コウモリが家に住み着くと、糞尿による悪臭や健康被害に加えて羽音・鳴き声による騒音など、さまざまな害悪をもたらします。
コウモリを確実に駆除するためにはその生態や習性を知ったうえで家のどこにいるかを特定し、適切な方法で駆除しなければなりません。
こちらの記事ではコウモリの生態や特徴、種類について説明し、具体的な対策方法、駆除に適した時期などについて解説します。
生態や習性を理解して行動パターンを知り、正しい駆除や対策方法を実践してコウモリの被害がない快適な生活を送りましょう。
コウモリの生態や特徴!種類についても解説
適切な駆除や対策をおこなうためには、まずコウモリの生態や習性について正しく理解しておかなければなりません。
コウモリの生態や特徴、寿命、種類などについて紹介します。
コウモリの生態や特徴
コウモリは哺乳類で唯一空を飛べる生物で、基本的には森林や洞窟、トンネルなど自然に生息しています。もっともアブラコウモリという種類は人家の軒下や屋根裏などに生息しており、都市部でもよく目にすることがあります。
コウモリは寒さに弱いため暖かい場所を好み、暗い場所にも住み着きやすいため、アブラコウモリは主に人家の屋根裏・天井裏・壁の中・エアコンの排気口などに住むことが多いです。
4月~10月にかけてが主な活動時期であり、夜行性であるため夕方頃から活動を開始して蛾やハエなどの昆虫のほか果物・野菜・肉なども食べます。11月~3月のあいだは冬眠に入るため、基本的に活動しません。コウモリの繁殖期は初夏の時期であり、一度に1~3匹ほどの子どもを産み強い繁殖力を持ちます。
日本にいる主なコウモリの種類
日本には35種類ほどの種類のコウモリがいますが、代表的な種類は以下のとおりです。
・アブラコウモリ
・キクガシラコウモリ
・ニホンウサギコウモリ
・オガサワラオオコウモリ
・カグラコウモリ
まずもっとも目にする機会が多いのはアブラコウモリであり、民家に住み着くというのが大きな特徴でしょう。
キクガシラコウモリは洞窟やトンネルなどに生息し、ゲンゴロウ・コガネムシ・セミなどの昆虫をエサにするコウモリです。
ニホンウサギコウモリはウサギのような大きな耳を持つことが特徴であり、北海道から本州にかけての広い範囲に分布しています。
そのほかオガサワラコウモリは小笠原諸島に、カグラコウモリ八重山諸島にそれぞれ生息するコウモリです。
家に住み着くアブラコウモリの習性や活動時期など紹介
日本の家に住み着くコウモリとしてもっとも一般的なのは、アブラコウモリです。
アブラコウモリの生態・習性や特徴、生息地、そしてどこに住み着き、いつから繁殖を開始するのかなどについて、詳しく解説します。
アブラコウモリ(イエコウモリ)の習性や特徴
コウモリは冬になると冬眠に入るため、活動時期は春から秋にかけてです。夜行性で日中は睡眠をとっており、夕方から夜中にかけて活動します。
活動時間は主にエサをとっており、餌となるのは蚊・蛾・ハエ・ゴキブリ・クモなどの小さい昆虫類のほか、果物や野菜、肉などを食べることもあります。
アブラコウモリの天敵は、コウモリよりも飛行性能がよく飛行速度も速い猛禽類であり、代表的な天敵はフクロウです。その他にもヘビもアブラコウモリの天敵であり、コウモリが高いところにぶら下がっているのはヘビから身を守るためであるといわれています。
アブラコウモリの生息地・生活場所
アブラコウモリは市街地の民家などに生息しており、森林や山間部など人里離れた場所には生息しません。そのため民家でコウモリをみつけたら、まずアブラコウモリだと思ってよいでしょう。
アブラコウモリのように民家を住みかとするコウモリは珍しく、このような習性からアブラコウモリは別名イエコウモリともいわれています。
コウモリは寒さに弱く暗い場所を好むことから、アブラコウモリは民家のなかでも換気口内 ・天井裏 ・壁内・エアコンの配管口などに住み着きます。わずかな隙間さえあれば侵入できるため、侵入を防ぐためには対策を万全にしなければなりません。
アブラコウモリの繁殖力や寿命
アブラコウモリは冬眠前の秋頃に交尾をし、冬眠から覚めた春から夏のあいだに出産します。
一度に産める子どもの数は1~3頭ほどであり、一生かけて何度も産卵するので繁殖力は高いといえるでしょう。そのため一度民家に住み着くと数をどんどん増やしていき、家族単位で複数の個体が集まって暮らすため50頭近くの群れで民家に住みついていることが多いです。
数が増えればその分糞尿が大量に出るため、悪臭や感染症のリスクも増してより被害が拡大します。アブラコウモリの寿命は3~5年くらいですが、コウモリのなかには寿命10年を超える種類もいるので寿命は比較的短い方です。
アブラコウモリによる被害
アブラコウモリによる被害には、以下のようなものがあります。
・鳴き声や羽音の騒音
・糞尿による悪臭、家財の腐食
・感染症などによる健康被害
まずコウモリは攻撃性が低いため、基本的に襲われて噛まれたりするような危険性はありません。
ただし被害としては騒音のほか、糞尿による悪臭や健康被害などさまざまな問題があります。
またコウモリは夜行性のため、夜中に羽ばたいたり鳴き声をあげられてりすると大きなストレスでしょう。
そして糞尿が垂れ流されると悪臭が発生するほかにも、家財を腐食したり感染症が広がったりする危険があります。
コウモリの被害を受けないための対策方法
まずは忌避剤を使ってコウモリを追い出す方法が考えられます。巣に直接吹きかけるスプレータイプや置き型のジェルタイプなど、いくつかの種類があるので適宜使い分けましょう。
また、コウモリはハッカの臭いが苦手なので、ハッカ油を使った自作のスプレーも忌避効果を発揮します。他にも超音波を使ったり光で照らしたりしてコウモリを追い払うことができますが、これらは一時的に家へ寄せ付けない効果があるに過ぎません。
大事なのは家の中から追い出したあと、侵入経路を塞ぐことです。詳しい対策方法については下記の記事で解説しているので、こちらも参考にしてください。
コウモリの駆除に適した時期・季節はいつ?
コウモリの駆除適した季節は春と秋ですが、これにはコウモリの生態や習性に関係した理由があります。
まず春が駆除に適している理由は、コウモリは初夏に繁殖するため春に駆除すればコウモリが増える前に退治できるからです。また秋もコウモリが冬眠に入る前なので、駆除に適した時期といえます。
なぜなら冬眠に入ってしまうとコウモリの活動が停滞するため、巣から動かすのが難しいからです。またコウモリの捕獲・駆除には許可・免許が必要であり、勝手に駆除することは法律により禁じられています。
そのため生まれたばかりの子どもがいて、駆除の際に死なせてしまう恐れがある7~8月頃のか繁殖期に駆除するのは控えた方がよいでしょう。
コウモリを確実に追い出すには駆除業者がおすすめ
駆除から再発防止対策まで確実におこなうためには、専門業者への依頼がもっとも確実です。
自分でできる対策もありますが、コウモリの巣がある場所を特定して家から追い出し、侵入経路を完全に塞ぐのは素人には難しいでしょう。コウモリはわずかな隙間でも侵入し、一度侵入すれば家のなかで巣作りをして繁殖する習性があるのですぐに増えてしまいます。
コウモリを捕獲・駆除するには狩猟免許がいるので、確実に駆除するためには専門の業者の力が必要です。業者の選び方やおすすめ業者に関しては、下記に記事を参考にしてください。
まとめ
都会でよくみられるアブラコウモリですが、民家に住み着いたのを放置しておくと騒音や糞尿による悪臭・健康被害に悩まされることになるでしょう。
アブラコウモリは家のわずかな隙間からでも侵入し、換気口・天井裏・壁の中などみえないところに住み着いてしまいます。駆除に適した時期は春と秋なので、もし住み着いているのをみつけたらこの時期にしっかり駆除しましょう。
コウモリの駆除には手間がかかるうえ対策が難しいので、確実に駆除したいのであれば業者に依頼するのがおすすめです。