厨房やキッチンの掃除をする頻度は?
レンジフードやグリストラップの清掃手順は?
「自分で厨房清掃をしたいが、具体的なやり方が分からない」とお悩みではありませんか?
エリアによって付着する汚れは異なるため、それに応じて清掃方法も変えなければいけません。
隅々まできれいさっぱり掃除するには業者に依頼する必要がありますが、日常的に清掃することで清潔を維持しやすくなります。
今回は、厨房の清掃方法を換気扇・レンジフード・シンク・グリストラップ・ダクト・床・エアコンの7つに分けて紹介。
これから厨房清掃をしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
厨房の中でも汚れやすい場所は?
厨房の中で汚れやすい場所の一つは、ガスレンジです。
毎日調理をするのに使う場所なので、野菜くずや油などですぐに汚れが付きます。
また排水溝など水回りも汚れやすい場所の一つであり、ゴミや油などがつまって汚れが溜まります。
ほかにも床や換気扇なども比較的汚れやすいので、こまめに掃除しなければなりません。
汚れを放置しておくと厨房内の衛生環境悪化を招き、お店の質が下がる原因になります。
厨房清掃を行う頻度は?
厨房清掃の頻度は、店舗でどのような料理を提供しているかや、設備の使用頻度によって異なります
。「厨房エアコンのフィルターは月に1回」など、汚れ具合に応じて頻度を調整しましょう。
すべてのエリアを一気に清掃するのではなく、曜日や日にちに合わせて清掃エリアを変えるのも良いです。
1日分の作業員の負担が少なくなるため、継続しやすくなります。
また、自分での厨房清掃だけでは完全に汚れを除去するのは難しいです。
1年に1回程度、業者へ依頼して専門的な清掃作業を行うのが理想的です。
厨房清掃をするメリット4つ
厨房清掃をするメリットは4つです。「忙しくてなかなか清掃できていない」という方もいるかもしれません。
しかし、定期的な清掃をしないとさまざまな問題が発生する恐れがあります。お客様や近隣住民からの評判にも関わってくるため、厨房清掃は必ず行いましょう。
厨房清掃のメリット①臭いを軽減できる
厨房清掃をすると嫌な臭いがなくなり、快適に作業を進められます。厨房が臭う原因はさまざまですが、主に以下の3つです。
・排水口(排水溝)からの下水の臭い
・グリストラップからの腐敗した食材や汚泥の臭い
・厨房内に放置しているゴミの臭い
これらの臭いがダクトを通じて外へ排出されると、近隣住民から苦情が来る可能性があります。気持ち良く料理を提供するためには、日々の厨房清掃が大切なのです。
厨房清掃のメリット②害虫防止につながる
厨房清掃を行うことで汚れや食べ物のくずなどがなくなるため、害虫を防止できます。
厨房は調理を行う場所なので、さまざまな場所に油汚れがたまりやすいです。
そのまま放置していると、汚れやヌメリ、食べ物のくずをえさとする害虫が寄ってきてしまいます。
しかし、厨房清掃をすることで害虫のえさとなるものがなくなるため、ゴキブリやハエなどが集まることを未然に防げるのです。
厨房清掃のメリット③衛生管理につながる
厨房清掃は衛生面を保つことにもつながります。汚れを除去して害虫を防止したり、お客様の口に入るものに雑菌が付かなくなったりするからです。
たとえばレンジフードや換気扇が汚れている場合、調理の熱気で油汚れが溶けて料理に入ってしまう可能性があります。
シンクが汚れている場合は、洗浄済のお皿に雑菌が付いたままお客様に提供する可能性もあるでしょう。
食中毒を防ぐためにも、厨房清掃は欠かせません。
厨房清掃のメリット④節電につながる
厨房エアコンや換気扇など、機器を掃除すると節電できます。
機器は長時間稼働していることが多く、その分ほこりや汚れがたまりやすいです。定期的に清掃しないと、通常通りに動作するために余分な電力を使う必要があり、電気代が高くなってしまいます。
反対に、清掃やメンテナンスをすることで常に良い状態で稼働でき、運転効率が上がります。
厨房清掃マニュアルを活用!定期清掃してキレイに保つ
自分達で厨房清掃を行うには、適切な清掃方法を共有することが重要です。「厨房清掃のマニュアルがない」という場合には、以下の資料を参考にして作成してみましょう。
・文部科学省が出している『調理場における洗浄・消毒マニュアルPart1』『調理場における洗浄・消毒マニュアルPart2』
・厚生労働省が出している『大量調理施設衛生管理マニュアル』
『調理場における洗浄・消毒マニュアル』はあらゆる設備の基本的な洗浄方法を記したもの、『大量調理施設衛生管理マニュアル』はHACCPの概念に基づいた重要管理事項を記したものです。
厨房の清掃方法!場所ごとのやり方を紹介
厨房はエリアによって付着する汚れが異なります。そのため、それぞれのエリアに適した清掃方法をしなければいけません。
ここでは、換気扇・レンジフード・シンク・グリストラップ・ダクト・床・エアコンの7つに分けて紹介します。
換気扇の清掃方法
飲食店の厨房や工場など、空気の入れ替えが必須なエリアでは有圧換気扇が設置されていることが多いです。有圧換気扇とは、圧力をかけることで風の影響を受けずに空気を循環できる換気扇を指します。
有圧換気扇の清掃方法は以下のとおりです。頑固な汚れの場合は、40度程度のぬるま湯に中性洗剤を溶かし、布や柔らかいスポンジで優しくこすりましょう。
手順①コンセントを抜く
手順②中性洗剤を浸した布で汚れを拭き取る
手順③水拭き・乾拭きする
手順④コンセントを挿す
レンジフードの清掃方法
レンジフードとは、換気扇を囲うように設置されたフードのことです。ステンレス製が多く、調理場の上部に設置されています。レンジフードの清掃では、一緒にグリスフィルターも洗いましょう。
手順①シンクにお湯をため、油汚れ用洗剤を入れて洗浄液を作る
手順②グリスフィルターとオイルポットを取り外し、洗浄液につけ置きする
手順③スポンジに洗剤を付けて、レンジフードの汚れを除去する
手順④水拭き・乾拭きする
手順⑤グリスフィルターとオイルポットをこすり洗いしてよくすすいだら、元の場所に設置する
シンクの清掃方法
シンクの清掃はわずかな時間で終わるため、調理終了後にサッと汚れを落とせます。清掃方法は以下のとおりです。
排水口が気になる場合は、対応している漂白剤を活用するのがおすすめです。ゴミ受けや排水口周りに泡タイプの漂白剤を吹きかけたあと、5~10分程度放置してよく洗い流します。
手順①ゴミ受けにたまったゴミを捨てる
手順②スポンジに中性洗剤を付け、シンク全体をこする
手順③水でよく洗い流したあと、乾いたタオルで水分を拭き取る
グリストラップの清掃方法
グリストラップとは、油脂や生ゴミなどが下水へ直接流れるのを防ぐ装置のことで、3つの槽に分かれているのが一般的です。
第1槽ではバスケットで生ゴミや残飯を除去し、第2槽では水と油脂を分離。そして第3槽でさらに油脂を分離させ、下水に排出します。
清掃方法は以下のとおりです。回収したものは、各自治体のガイドラインに従って処分してください。
手順①第1槽のバスケットにたまった固形物をゴミ袋に入れる
手順②第2槽に浮いている油脂や底にたまった汚泥を、ひしゃくなどですくって回収する
手順③第3槽をたわしやブラシでこすり、汚れを落とす
ダクトの清掃方法
厨房のダクトは油汚れが付くことが多いですが、一般の方が内部を清掃するのは難しいです。ダクトは筒状になっており、奥まった構造になっているからです。
しかし、上記で紹介した換気扇やレンジフードの清掃を行えば、ダクト内部に入り込む汚れが少なくなります。換気扇やレンジフードの清掃はダクトの汚れを防止する効果もあるのです。
「ダクト内部を清掃したい」と感じている方は、業者へ依頼してきれいにしてもらうのがおすすめです。
床の清掃方法
厨房の床清掃は、水が流せる場合(ウェット方式)と水が流せない場合(ドライ方式)の2パターンがあります。排水溝がない厨房ならば、ドライ方式で清掃を行いましょう。
洗浄液は中性洗剤+水で作り、油汚れがひどい場合はアルカリ性洗剤+水で作ってください。
ウェット方式
手順①床のゴミをほうきなどで除去する
手順②ホースで床に水をまいて、洗浄液を塗布する
手順③デッキブラシなどでこすり洗いして、よく洗い流す
手順④水を切って乾拭きモップで仕上げる
ドライ方式
手順①床のゴミをほうきなどで除去する
手順②モップに洗浄液を含ませて、床を拭き上げる
手順③別のモップに水を含ませ、よく水拭きする
手順④乾拭きモップで仕上げる
業務用エアコンの清掃方法
厨房エアコンの内部を清掃するには分解洗浄を行わなければいけないため、専門的な知識や道具が必要です。しかし、フィルターを清掃するだけでも内部が汚れるのを防げるので、十分効果はあります。
清掃方法は以下のとおりです。
手順①ツマミをスライドさせて、グリルを開ける
手順②フィルターを取り出す
手順③中性洗剤とぬるま湯を合わせた洗浄液で汚れを除去する(汚れがひどい場合はアルカリ洗剤を使う)
手順④よく洗い流し、乾かしたら元の場所に設置する
清掃業者に依頼するのもアリ!料金相場も紹介
厨房の清掃には時間や手間がかかり、従業員だけで定期的に清掃するのは難しいので、清掃業者に依頼することも検討しましょう。
専門業者に依頼すれば自分でやる手間が省けるうえ、仕上がりもきれいになります。
厨房清掃は部分ごとに異なり、たとえばレンジフード・グリスフィルターが2,000~3,000円程度、排気ファンの内部が30,000円程度です。
業者に依頼するメリットやおすすめ業者について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
まとめ
厨房の中でもガスレンジや排水溝、床などが汚れやすい場所ですが、それ以外の場所も放置しておくとすぐに汚れが溜まります。定期的に清掃することで悪臭や害虫の発生を防ぎ、衛生管理にもつながるので、清掃は怠らないようにしましょう。
それぞれの場所に適した清掃の仕方があるので、本記事を参考に適切な方法で清掃しましょう。自分ですべておこなうのが難しければ、業者に依頼してすべて任せるのもおすすめです。