなく発生する昆虫です。駆除するにはまずコバエが発生する原因を特定し、発生しにくい環境を作る方法を考えましょう。
原因から取り除くことで、今いるコバエが駆除できるだけでなく、段取り良くコバエの再発生を予防できます。
そこで、具体的な駆除方法の前にコバエが発生しやすい環境の共通点についてご説明します。より効果的にコバエを撃退するためにも、ご覧ください。
なぜコバエが発生する?
コバエが発生する原因は、コバエの湧きやすい環境です。
コバエはどの種類も、25度前後の気温を好みます。これは人間が快適に感じる気温と同じです。コバエが民家に侵入してきやすい原因には、こうした背景があります。
また、生ごみや水垢などの汚れの匂いに引き寄せられてコバエが外から入ってくる場合もあります。
コバエを駆除するには、こうしたコバエの好む環境を取り除くことから始める必要があるのです。
またコバエは家の中のわずかなスペースで繁殖します。手当たり次第駆除しても、中々コバエが減らないのは家のどこかで繁殖しているからでしょう。
徹底的に退治するには、家の中のどこを拠点にしているのか特定する必要があるのです。
コバエが出やすい環境の特徴は?
コバエを駆除するには、コバエが出やすい環境を取り除く必要があります。
コバエが発生しやすいのは、一定の湿度がある場所です。どのコバエも、下水道や浴槽の下など湿度の高い場所や水場を好みます。こうした場所ではコバエが産卵しやすいのです。
また、もう1つの共通点は汚い場所です。コバエは水垢やヘドロ、汚物や腐った食べ物を好みます。場合によっては食べ物を求めて冷蔵庫の中にいることも。
このような特徴から、コバエはじめじめとした汚い場所に多く発生するのです。コバエを駆除するには、水回りを重点的に掃除を徹底するのが効果的といえるでしょう。
コバエの駆除方法!自作でも撃退する方法を紹介
なかなか数が減らないコバエですが、実は意外にも簡単に撃退できます。ここからは、コバエを効果的に駆除できる撃退方法をご紹介します。
殺虫スプレーを使う方法以外にも、中には自作のトラップで駆除する方法もあるので必見です。
特にめんつゆや酢などを使う手作りトラップでの駆除は非常に簡単なので、すぐにでも試せます。ぜひ自分に合った駆除方法をお試しください。
【自作】めんつゆトラップ・酢トラップで駆除
めんつゆや酢を使ったトラップを仕掛けてコバエを駆除することができます。
まず紙コップやプラスチックカップに、めんつゆを注ぎます。そして同じ分量の水を入れ、台所用洗剤を数滴垂らせば完成です。
できた自作トラップは、コバエが発生する原因となる場所の近くに置いておきましょう。
コバエがどこから湧いてきているのか分からない場合は、自作トラップを台所の三角コーナーの近くやお風呂など、いそうな場所に複数置いておくと良いでしょう。
酢を使った手作りトラップも、作り方は同様です。酢と水を同じ分量注ぎ、台所用洗剤を垂らすだけ。めんつゆも酢も、効果は変わりません。
コバエは酸っぱい匂いや甘い匂いを好むため、めんつゆや酢に寄ってきます。
そしてトラップの中に入ると呼吸器に洗剤が付着し、息ができなくなるという原理で駆除できるのです。ただし、めんつゆも酢も1週間前後で新しいものに交換しましょう。
捕獲したコバエをそのままにしておくと、そこに新たなコバエが卵を産み付けてしまう可能性があるからです。
自作トラップの中身を新しいものに取り換えながら継続的にコバエを捕獲し続けることで、効果的に駆除できるでしょう。
【市販】スプレータイプで駆除
自作のトラップではなく、市販のスプレー駆除剤でコバエを撃退するという方法もおすすめです。
市販のスプレーは数百円で買えるものが多く、即効性があるため使い勝手が良いです。
市販のスプレーはコバエの発生原因となる場所に直接吹きかける方法をとるものから、部屋全体にスプレーするものもあります。
コバエがどこから湧いているのか分からない場合は、部屋全体にスプレーできるタイプのものがおすすめです。なお、スプレーには対象となるコバエの種類が記載されています。
自宅で使用する際には、より多くのコバエを駆除できるスプレーがおすすめです。スプレーの多くはペットや子供への影響がないよう、安全に配慮されているものも多数。周囲を気にせずスプレーできます。
また、スプレーで駆除する場合は継続して吹きかけ続けるのが重要です。スプレーには商品ごとの持続時間があります。
こまめに吹きかけることで、コバエの発生原因となる環境を取り除き、効果的に駆除できます。
【市販】捕獲タイプで駆除
直接コバエを撃退するのではなく、捕獲して駆除するという方法もあります。いずれもコバエの好む匂いで誘引し、駆除するというものです。
コバエを捕獲するタイプの商品はいずれも駆除したコバエの処理が必要です。
また駆除方法は商品によって異なり、粘着力のあるテープでコバエをからめ取り駆除するものや、駆除剤の入ったゼリーを食べさせるもの、電気ショックで駆除するといったものがあります。
価格的に最も安いのはテープ式の捕獲器です。そして次に駆除剤を含む捕獲器、そして電気ショック式の捕獲器です。
商品を選ぶ際は、駆除の方法や持続期間などを見て購入しましょう。
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