ハクビシンが家に出入りするようになり、食害や健康被害などに悩まされている方もいるでしょう。ハクビシンは一度住み着いた場所から離れにくいうえに繁殖力も強いので、放置しておくと大量発生する可能性もあります。
被害の拡大を防ぐため、こちらの記事では、ハクビシンの駆除方法や寄せ付けないための予防対策などについて解説します。ハクビシンの生態や被害を抑えたうえで、駆除方法や予防対策をしっかり実践することで、被害を最小限に抑えましょう。
ハクビシンとは?生態や特徴、活動時期など解説!
ハクビシンとはどんな生き物なのか、生態や特徴、活動時期・活動時間などについて解説します。
まずはハクビシンのことを知り、その生態や特徴に合わせて適切な駆除を実践しましょう。またハクビシンに似ている動物も紹介するので、それらしき動物を目撃したら適切に見分けてください。
ハクビシンの生態や特徴
ハクビシンは日本列島の全域に生息する、ジャコウネコ科の哺乳類です。
体長50~75cm程度で猫のような体をしており、黄褐色で鼻筋に白い線が入っているのが特徴です。夜行性の生物なので日中は巣穴にこもって眠っていることが多く、夜になってから活動を開始します。
ハクビシンは木登りが得意で木になっている果実や種子を食べるほか、鳥や昆虫などの生物を食べる雑食性の生き物です。臆病な性格なので基本的に人を襲うことはありませんが、捕獲の際には狂暴になることもあるので近づいて素手で捕まえたりしないよう注意してください。
ハクビシンの活動時期・季節
ハクビシンは冬眠をしないため基本的に一年中活動でき、活動時期は決まっていません。
ただし寒さには弱いため冬には寝床でおとなしくしていることが多く、暖かい時期のほうが活発に活動します。
気温が上がる真夏は屋根裏や天井が高温になるのでこれらの場所に住み着いたハクビシンが出ていくこともありますが、エサのある場所を覚えているので暑さが落ち着けばまた戻ってくるでしょう。
繁殖時期は春先で、一回の出産で2~4匹の子どもを産み、妊娠期間が短く成長も早いためすぐに繁殖してしまいます。
ハクビシンに似ている動物
ハクビシンに似ている動物にはアライグマやタヌキなどがいます。
アライグマも人家の屋根裏や床下に住み着いて農作物などを荒らしますが、ハクビシンと違って狂暴な性格をしているため襲われる危険があります。
タヌキは地面に穴を掘って生活するため人家には住み着きませんが、農作物を食べるところはハクビシンやアライグマと同じです。他にもアナグマやイタチなどハクビシンに似た動物がいるので、詳しくは以下のリンクを参考にしてください。
ハクビシンによる被害とは?
ハクビシンによる被害としては、主に以下のようなものが挙げられます。
・家屋や断熱材などの損傷
・食害
・健康被害
それぞれどのような要因でいつどこから被害が出るのか、詳しく解説します。
家屋や断熱材などの損傷
ハクビシンは同じ場所で糞尿をする習性があるため、一箇所に蓄積した糞尿によって木材が腐食し、糞の重みによって傷むことがあります。
屋根裏に住みついたハクビシンを長期間放置しておくと、溜まった糞尿によって天井が痛み、上から糞が落ちてくることもあります。またハクビシンは断熱材を食いちぎって巣を作ることがあるので、断熱材がボロボロになって家屋の断熱効果が失われてしまうこともあるでしょう。
食害
ハクビシンは果物などの農作物を食べるので、庭や畑で食害に遭うケースはよくあります。
特にハクビシンは甘い果物を好んで食べるため、桃・ブドウ・ミカン・イチゴなどの農作物は被害に遭いやすいので注意してください。また果物を好んで食べるのは、ハクビシンが木登りが得意であるということも理由として挙げられます。
ジャンプ力が高いうえにバランス感覚に優れているので、木のうえでも難なく移動でき、木になる果実を採るのには非常に向いているのです。
健康被害
ハクビシンの糞尿は病気や感染症などの健康被害をもたらす危険があります。
ハクビシンは同じ場所で糞尿をする習性があり、糞尿が溜まった場所にはダニやノミが大量に発生するのです。そしてノミやダニに刺されると、アレルギーや皮膚炎を発症します。また糞に感染症の原因となる寄生虫が発生していることもあり、トキソプラズマやレプトピラ症といった症状を引き起こす危険があるでしょう。
さらにハクビシンは死に至るリスクもあるSARS(重症急性呼吸器症候群)を媒介する可能性もあるので、ハクビシンがもたらす健康被害は重大なものであるとわかります。
ハクビシンの駆除方法!自分でできる効果的な撃退法
ハクビシンを駆除・退治するために、自分でできる効果的な撃退法を紹介します。
・忌避剤や木酢液などの嫌いな臭いを使う
・大きな音を出して追い出す
・役所に申請を出し捕獲する
上記3つの方法について、それぞれどのような方法か具体的に解説します。
駆除方法1.忌避剤や木酢液などの嫌いな臭いを使う
ハクビシン専用の忌避剤が市販されているので、忌避剤を使ってハクビシンを撃退することができます。その他にも木酢液をはじめとしたハクビシンが嫌う臭いはいくつかあるので、これらを使ってハクビシンを寄せ付けないよう対策が可能です。
例えばニンニクや唐辛子、犬の毛などがハクビシンの嫌う臭いを発します。ニンニク・唐辛子は穴の開いたペットボトルに入れ、犬の毛はネットに入れてハクビシンの侵入経路に設置しておけば、侵入を防ぐための対策になるでしょう。
駆除方法2.大きな音を出して追い出す
ハクビシンは聴覚が発達しているため、大きな音を出して追い出すことができます。
たとえば発砲音やブザーの音などです。ただしあまり大きな音を長時間出し続けると近隣の迷惑になるので、使用する際は注意してください。
またハクビシンはモーター音や掃除機の音などの機械音も嫌います。さらにハクビシン対策用の超音波などもあるため、ハクビシンが住み着いた屋根裏や床下などに設置するのもよいでしょう。
駆除方法3.役所に申請を出し捕獲する
ハクビシンを駆除する方法は狩猟か許可捕獲の2つがありますが、狩猟には免許が必要なので基本的には許可捕獲をすることになります。
個人でハクビシンを捕獲・駆除をする場合であっても、役所に申請を出して許可を得なければなりません。無許可で駆除すると、鳥獣保護法違反で6か月~1年の懲役もしくは30万円~100万円以下の罰金が科せられます。
許可捕獲は狩猟と違い、エリアや時期、手法などの指定がないため捕獲方法を柔軟に選べます。また自治体によっては捕獲罠の貸し出しをおこなっているところもあるので、各自治体に申請する際に確認してみるとよいでしょう。
ハクビシンを寄せ付けないための予防対策
ハクビシンを寄せ付けないための予防対策は、以下のとおりです。
・侵入経路をふさぐ
・餌となるものなくす
・雑草など隠れやすいものを撤去する
・糞や巣を掃除する
それぞれ予防対策になる理由や、どのような措置が必要かについて説明します。
対策1.侵入経路をふさぐ
ハクビシンは通気口や排気口の中を通って家の中に侵入するので、パンチングメタルなどの頑丈な板を使ってしっかり経路を塞ぎましょう。
侵入経路を塞ぐうえで注意しなければならないのは、ハクビシンがなかにいないことを確かめておくことです。
ハクビシンが残った状態で侵入経路を塞ぐとなかでハクビシンが死に、腐敗して悪臭や病原菌が繁殖する原因になります。そのため侵入経路を塞ぐときは必ず侵入したハクビシンを追い出し、その後に対策を実施してください。
対策2.餌となるものをなくす
餌が採れなければハクビシンは寄り付かないので、餌となるものなくすようにしましょう。食べ残しやジュースの空き缶などは放置せず、きちんと処理してください。
生ゴミも狙われやすいので、家の前に長期間放置したりせずにゴミ出し日に合わせて適切に処分しましょう。また餌となる農作物ですが、農作物をなくすことはできないので防獣ネットなどを使って対策することが重要です。収穫した農作物も外に置いておかずに室内で保管し、廃棄するものはすぐに処分してください。
対策3.雑草など隠れやすいものを撤去する
雑草などの隠れやすいものが多い場所はハクビシンの好みであるため、庭の雑草や落ち葉はきれいに処分して手入れしましょう。
ハクビシンは警戒心が強く、見通しがよい場所を嫌います。そのため雑草や落ち葉が多く身を隠しやすい場所をすみかとして選ぶのです。
庭先だけでなく用水路や側溝にも落ち葉が溜まりやすいですが、これらの場所はハクビシンの侵入経路になるのできちんとチェックし、定期的に清掃をおこなってください。
対策4.糞や巣を掃除する
ハクビシンは特定の場所で糞尿をする「溜めフン」という習性があるので、糞尿を溜めたままにしておくと何度も侵入して糞尿を繰り返します。そのため糞は定期的に掃除して、溜めておかないように注意しましょう。
ハクビシンは屋根裏や床下など人家の薄暗い場所に巣を作ります。巣を発見したら糞がないか確認し、あればすぐに掃除してきれいにしてください。糞はハクビシンが住みつくだけでなくさまざまな健康被害を引き起こす原因にもなるので、早急に処分することが大事です。
ハクビシンを確実に駆除・追い出すには業者がおすすめ
ハクビシンは賢い生き物であり、自分で捕獲しようとしてもうまくいかないことが多いため、確実に駆除するには業者へ依頼するのがおすすめです。
業者に依頼すれば再発防止措置もしてくれるうえ、万が一再発した場合のアフターフォローがある業者もあるので安心できます。またハクビシンの糞にはノミ・ダニや寄生虫が発生するうえ感染症のリスクもあるので、自分で駆除するよりも業者に任せた方が安全です。
業者の選び方がわからない方は、以下の記事も参考にしてください。
まとめ
ハクビシンは家屋の損傷や食害、健康被害など、さまざまな被害をもたらします。
ハクビシンの嫌がる忌避剤や音を使って追い払うことができるほか、役所に申請すれば捕獲もできるので、家にハクビシンが住み着いているならしっかり対策しましょう。またハクビシンを追い出すことに成功したら、予防対策をして再発を防ぐことも重要です。
侵入経路を塞いで糞を処理し、雑草や落ち葉なども撤去してきれいにしましょう。きちんと対策を実践すればハクビシンの被害を最小限に抑えられるので、放置することなくぜひ対策を実践してください。