日本で主に見かける蚊は3種類。アカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシマカです。いずれも人の血を吸い、水のある場所で大量発生します。
そこでこの記事では、これらの蚊に効果的な駆除方法を解説します。
ご紹介するのは室内の蚊を退治する方法から、屋外の蚊を駆除する方法まで。屋内の駆除方法としては駆除剤の使用、水の管理、網戸の設置などが有効です。
屋外の駆除方法は、殺虫剤や蚊取り線香、捕虫器の利用や水溜りを減らす方法などが主に挙げられます。複数の方法を並行して実践すれば、より蚊の駆除に効果的でしょう。
ぜひご紹介する内容を参考に、できそうなものから試してみてください。
蚊の種類や生態。活動時期について解説
蚊を効率よく駆除するには、生態や寿命のサイクルについて知る必要があります。なぜなら活動サイクルが分かれば、いつどのように駆除すれば良いのか把握できるからです。
実は、蚊の種類によって寿命や生態はさまざま。つまり蚊の生態に合わせた駆除方法が必要になります。
まずは日本にどのような種類の蚊がいるのか、また活動時期や産卵場所などの生態について見ていきましょう。
蚊の種類① アカイエカ
アカイエカは大きさが約5.5mm程度の蚊です。
成虫は主に3~11月の温暖な時期に活動がさかんになるとされています。活動時間は夕方から夜にかけて。昼間は暗い場所に潜み、休んでいます。
田んぼから下水溝、植物の鉢に溜まった水にまで産卵でき、繁殖力が高いのもアカイエカの特長です。成虫になってからの寿命は約30日。
しかし卵が産み付けられてから約10日と非常に速いスピードで成虫になるため繁殖サイクルが早く、駆除せず放置すると爆発的に増えるという特性を持ちます。
蚊の種類② チカイエカ
チカイエカは体長約5.5mm程度の蚊で、1年を通して絶えず活動します。
休眠する時期がないため、駆除する時期を選ばない反面年間を通して駆除作業を続ける必要があります。
チカイエカは地下の浄化槽など、比較的温暖な場所を選むため九州や四国で多く見られる蚊です。成虫の寿命は約30日。
主な活動時間は夕方から夜にかけての暗くなる時間帯で、吸血行動をします。ただし1回目の産卵では「無吸血産卵」という方法を取り、吸血を必要としません。
蚊の種類③ ヒトスジシマカ
ヒトスジシマカは体長4.5mm程度の比較的小型な種類の蚊です。
別名「ヤブ蚊」とも呼ばれる通り、草むらに生息して人や動物から吸血するという特性を持ちます。
活動時期は5~11月の間で、繁殖は夏にかけての時期がピークです。活動時間は日中が主で、明け方から夕方にかけて吸血をするという生態を持ちます。
暑さに強く、寒さに弱いため関東よりも南の地域を中心に生息しています。ちょっとした水たまりや池、川などどこにでも産卵することができ、繁殖力の高い種類の蚊です。30日程度の寿命で一生を終えます。
蚊の発生源。蚊が発生しやすい場所
蚊が発生しやすい場所は、主に以下のとおりです。
・水田や川
・浄化槽
・下水溝
・花瓶や植木鉢の受け皿
・空き缶
・古タイヤ など
いずれも水がたまっており、蒸発しにくい環境といえます。
蚊は必ずしも清潔な水場に産卵するわけではないので、近辺に水溜まりや川がある場合は無条件に駆除を検討する必要があります。
特にヒトスジシマカは、空き缶に溜まったわずかな水溜まりにも産卵し、繁殖することができます。
川や池などの大きな水場がなくても、植木鉢の受け皿に溜まった水や、タイヤの内側にたまった水から蚊が発生する場合もあります。
【部屋】蚊の駆除・退治方法!室内で蚊の発生を抑えるコツとは?
室内に発生した蚊は吸血をするほか、羽音を立てて飛び回るためストレスにもなります。また駆除せず放置すると、家の中の水場で繁殖し大量発生してしまう可能性もあるのです。
とはいえ、蚊はどうしても室内に入ってきてしまうもの。そこで、まずは室内に発生した蚊を駆除する方法をご紹介します。部屋で蚊を見かけたら、これからご紹介する退治方法をお試しください。
退治方法① 駆除剤
最も蚊の駆除効果が高く簡単な方法が、駆除剤を使うというものです。有名な駆除剤でいうと、アースノーマットやベープなどといった商品があります。
駆除剤は主に置き型、スプレー型の2種類があります。置き型は一般的にコンセントに差すタイプが多く、殺虫効果のある薬剤を飛ばして蚊を駆除します。
また、電気を使いたくない場合はスプレー型の蚊駆除剤もおすすめです。部屋に一吹きスプレーするだけで薬剤が室内全体に広がり、置き型と同様の駆除効果があるのです。
退治方法② 室内にある花瓶などの管理
花瓶など、蚊が産卵できる場所を管理する方法です。水をためておく場所がある場合は、毎日水を代えて容器を洗うなど常に清潔に保ちましょう。
蚊は少しの水溜りでも産卵し、繁殖するという生態を持つ生き物です。
たとえば、仏壇に備えてある花の花瓶や水入れも、蚊にとっては恰好の産卵場所であり、ボウフラの住処となります。
室内の蚊を駆除するには、家で繁殖させないように注意しましょう。室内の水溜りを管理するだけでも蚊の発生源を減らし、蚊を発生させにくくできます。
退治方法③ 網戸の設置
夏場などに窓を開けておくことが多い家は、窓に網戸を付けることをおすすめします。
蚊は種類によって活動時間がまちまちです。そのため昼夜問わず網戸を閉めておくと蚊が入りにくくなるでしょう。蚊の大きさはおよそ4.5~5.5mmなので、網戸を閉めれば基本的には室内に入れません。
ただし、網戸は隙間なく閉めることが重要です。ちょっとした隙間や破れた箇所があれば、蚊は血を求めて入ってきます。
玄関などどうしても開け閉めが発生する場所は、吊り下げ型の蚊よけを設置するなどして侵入を防ぐと良いでしょう。
【屋外】蚊の駆除・退治方法!家の周りに蚊を発生させないポイントも紹介
室内の蚊を駆除しただけでは完全とはいえません。蚊を駆除するには家の周囲にある発生源を絶ち、産卵させないことが重要です。
屋外の駆除は難しいように感じるかもしれませんが、環境にあったアイテムを用いれば簡単です。
特に家の周囲に水田や川、湿気の多い草むらのある方は、これからご紹介する屋外での駆除方法をお試しください。
退治方法① 蚊取り線香
最も簡単な駆除方法が、蚊取り線香です。
蚊取り線香はフマキラーやアース製薬から主に発売されており、火を付けるだけで蚊の駆除ができます。燃焼時間が10時間を超える商品もあり、継続的な駆除が可能です。
煙が風に乗って拡散されるため、屋外でも広い範囲に効果を発揮できるという特徴も。
また傍にいる蚊を駆除できるだけでなく、家の近くで炊いておくと蚊が家に近寄らなくなるというメリットもあります。家の周辺で産卵させないための対策としてもおすすめです。
退治方法② 殺虫剤(虫除けスプレー)
即効性を重視する方には殺虫剤がおすすめです。
使い方は蚊に向かって吹きかけるだけ。蚊柱がある場合などは、一吹きで一網打尽です。蚊は比較的寿命が短いので1匹1匹は放っておけばすぐに一生を終えますが、放置すると爆発的に繁殖します。
そのため、今いる蚊から退治していくことが重要です。殺虫剤の中では、キンチョールなどが有名です。殺虫効果はあっても、人体には無害な成分でできているスプレーがほとんどなので安心して使えます。
キンチョールの場合は蚊だけでなくハエ退治にも使えるので、1本持っておけばいざというときに便利でしょう。
退治方法③ 捕獲器(捕虫器)
捕獲器は、置き型や吊り下げ型のものがあります。捕獲器というと誘引剤で蚊を引き寄せ捕獲するものが一般的ですが、他にも多様な種類があります。
例えば、雨水を入れて放置するとメスが産卵しに来て、ボウフラごと駆除できるよう捕獲器も登場しています。さらに風の流れを生み出し、飛んできた蚊を巻き込んで捕獲するタイプのものも。
商品によって蚊を捕獲する原理が異なるので、使いやすいものを選びましょう。ただし、いずれにしても捕獲した蚊を処理する作業は発生します。
退治方法④ ボウフラ(蚊の幼虫)を駆除
蚊ではなく、蚊の幼虫であるボウフラを駆除するのも効果的です。ボウフラは少ない水や、汚い水の中でも生きることができます。しかし、その駆除は意外にも簡単。
殺虫剤を使う退治方法の他、塩や油、台所用中性洗剤などを使うだけで駆除できるケースもあります。
なお、ボウフラ駆除についてはこちらの記事で詳しく説明していますので、ぜひチェックしてみてください。
退治方法⑤ 水溜りなどの蚊の発生源をなくす
蚊は寿命が短い分、繁殖サイクルが早いので、発生源を絶つことが重要です。
家の庭や周辺に水溜りがある場合は、地面を埋め立てるなどして発生源を絶ちましょう。産卵する場所が無ければ蚊は増えません。
また、鉢や花瓶などに溜まっている水は定期的に交換することをおすすめします。蚊は流れのない水溜りに産卵するという特徴があります。そのため、わずかな水溜りでも見逃さず無くすと効果的です。
また草木が生い茂っていると蚊が発生しやすくなるので、雑草を抜いたり植物を剪定するのもおすすめです。
退治方法⑥ 不要物を置かない
玄関先や庭には、不要なものを置かないようにしましょう。本来水を入れるためのものでなくても、雨が降ると隙間や凹凸に水が溜まり、ボウフラの発生源となる可能性があります。
例えば、不要な植木鉢や古いタイヤなどです。蚊を退治するには、水はけのよい環境を維持することが重要。
そのためには家の周りに不要なものを置かず、すっきりとした状態にしておく必要があります。また普段使うものでも、ジョウロに水をためたままにしておかないなどといった工夫をすると良いでしょう。
退治方法⑦ 服の色に気をつける
蚊は濃い色の服に寄ってきやすいという特徴があります。そのため、外出時は白やベージュなど、淡い色の服を着用しましょう。
また、蚊は人の汗の匂いに寄ってくる傾向があります。そのためできるだけ露出は控え、汗をかいたらこまめに拭き取るのがポイントです。
寄ってきた蚊に刺されないためにはぴったりとした服を避け、ゆったりとしたものを着用すると良いでしょう。服に厚みがあり、肌から離れているほど蚊に刺されにくくなります。
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