毎年暖かい季節になると、蚊の発生に頭を悩ませます。屋外だけでなく、家の中にまで侵入して刺してくるため、どうにかして対策をしたいと思う方も多いでしょう。
実は蚊を呼び寄せるのには原因があり、きちんと原因を特定して対策をすれば、刺される危険を未然に防ぐこともできるのです。
そこで、この記事では、蚊の予防をしやすい時期から発生しやす場所、おびき寄せてしまう原因、予防に適した環境、そして有効な予防対策までを解説します。
ぜひこの記事を参考にして、適切な予防対策を行い、蚊のいない快適な空間を作りましょう。
蚊の予防対策を始めるのにおすすめの時期や季節は?
蚊は、気温が15度くらいになると活動を開始します。これは季節で言えば5月頃ですが、近年では3月終わりくらいから15度を超える日もあるので、4月に入る時期には予防対策をはじめておくのが良いでしょう。
そして、蚊が最も活発になるのは、気温25~30度くらいの時期です。したがって6~7月頃の時期は蚊が羽化するのに最も適した気温であり、特に念入りに予防対策をする必要があります。
蚊は夏の暑い時期に最も発生するイメージがありますが、真夏の8月頃は気温が35~40度になる日もあり、蚊の最適気温を超えています。そのため、真夏は逆にそこまで対策をする必要はありません。
ただし、夏が終わり暑さが和らいでくると、真夏に活動を休止していた蚊も活動を再開します。そのため、秋にはまたしっかりと対策しなければなりません。
蚊が発生しやすい場所!予防対策に適した場所
・古タイヤ
庭などの屋外に放置しがちですが、雨が降るとくぼみに水溜まりができるため、蚊が産卵してしまいます。
・空き缶
雨水が缶の中で水溜まりになり、そこで繁殖ができるため、蚊を呼び寄せます。
・バケツやジョウロ
雨が降ると水が溜まり、放置しておけばずっと溜まりっぱなしなので、蚊の産卵には最適の場所になります。
・植物の鉢
鉢の下に水受け皿を設置していることがありますが、そこに溜まった水分でも蚊は繁殖できるため、植木鉢も蚊が発生する原因になります。
・池や水田
水を張っているため蚊の産卵に適した環境ではあります。しかし池には魚が、田んぼにはカブトエビやタニシなどがおり、ボウフラを捕食するので、繁殖には比較的不向きです。
・雨水マス
中に雨水が溜まっており、流れたりしないので蚊の繁殖に適した環境です。
蚊をおびき寄せてしまう原因とは?
蚊は産卵に必要であるため人の血を吸いますが、やみくもに飛んで人の皮膚までたどり着いているわけではありません。人が蚊はおびき寄せるのには、いくつかの原因があるのです。
この原因を知れば、予防にも役立てることができるため、蚊をおびき寄せる原因について説明します。
蚊をおびき寄せてしまう原因1. 二酸化炭素
蚊は人間が発する二酸化炭素を、触覚やヒゲで感知して強く反応するため、二酸化炭素を多く出す人ほど蚊をおびき寄せやすいです。
しかも、蚊は二酸化炭素を感知する能力に優れていており、最大で50m先からでも二酸化炭素を感知することができるほどです。
人が二酸化炭素を出す量は様々な要因がありますが、例えば体が大きい人ほど二酸化炭素をたくさん出しますし、運動した後や飲酒をしたときは、通常よりも二酸化炭素を出す量が多くなります。
したがって、このような二酸化炭素を多く出す人ほど、蚊をおびき寄せやすくなるのです。
蚊をおびき寄せてしまう原因2. 臭い
蚊は臭いにも反応しておびき寄せられます。汗っかきの人は蚊をおびき寄せやすいですが、これは汗の中に含まれる乳酸の匂いに反応しているためです。
特に、足からは体よりも大量の汗が出るため、蚊は足の臭いには強く反応すると言われます。もっとも、蚊が足におびき寄せられるのには、臭いだけではなく別の理由もあります。
それは、人間の足にいる何百種類もの常在菌(体内にいる無害な菌)が蚊をおびき寄せるという理由で、常在菌の出す化学物質に反応して、蚊がおびき寄せられていると考えられています。
蚊をおびき寄せてしまう原因3. 体温
蚊は熱を探知して人間に接近するため、体温が高くなっている人は他の人よりも蚊をおびき寄せやすいです。
例えば、妊婦や赤ちゃんは一般的に体温が高く、また通常の人でも運動や飲酒後に体温が上がります。したがって、これらの人は蚊をおびき寄せやすいといえるでしょう。
ただし、熱が高ければ高いほど良いというわけではなく、例えばバーベキューの鉄板など、人間の体温をはるかに超える熱には反応しないというのが、蚊の賢いところです。
また、猛暑日のような、外気が体温を超えるような暑さになると、人間の熱を探知できなくなるため、体温には反応しにくくなります。
蚊をおびき寄せてしまう原因4. 服の色
蚊は色にも反応します。これは蚊以外でも蜂などが同様の性質を持ちますが、これらの生物は黒色に近づいてくる習性があります。よって、黒色の服を着ていると、蚊をおびき寄せてしまいます。
また、蚊は色を「白」か「黒」のみで判別しており、濃い色は黒でなくても「黒」とみなします。
つまり、ネイビーやグレーなども黒に近い濃い色であるため、蚊をおびき寄せることがあるのです。
蚊の発生を防ぐ予防対策!蚊を寄せ付けない環境作りのコツとは?
蚊は繁殖に適した場所に好んで生息するため、蚊が繁殖しにくい環境を作ることが大事です。
環境を作るといっても大がかりな作業は必要ありません。家の周囲で手軽に始められることでも、高い予防効果も発揮します。
それでは、蚊を寄せ付けない環境作りのコツを紹介するので、できることから取り入れてみましょう。
予防対策1. 水溜りができるようなものを置かない
家にあるものの中で水溜りができやすいものがあれば、それには要注意です。蚊はわずかな水があれば繁殖できるので、水溜りの周りに発生します。
そのため、蚊が繁殖するために必要な水溜りを除去することで、蚊の発生を予防することができます。
屋外にある空き缶・古タイヤ・バケツなどは、必要なければ放置せずに処分し、必要なものは家の中に入れましょう。
また、植物の鉢植えを庭や玄関に置いている場合には、水溜りになっていないかを定期的にチェックするか、殺虫剤を散布して対策する必要があります。
予防対策2. 草むしりを行う
庭に生えた雑草は、蚊が休む場所として使うことがあります。そのため、屋外の庭の草を生やしっ放しにしておくと、蚊の住処になってしまうので注意しましょう。
庭は定期的に草むしりをするなど、きちんと手入れしなければなりません。余分な雑草を生やさないようにしておけば、蚊の居心地の良い空間がなくなり、蚊をおびき寄せなくなるはずです。
予防対策3. 駆除剤
予防対策になる駆除剤としてはまず、スプレータイプのものがあります。このタイプは、屋外にいるとき周りの木・草・地面などに噴射することで、蚊を寄せ付けない空間を作ることができます。
その他にも、水溜りに撒くタイプの駆除剤もあります。
このタイプの駆除剤には昆虫の成長を阻害する成分が含まれており、蚊の繁殖する池や雨水マスなどに撒いておくことで、ボウフラが成虫になるのを抑制することができます。
このような駆除剤は、発生を予防するものであり、蚊に直接使用する殺虫効果のあるものではありません。
蚊を寄せつけない方法!家で簡単にできる蚊対策とは?
蚊の対策としては様々な噂があり、対策グッズも数多く市販されていますが、どの対策が有効なのか、迷ってしまう人も多いと思います。
そこで、家で自分でも簡単にできる対策の中で、効果が高そうなものを9個紹介します。
こちらで紹介する対策は、周囲の環境要因や対策の時期、蚊の種類などによっても効果が変わるため、自分なりに色々と試してみて、最適な方法を選べるようになりましょう。
寄せ付けない方法1. 網戸などを閉めて侵入できないようにする
まずは蚊を部屋の中に入れないために、開閉時以外は極力扉や窓をすべて閉め、もし窓を開けて置く場合には必ず網戸を閉めしょう。
蚊がどこから入ってくるのかを考えて、蚊の侵入経路をすべて塞ぐことで、蚊が室内に入ってくることを物理的に防げます。
温度の調整は空調でもできるので、蚊が活発に活動する時期だけでも、できるだけ窓や戸は閉めっぱなしにしておくのが良いです。
寄せ付けない方法2. ハーブやアロマなどの蚊が嫌う臭いを使用する
ローズマリー・バジル・レモングラス・ペパーミントなどのハーブは、蚊が嫌う成分が含まれているため、これを利用して蚊を室内に寄せ付けないことができます。
例えば、これらのハーブをドアや窓などの部屋の出入り口か、玄関に設置しておくことで、家の中に入ってくることを防げます。
バジルやミント等のハーブは鉢植えでも簡単に栽培できるので、手軽な対策になるでしょう。
また、ハーブがなくても、アロマオイルを部屋の中で焚いたり、ハッカ油をエタノールと精製水で薄めたスプレーなどで、代用することができます。
その他にも、ハーブの香りがする虫除けリングやアロマキャンドルなどもあり、この対策はいろいろな形で応用されているのです。
寄せ付けない方法3. 虫除けスプレーを使う
有効成分であるピレスロイド系の成分を含まれたスプレーは、忌避効果を発揮します。
スプレーを使用する際は、「防除用医薬部外品」の表示があるか確認し、有効成分が含まれたスプレーを使用しましょう。
またピレスロイド系以外にも、ディートやイカリジンなどの有効成分があります。
ディートは効果が高い反面安全性を考慮して1日の使用制限がありますが、イカリジンは使用制限もなく、子供でも安心して使用できるという点に定評があります。
寄せ付けない方法4. 蚊取り線香などの忌避剤を活用する
蚊取り線香は、燃焼によって有効成分であるピレスロイドを煙と一緒に広がらせることで、蚊を駆除します。
蚊取り線香には火を使うものだけではなく、電気を使った電気蚊取や、ファンで有効成分を揮散させるファン式蚊取など、近年では様々な形態のものが出ているので、用途に応じて使い分けると良いでしょう。
また、蚊を寄せ付けないだけでなく、壁や天井にあらかじめ撒いておくことで、蚊がそこに止まったときに駆除するという殺虫タイプのものもあります。
寄せ付けない方法5. 服の色を気をつける
蚊は黒い色に反応して近寄ってくるので、黒い服を身に付けないようにしいましょう。
また、蚊は色を「白」か「黒」かのみで判断するため、黒でなくてもネイビーやグレーなどの濃い色も「黒」とみなし、反応してしまいます。
そのため、白い服か、白に近い明るい色の服を着ることで対策になります。
寄せ付けない方法6.扇風機で臭いを分散させる
蚊は人間の臭気に反応しておびき寄せられるため、汗をかいたりしたらすぐにふき取ることも大事ですが、扇風機を使って臭いを分散させることでも予防ができます。
また、蚊はそこまで飛行能力が高くありません。そのため、単純に扇風機の風圧には耐えることができず、上手く接近できなくなるという効果もあります。
風の強さとしては「強」モードにする必要はなく、「弱」モードでも十分効果を発揮するので、冷房と併用して扇風機を使うなどの対策ができるでしょう。
寄せ付けない方法7.テレビやスマホに蚊をおびき寄せる
蚊は熱におびき寄せられる習性があります。そのため、テレビやスマホなど、人間の体温よりも高い熱を出す電子機器におびき寄せられて、蚊がやってくるのです。
そのため、窓を開けた状態でテレビを近くに置いていると、外から蚊をおびき寄せてしまうかもしれません。
逆にこの習性を利用すれば、侵入した蚊をテレビやスマホの熱でおびき寄せることができるので、おびき寄せられたところを駆除するという方法をとることもできるでしょう。
寄せ付けない方法8.蚊を寄せつけない服を着る
蚊の嫌いな臭いや忌避効果のある成分などを吸着させ、着ているだけで蚊を寄せ付けないという衣服があります。
仕組みとしては、有効成分をマイクロカプセルに取り込み、それを衣服に吸着させるというものです。
そのため、何度も洗濯しているといずれは成分が落ち、効果を発揮しなくなりますが、商品によっては50回もの洗濯に耐えられるものもあります。
したがって、アウトドアの時など用途を限定すれば、一着でも数年活躍してくれるでしょう。
寄せ付けない方法9.足の裏をアルコール消毒する
蚊が人の足におびき寄せられる原因は、臭いよりも足にある常在菌の数にあるといわれています。この事実は、日本の高校生が実験によって明らかにしたということで、近年話題になりました。
そこで対策としては、常在菌の多い足首より下の部分をアルコール消毒することです。この効果は数時間持続するようですが、持続時間には個人差があります。
また、足を石鹸で洗ったり、靴下を履き替えるだけでも効果を発揮するようです。
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