飲食店では欠かせないグリストラップの清掃。正しい清掃方法と定期的なメンテナンスで、清潔な厨房を維持しましょう。
グリストラップは自治体ごとに清掃マニュアルがあり、グリストラップ自体も洗浄を行う必要があります。
この記事では、自分で行うグリストラップの清掃方法と、知っておきたいグリストラップの構造や仕組みについて解説していきます。
入れるだけの臭い消しなど、毎日の清掃が楽になる清掃道具もご紹介します。
グリストラップの清掃方法で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
グリストラップの清掃方法は大きく2パターンある
グリストラップの清掃方法は、大きく分けて2種類。自分で行うグリストラップの清掃と、専門業者に依頼して行うグリストラップ内の清掃です。
グリストラップは、厨房の排水をそのまま下水道に流さないための、環境を守るシステムです。清掃方法とあわせて構造や仕組みも解説していきますので、今後の清掃に役立ててみてください。
清掃パターン① 週1~3は自分で清掃する
グリストラップは、厨房から出る排水から油脂を分離させ、下水道に流さないようにするための装置です。基本的には毎日の掃除が必要ですが、排水の量や飲食店の業種によっても掃除の頻度が変わります。
特に油脂が多く排出されるラーメン店や、揚げ物がメインの店、営業時間が長い食堂などは要注意。
汚れ具合によっては、一日に数回の掃除が必要になる場合もあります。ここからは、実際の清掃方法についてチェックしていきましょう。
第1槽の清掃方法
グリストラップの第1層には、大きなゴミを取り除くバスケットがついています。ここで野菜くずなどをキャッチし、下水道に流さないよう取り除く仕組みです。
第1層は毎日掃除しましょう。バスケットにゴミが溜まったままになると、臭いや配管詰まりの原因となり、最悪の場合下水が溢れてくることも。
繁忙期などでゴミが多くなる時期は、1日数回の掃除で詰まりを防ぎましょう。バスケットのゴミは、あらかじめネットをかぶせておくと取り除きやすいですよ。
第2槽の清掃方法
グリストラップの第2層では、油脂と水分を分離させます。油が水面に浮いてくるので、油取りシートなどできれいに取り除きましょう。
第1層でバスケットを通り抜けた細かいゴミは、汚泥として底に沈みます。第2層の掃除の頻度は、最低でも週1回。臭いや詰まりの原因になるので、油取りはできるだけ頻繁に行いましょう。
第2層の掃除は、油取りシートが便利です。入れるだけで油分を吸着し、あとは捨てるだけ。油取りで出たゴミは、産業廃棄物です。ゴミとしては捨てられないので、油取りのゴミは保管しておき、産業廃棄物処理業者へ依頼しましょう。
第3槽の清掃方法
グリストラップの第3層では、油脂が取り除かれた排水を下水に流していきます。
第1層から第3層にかけて、底に溜まった細かいゴミの汚泥を取り除きましょう。汚泥も産業廃棄物なので、処理業者に引き渡すまでは各自で保管しておきます。
第3層の掃除の頻度は、月1回以上。ときどき汚泥をチェックして、溜まっている場合はすぐに掃除するのが理想です。
2~3か月に1回は、配管のトラップ部分も掃除しましょう。配管掃除用のブラシやたわしを使って、トラップの内部を掃除します。臭いが広がる場合があるので、営業時間外の掃除がおすすめです。
清掃パターン② 1~3か月に1回は専門業者に清掃をお願いする
グリストラップは、基本的に排水が溜まったままの状態です。そのため、定期的に排水を処理して、内部を清掃する必要があります。頻度は1~3か月に1回。油脂を多く使う飲食店は、掃除の頻度を多めにしましょう。
グリストラップの中は、こびりついた油脂や汚泥でかなり汚れているので、自分で掃除するのは難しい部分です。仕組みや構造を熟知した専門業者なら、専用の道具や洗剤できれいにしてくれます。
グリストラップ内の清掃は、短時間でさっぱりと汚れを落としてくれる専門業者に依頼するのがベストでしょう。
グリストラップの清掃をする際の注意点
グリストラップの清掃では、かなりの臭いが広がることも。そのため、営業時間外に掃除しましょう。臭い消しを使いながらの掃除もおすすめです。
他にも、グリストラップの清掃についての注意点をチェックしていきます。グリストラップの清掃は、飲食店に義務付けられているものです。清掃の仕方や注意点について、店舗スタッフ全員で理解しておきましょう。
各自治体が配布しているグリストラップ清掃マニュアルに従う
グリストラップの清掃方法には、自治体ごとにマニュアルがあります。たとえば、排水に含まれる油脂の量に取り決めがあったり、掃除の頻度などについてもあらかじめ定められています。
マニュアルは自治体の下水道課などで管理されているので、気になる場合は問い合わせてみましょう。
マニュアルの中でも特に気をつけておきたいのが、汚泥や油脂の処理方法です。グリストラップを掃除したときに出る汚泥や油脂は、産業廃棄物。産業廃棄物処理業者に依頼して、的確に処理してもらうようにしましょう。
グリストラップ清掃で必要なアイテム4つ
グリストラップの清掃の仕方や、構造と仕組みについて、イメージがつかめてきたでしょうか。ここからは、グリストラップ清掃をもっと楽にするお掃除道具を紹介します。
グリストラップの掃除は、飲食店なら必須の義務。毎日行うことなので、できることならなるべく楽に済ませたいものですね。入れるだけの臭い消しや、油取りが楽になる道具まで、4点をピックアップ。
すでに使っている方も、これから用意する方も、ぜひチェックしてみてください。
おすすめのアイテム① ゴム手袋
グリストラップの掃除では、予想外の異物が紛れ込んでいる場合もあります。思わぬケガを防ぐためにも、必ず手袋を使いましょう。
おすすめは、清掃業や運輸業をはじめ、工業関連や土木の現場でも使われている作業用の手袋です。手のひら部分がゴムでコーティングされ、グリップ力が強いので力仕事もばっちり。
強度があるのに薄いので、細かいものをつまむなどの指先の動きもスムーズです。穴が開きにくいので、鋭利なゴミがあってもケガを防げるでしょう。
汚れたら洗濯できるので、使い捨ての手袋よりも経済的。飲食店などの衛生管理が厳しい現場でも、安心して使える清掃用のグローブです。
おすすめのアイテム② 汚れ等をすくい上げる用具
グリストラップの清掃で最も手がかかるのが、底に溜まった汚泥をかき出す作業です。水を含んだ汚泥は重く、見づらい底にへばりついていて、かき出すのが大変。詰まりや臭いを防ぐためにも大事な工程ですが、誰もやりたがらない重労働ですよね。
こちらの「すくいん棒」は、長いので手が汚れず、立ったまま作業できるので力が入りやすくなります。汚泥をすくいやすい構造で、グリストラップの角まできっちり入ります。
今まで取り切れなかった汚泥もきれいに取り除けますよ。臭いや詰まりの原因となる汚泥がなくなれば、厨房の衛星環境もぐっと良くなります。掃除しやすい道具を取り入れて、毎日の清掃をもっと楽に行いましょう。
おすすめのアイテム③ ネット
バスケットに溜まったゴミは、多い時は1日数回、少なくとも毎日取り除く必要があります。バスケットはメッシュ状なので、網目を通り抜けた細かいゴミは汚泥となり、臭いの原因にもなります。
できるだけゴミを流さず、水分だけを通すには、グリストラップ用ネットをかぶせておくのがおすすめです。このネットは伸縮性があり、バスケットにかぶせやすくなっています。
縦には伸びにくくしてあるので、重たいゴミを持ち上げたときにも持ち運びやすいです。面倒なゴミ処理も、ネットを引き上げて捨てるだけ。毎日ネットを交換するだけで、バスケットの掃除は完了です。
これなら作業時間が短縮できますね。1日1回と限定せず、ゴミが溜まった時点で交換するのが臭いを防ぐポイントです。
おすすめのアイテム④ 洗剤
グリストラップ清掃の仕上げは、臭い消しです。グリストラップは、どんなに掃除してもどうしても臭いが気になるところ。使用年数が長かったり、暑い季節になってくると、仕方のないことです。
そこで、入れるだけの臭い消しを使ってみましょう。このバイオミックスは、納豆菌で臭いの元となる成分を分解。油も分解してくれるので、入れるだけで排水を流しやすくし、配管の詰まりを防いでくれます。
油分が少なくなれば、グリストラップの清掃がもっと楽に。定期的に入れるだけなので、作業の負担も少なくできますよ。東京ドームや病院など、納入実績も多数の臭い消しです。
厨房の臭いが気になる店舗や、洗剤よりエコな臭い消しを使いたい店舗におすすめです。
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