枕にいるダニは鼻水・鼻詰まり・くしゃみなどさまざまなアレルギー症状を引き起こします。放置しておくとさらに繁殖して被害が拡大する恐れがあるので、適切に駆除して発生を防止しなければなりません。
こちらの記事ではダニの生態や発生原因、症状などについて解説した上で、ダニの退治方法や発生の防止対策について解説します。
ダニを駆除・予防すれば被害もなくなるので、ぜひこちらの記事を参考にして適切にダニの駆除や発生予防対策を実践してください。
枕にいるダニとは?特徴や発生原因など解説
なぜ布団にダニが発生してしまうのか、ダニの生態や発生原因について説明します。まずはダニの生態について理解することで、正しい駆除や予防対策を立てましょう。
枕にいるダニの特徴や種類
ダニにも様々な種類が存在しますが、枕に発生するダニの多くはヒョウダニです。
ヒョウダニは体長0.3〜0.4mmの小さなダニであり、人のフケやアカ、食べカスなどのゴミをエサとして生きています。ヒョウダニは人を刺すことはありませんが、死骸やフンが原因でアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎、喘息などのアレルギー症状を引き起こすことがあります。
頭皮や顔がかゆい、肌が痛い、肌荒れがするといった症状があらわれたら、ヒョウダニによるアレルギー症状を発症しているかもしれません。
またヒョウダニが発生すると、ヒョウダニをエサとするツメダニが発生する原因にもなります。ツメダニは人を刺すダニで、刺されると肌が痛い・かゆいといった症状が出ます。
枕にダニが発生する原因
枕はダニが生息しやすい高温多湿な環境にあります。なぜなら寝ている間は体温で枕が温まり、毎日使用していれば湿気も溜まるからです。
また枕の中には繊維が密集しているため身を隠しやすいという点も、ダニにとっては好都合でしょう。さらに枕にはアカやフケ、髪の毛などの汚れが蓄積していますが、これらはすべてダニの餌となるものなので、エサが取りやすい環境にもあるのです。
以上が枕にダニが発生する原因です。ちなみにダニの主な活動時期は6〜9月の時期ですが、最近の住宅は気密性が高いため一年中ダニが活動していることもあります。
枕に潜むダニによる症状
ヒョウダニによる被害は、フンや死骸を吸い込んだときに出るアレルギー症状です。
具体的にはアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎、ぜんそくなどを発症し、くしゃみや鼻水が出る、目がかゆいといった症状が表れます。またツメダニに刺されたときの症状は皮膚の痛み・痒みであり、一度刺されると一週間程度かゆい状態が続くこともあります。
もともとアレルギー体質にない人でも、ダニのフンや死骸などのアレルゲンを大量に吸い込むと症状を発生することはあるので注意しましょう。症状が出たら市販薬などで抑えることはできますが、抜本的に改善するためにはダニをしっかり駆除してから再発を防止策を講じなければなりません。
枕にいるダニを退治する方法
枕にいるダニを退治する方法としては、以下の4つがあります。
・掃除機や布団クリーナをかける
・乾燥機にかける
・60℃以上のお湯で洗濯する
・駆除グッズを使う
それぞれのどのような退治方法か、以下に解説します。
退治方法1.掃除機や布団クリーナをかける
掃除機や布団クリーナーをかけることで、枕にいるダニを吸い取ることができます。
ダニだけでなくフンや汚れもまとめて吸い取れるため、症状が抑えられるうえにダニがつかないための予防効果もあるでしょう。ただしこの方法では表面に付着しているダニを吸い取ることができても、内部に潜んでいるダニまですべて吸い取ることはできません。
退治方法2.乾燥機にかける
ダニは熱に弱く60℃以上の高温で死滅させることができるので、60℃以上の高温乾燥機を使ってダニを退治できます。
掃除機や布団クリーナーを使っても枕の内部にいるダニを駆除するのは難しいですが、乾燥機にかければ内部にいるダニまで退治できるでしょう。乾燥機でダニを退治した後は枕の中に死骸やフンが残るので、掃除機やクリーナーで吸い取ってください。
退治方法3.60℃以上のお湯で洗濯する
さきほど説明したとおりダニは高温に弱いため、60℃以上の熱湯を枕にかけるとダニを死滅させることができます。
枕の内部にまでお湯を浸透させればダニをしっかり退治できるので、効果は期待できるでしょう。ただし枕自体が高温に耐えられず、素材を傷めてしまう可能性もあるので注意してください。
退治方法4.駆除グッズを使う
ダニ用の駆除グッズにはさまざまな種類があるので、駆除グッズを使ってダニを退治することも可能です。
たとえば寝具に直接吹きかけるタイプのスプレーを使えばダニを駆除できますが、安全性の高い成分を使っているかどうかはチェックしましょう。また置いておくだけで簡単に駆除できる置型の駆除剤や駆除シートなどもあり、設置しておくだけで簡単に駆除する方法もあります。
枕にいるダニの予防対策
枕にいるダニを駆除したら、再び発生しないよう以下のような方法でしっかり予防対策もしておきましょう。
・寝室、部屋の換気をする
・定期的に天日干しする
・定期的に洗濯する
・防ダニ枕カバーに変える
・枕以外の寝具も手入れする
それぞれ具体的な方法、予防できる理由などについて解説します。
予防対策1.寝室・部屋の換気をする
寝室や部屋の換気をおこない、ダニが好む高温多湿の環境を作らないようにしましょう。
定期的に窓を開けて換気し、風通しの良い状態を保ちます。風が通りにくい部屋の場合、換気扇を回したり除湿機を使って部屋を乾燥させることも可能です。
冬場は部屋を締切りにしがちですが、機密性が高い住宅では冬でもダニが発生するため、冬場であっても定期的に換気をするようにしてください。
予防対策2.定期的に天日干しする
ダニは湿気を好むため、枕を天日干しして湿気を取り除きましょう。ただし枕の素材によっては天日干しできない場合もあるので注意してください。
たとえば低反発ウレタンや羽毛などは紫外線に弱いため、天日干しには向きません。そのためこれらの素材の場合、直射日光を避けた場所で陰干しするのが適切な方法です。
予防対策3.定期的に洗濯する
ヒョウダニによる症状はダニの死骸やフンをアレルゲンとするアレルギー症状なので、定期的に洗濯することで症状の発症を防げます。
まずは枕が洗える素材であるかどうかを確認し、洗える素材であれば製品ごとの洗濯方法に従って洗濯してください。ただし洗いすぎると枕が傷んでしまうので、数ヶ月〜半年に一度程度にしておきましょう。
予防対策4.防ダニ枕カバーに変える
防ダニ加工が施されている枕カバーを使うことで、ダニが寄り付かなくなります。
高密度の枕カバーならダニが枕の中に入るのを防ぐことができ、またピロープロテクターという枕に汚れを浸透させないカバーもあります。
防ダニ枕カバーを使えば枕そのものを洗って生地を傷める心配もありません。カバーは取り外して洗うことができるので、枕を清潔に保つことができます。
予防対策5.枕以外の寝具も手入れする
枕以外の布団やベッド、マットレスといった寝具も枕と同じく汚れが付きやすいので、こまめに手入れしましょう。
布団やマットレスも枕と同じく湿度をためなように定期的に天日干しをして、洗える布団はコインランドリーなどで丸洗いするとよいです。手軽にできる対策としては掃除機やクリーナーをかけたり、駆除剤を使ってダニを退治することです。
寝具の手入れについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
まとめ
枕に発生するダニの多くはヒョウダニであり、ヒョウダニはアレルギー症状を引き起こす原因になります。ダニは高温多湿の環境を好むので、部屋をよく換気して枕は天日干しをし、乾燥を保つようにしましょう。
ダニは高温に弱いので、乾燥機や60℃以上のお湯で洗うことでも退治できます。また駆除後は予防対策も重要で、枕についたダニやフンを取り除くために定期的に洗濯してください。
洗濯するのが難しい素材の場合には、防ダニカバーなどを使うのがよいでしょう。駆除と予防対策を徹底すれば、ダニの被害を最小限に抑えられるでしょう。