4月頃から目にする機会が増えてくる毛虫は、種類によって発生する時期や生態が異なっています。今回は代表的な毛虫を、主に有毒と無毒の二種類にわけて解説。
また、毛虫が大量発生する時期、原因と、そうならないための予防対策の方法も紹介しています。毛虫が発生しやすいこれからの梅雨や夏の時期に向けて、前もって大量発生を防ぐために、お家の中にあるものでもできる予防法も解説しています。
もし自分で駆除していて刺されてしまった時の症状や、毒針の抜き方などの対処法も解説しているので、毛虫を効率的に駆除するための参考にしてみてください。
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毛虫とは?生態や発生原因・発生時期など解説
毛虫とはイモムシのような体に毛や針のようなものが生えている虫の俗称です。毛虫はほとんどが蛾の幼虫で、蝶の幼虫は毛が生えていないアオムシと呼ばれることが多いです。
北海道から沖縄まで日本全国に生息する毛虫は、その種類によって発生する時期や原因、生態も異なっています。代表的な毛虫を、有毒と無毒の種類にわけて解説していきます。
毛虫の生態・種類
毛虫は特定の幼虫ではなく、毛が生えたイモムシのような虫の総称です。日本には約5,000種類もの毛虫がいて、発生する時期や樹木も異なります。
毛虫は毒を持っていて、刺されると痛いというイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、すべての毛虫が毒を持っているわけではなく毒を持たない種類もいます。
有毒な毛虫
毒を持った毛虫の代表的な種類と、発生しやすい時期や樹木、生態を簡単に紹介します。
名前 | ドクガ |
---|---|
大きさ | 40mm |
特徴 | 見た目が黒く、オレンジ色の筋がある |
成虫 | ドクガ |
発生時期 | 6月頃 |
発生場所 | 北海道から九州 サクラ、ウメ、柿の木など |
無毒の毛虫
人間への毒は持っていませんが、葉の食害などの被害はあります。発生する時期や樹木を紹介します。
名前 | アメリカシロヒトリ |
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大きさ | 30mm |
特徴 | 繁殖力が強い |
成虫 | アメリカシロヒトリ |
発生時期 | 6月から |
発生場所 | 本州、四国、九州北部 100種類以上の樹木で食害が確認 |
発生した時期によっては木の葉がすべて食べつくされることもある。
毛虫が大量発生する原因
毛虫が大量発生するのは以下のようなの原因が考えられます。
・発生しやすい植物がある
・葉の裏に卵を産みつける
・安全な場所がある
それぞれ解説していきます。
発生しやすい植物がある
毛虫が発生しやすい植物はツバキ、ツツジ、サクラ、柿の木などが代表的です。これらの樹木の特徴は、葉が多く柔らかいことで毛虫にとって快適な環境になること。
葉の裏に卵を産みつける
毛虫は天敵から卵を隠すために、葉の裏に卵を産み付けます。葉が多い植物はどこから見ても見つかりにくいので、産卵に適した場所になりますし、卵が孵化した後の葉は毛虫の食事になります。
安全な場所がある
家の中でも、人間が普段立ち入ることのない屋根裏などに壁をつたって侵入すると、毛虫にとって最高の隠れ場所になります。天敵に捕食されることがないので、大量発生しやすい状況と言えるでしょう。
毛虫に刺されてしまったら?
毛虫を発見しても、むやみに近寄らないでください。毛虫には有毒の種類もいるので、近づくだけで刺されてしまう危険があります。毒を持つ毛虫はある程度離れた場所に居ても、風で毒針がどこからか飛んでくることがあるので注意が必要です。
注意していても刺されてしまった時や、気づかない内に刺されて体に異変を感じた時のために症状や対処法を解説します。
毛虫に刺されたときの症状
有毒の毛虫に刺された時の代表的な症状は以下のようなものがあります。
・かゆみ
毛虫に刺されると猛烈なかゆみを引き起こし、肌をかきすぎて赤く腫れたり、血が出てしまうこともあります。
・腫れ
針が刺さった場所は熱を持って腫れることが多いです。
・発疹
発疹とは目で見てわかる肌の変化のことで、変色、ぶつぶつができる、水ぶくれのような症状のことです。
・痛み
刺された場所を中心に痛みが広がります。
毛虫に刺されたときの対処法
毛虫に刺された時は毒針を抜くまでと抜いた後の対応でわかれます。
まず、最優先するべきなのは毒針がまだ残っているかを確認することです。毒針が残っているのに、強くかいたり、こすってしまうと被害が広がります。家庭にあるセロハンテープ、ガムテープなどの粘着力があるものを使って、刺された場所周辺をそっと押さえて毒針を取り除きます。
毒針が抜けたことを確認したら、水道やシャワーで石鹸を使って洗い流します。時間が経っても、腫れやかゆみなどの症状が治らない場合には皮膚科や眼科など、症状が出ている部分に対応している医療機関を受診してください。
毛虫を駆除する方法
毛虫は生命力が強い害虫ではないので、家庭にあるお湯、お酢、洗剤、殺虫剤を使えば自分で駆除することもできます。
しかし、チャドクガなどの有毒な毛虫は注意が必要です。風が吹いただけでも毒針が飛んでくることや、死体でも毒針は残り続けているので安心はできません。そういった場合には駆除業者に依頼することがおすすめです。
自分で駆除する方法
家庭にあるもので毛虫を駆除する方法には以下のようなやり方があります。
毒針はどこから飛んでくるかわからないので、どの方法でも服装に注意してください。家の中や壁で毛虫が発生した場合でも、なるべく皮膚が露出しないように、長袖長ズボン、帽子、ゴーグル、マスクなどを身に着けましょう。
・熱湯を使う
毛虫は熱に弱いので、熱湯をかければ駆除できます。
・お酢を使う
お酢と水を1対3の割合で混ぜ合わせ、スプレーすることで毛虫を駆除できます。
・洗剤を使う
洗剤を溶かした水に毛虫をつけることで駆除できます。注意点として、毛虫に近づかなければなりません。
・殺虫剤を使う
市販の殺虫剤を買って、自分で毛虫にスプレーします。
・家にあるもので毛虫駆除をする方法|手作りできるものや予防対策なども解説!
業者に依頼して駆除する方法
毛虫の駆除は種類や発生した木、場所によって業者に依頼した方が良い場合もあります。どんな時に業者に依頼すべきなのかを紹介します。
・毒を持った毛虫
毛虫にはチャドクガなどの毒を持った種類もいます。毛虫の毒は死んだ後も残り続けていて、風で飛んでいく場合もあるので、後片付けも危険です。
・発生した場所が高い木
数メートルの高さの木に毛虫が発生してしまった場合は、業者に依頼したほうが安全に駆除できます。
・大量に発生してしまった
毛虫は葉の裏など、見つけにくい場所に発生します。快適な場所を求めて家の中に侵入したり、壁を通って近隣の住宅に行くことも。どこから探せばいいのかわからなくても、業者に依頼すれば自分では見つけられなかった場所に隠れていた毛虫も一度に駆除してもらえます。
毛虫を予防対策する方法
毛虫を予防、対策するためには以下のような方法が有効です。
・木酢液を使用する
毛虫は木酢液特有の煙のような匂いが嫌いなので、寄り付かなくなります。
・薬剤を使用する
毛虫用の薬剤には予防用のものがあるので、生まれる前の卵の状態でも使用できます。
・定期的に剪定する
毛虫は天敵に食べられないように、葉が密集している場所に卵を産み付けますが、定期的な剪定で葉が多くなければ、卵を産み付けなくなります。
・ハーブを植える
毛虫はミントなどのハーブに弱い性質を持っているため、毛虫が発生しやすい木のそばにハーブを植える方法があります。
毛虫対策の注意点
これまで紹介した毛虫対策はどれも有効ですが、注意するべき点もあるので解説します。
・殺虫剤を使う時の注意点
殺虫剤は毛虫を退治する際には非常に便利ですが、注意点もあります。
ご家庭に赤ちゃんや小さなお子さん、ペットがいる家庭は、薬剤を使用する際に近づかないように気をつけましょう。また、近くにいなくても、風が吹けば殺虫剤の成分が赤ちゃん、ペットにかかってしまうこともあるので家の中にいるように注意してください。
・駆除できても素手では触らない
毛虫は駆除した後の死体にも毒が残り続けていますので、毛虫が動かなくなったからといって、素手で触ると毒で腫れやかゆみなどの症状が出てしまうため注意してください。また、毒針毛という毒針は風で毒針が飛んでいくので、死体は放置しないようにしましょう。
まとめ
今回は毛虫の代表的な種類や発生時期、発生原因について紹介しました。
日本には多くの毛虫が生息していますが、大量発生する時期や毒を持った種類は限られています。
チャドクガのような毒を持った種類であっても、発生する時期や樹木がわかっていれば自分で道具を使って駆除することができるでしょう。
ですが、毛虫は見つかりにくい場所に隠れているので、発生した毛虫が毒を持っていた場合、どこから毒針が飛んでくるのかわかりません。また、発生した場所が高い木、高い壁や家の中だった場合の作業は危険を伴います。そういった時には安全や再発予防を考えて、毛虫駆除業者に依頼してみることもおすすめです。”