カメムシは日本全土に生息し、洗濯物や農作物に被害を与える害虫です。刺激を受けると悪臭の分泌液を放つため駆除の仕方に注意しなければいけません。
種類によって生態は異なりますが、殺虫剤や凍結スプレー、自作のペットボトル捕獲器などを活用して退治できます。
基本的に雑食性であり、田んぼや畑だけではなく屋内に入り込むこともあります。
寒いのが苦手であり、冬を除いたすべての季節で活発に活動し、特に秋頃になるとカメムシの被害が多いですが、しっかりと対策をすれば、カメムシの被害を防ぐことができます。
カメムシとは?種類や生態についても解説
カメムシは日本中に生息しているありふれた昆虫です。
そんなカメムシについて、どんな種類があるのか、どのような生態をしているのか知らないことはたくさんあるでしょう。
そこで、カメムシとは何なのか、どんな種類がいて、それぞれどんな特徴や生態をしているのか解説します。
カメムシとは?
カメムシとは、カメムシ目のカメムシ亜目に属する昆虫です。ただし、カメムシ亜目のうち水生種やグンバイムシ、トコジラミは除きます。
カメムシという標準和名の昆虫がいるわけではありません。したがって、カメムシと呼ばれる虫の中には複数の昆虫が含まれています。
先端が尖った三角形をしていて、胴体は翅(はね)に覆われ後ろすぼみになっており、五角形の底を引き伸ばしたような形をしているのが特徴です。
基本的に巣は作らず、寿命は半年から1年半程度です。種類によっては越冬します。
カメムシの種類と生態
日本に生息するカメムシは100種類近くいて、そのうち代表的なものは以下の5種類です。どの種類も害虫であり駆除の対象とされます。
・アオクサカメムシ
日本全土に生息しています。体長は12mmから17mmで鮮やかな緑色のものが多いです。雑食性で植物の汁を吸うため、農作物の害虫として知られています。豆類への被害が特に大きいです。
・クサギカメムシ
日本で最も多く分布していて、室内に侵入することもある衛生害虫です。全身が暗褐色をしていて、無地に見えます。体長は13mmから18mmと大型で植食性です。刺激を受けると悪臭を放つことで知られます。人に利益になるものはなく、害虫として忌避される虫です。
・ナガメ
アブラナ科の植物によく集まる体長6.5mmから9.5mmの昆虫です。日本中に分布し、アブラナ科の野菜の汁を吸うことから害虫とされています。被害を受けると野菜は白い班が生じて、枯れるケースもあります。
・エビイロカメムシ
黄褐色、あるいは橙褐色で体長は15mmから17mmです。日本全土に分布しススキやサトウキビによく付きます。稲に加害した事例もある害虫です。
・ツヤアオカメムシ
体長15mm前後でつやがあるのが特徴です。果樹の害虫として知られ、刺激を受けると臭いを出します。
カメムシが洗濯物につく原因は?色と温度が関係している
昆虫といえば黒や赤などの色を好むイメージがあるのですが、カメムシは白っぽい色を好む習性があります。
そのため、ワイシャツやシーツ、バスタオルなど白の目立つものに集まりやすいです。
また、カメムシは基本的に寒さが苦手で暖かい環境を好むため、外の日当たりの良い場所に洗濯物を干すとカメムシが集まりやすく、駆除の方法に苦労する家庭がたくさんあります。
カメムシが洗濯物に卵を産み付けることもあるため注意しましょう。多くの種類のカメムシで上記のような性質が見られます。
真冬の時期を除けばほぼ一年中カメムシが発生し、特に秋は被害が多いシーズンです。
カメムシの臭いの原因。悪臭を放つ理由とは?
カメムシが臭いのは、刺激を受けると悪臭を放つ生態があるからです。身を守る防衛本能が原因となりカメムシは臭くなります。
その臭いはあまりにも強烈なため、カメムシ自身がショック死するほどです。
臭いの発生源は脚の間にある臭腺です。「トランス-2-ヘキセナール」が主成分となる液体が発生して、悪臭の原因となります。
したがって、臭いを放つ原因となる刺激を与えなければ悪臭は発生しません。分泌液を発生させないように対処することが大切です。
部屋で遭遇したときは、特に駆除の仕方に気を配るべきでしょう。くれぐれも潰すのは避けたほうがよいです。
カメムシの駆除方法!臭くならない退治方法も紹介
カメムシを駆除するための方法はたくさんあります。殺虫剤や凍結スプレーを用いると直接退治することが可能です。あるいは、テープやペットボトルで捕獲して外に逃がす方法もあります。
それでは、カメムシを退治する方法について詳しく解説します。
駆除方法①殺虫剤で撃退
殺虫剤を使えばカメムシを簡単に駆除できます。ただし、殺虫剤の成分によっては駆除できないこともあります。
カメムシ駆除専用の殺虫剤、あるいは不快害虫用の殺虫剤であれば、確実に駆除できるでしょう。しっかりとカメムシめがけてスプレーを噴射しないと駆除できません。
あらかじめカメムシが侵入しそうなところに殺虫剤を噴射するのも効果的です。
駆除目的であれば即効性の高い殺虫剤、予防目的であれば長時間殺虫成分が残存する持続性の高いものを使いましょう。
窓や網戸の隙間などにスプレーしておくのも効果的です。
駆除方法②凍結スプレーで撃退
凍結スプレーで凍らせて駆除する方法です。マイナス85度近くのスプレーを噴射することでカメムシが凍ります。臭いやベタつきがないのがメリットです。
ただし、確実にカメムシに噴射する必要があるため、殺虫剤と比較して駆除に時間がかかることがあります。ペットや小さい子供のいる家庭でも安心して使える方法です。
あくまでも仮死させるだけで完全に退治できるわけではないため、すぐに処分しましょう。放置すると再び動き出すため撃退に失敗することが多いです。
駆除方法③テープで捕獲
カメムシ撃退用のテープが市販されています。あるいは、粘着性のテープを活用することも可能です。
直接、カメムシにテープを貼り付けて捕獲する、あるいは出没箇所にテープを設置しておく方法です。注意点は、テープにカメムシが張り付いた刺激で臭いが出るケースもあります。
また、粘着力が弱くなり捕獲に失敗することもあります。テープを剥がす際にカメムシに触れてしまうケースもあるため、虫が苦手な人には抵抗のある方法です。
駆除方法④ペットボトルで捕獲
ペットボトルを用いてカメムシを捕獲して駆除する方法です。作り方は下記の通りです。
1.ペットボトルの上部1/3くらいを切る
2.切った部分を逆さにしてペットボトルの内側にはめ込む
3.テープで固定する
4.食器用洗剤を入れる
ペットボトルはカメムシにゆっくりと真下から近づけましょう。カメムシは下に落ちて逃げる習性があるため、ペットボトルで上手くキャッチします。
捕獲したらラップなどで塞げば撃退成功です。洗剤によってカメムシは溺れて動かなくなります。
なかなか落ちないときは、反対側から厚紙などを近づけるとペットボトルに落ちてくれます。処分する際にはペットボトルと死骸をきちんと分別しましょう。
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