アライグマによる被害に悩まされて、駆除を検討している人もいると思います。
アライグマは農作物を荒らしたり、ふんによる衛生被害や寄生虫などによる健康被害を引き起こすこともある害獣です。見た目はかわいいですが、大きな被害を引き起こされる前にしっかり対処しておきたいですよね。
アライグマを駆除する方法としては、アライグマが嫌いな匂いや成分を含んだ忌避剤を使用したり、捕獲器を設置したりする方法があります。自分で駆除するのが難しい場合は業者に依頼するのが確実ですね。
また、自分で駆除する場合には許可が必要になります。本記事中で詳しく説明していきますので、駆除を検討している人は参考にしてみてください。
アライグマとは?大きさや生態、特徴など解説!
アライグマの駆除方法を知る前に、まずはアライグマの生態や特徴を理解しましょう。アライグマの被害に悩まされている人でも、特徴をよく知らないこともあると思います。敵を知っておくことで、効率的に駆除や対処ができるようになりますよ。
ここからはアライグマとはどんな動物なのか、生態や特徴、活動時期やアライグマの危険性について解説していきます。
アライグマの生態や特徴
アライグマは体長が約70~90㎝、体重4~10㎏ほどの大きさです。体は全体的に灰色で目の周りは黒く、鼻筋の部分が白くなっています。シマ模様の長い尻尾が特徴的ですね。
食べ物は果物や野菜、昆虫や魚までいろいろなものを食べる雑食性です。特に甘みの強いメロンやイチゴ、トウモロコシやカボチャを好んで食べます。手先が器用で、ときには中の実の部分だけ掻き出して食べることも。
山間部から平地まで生息地は幅広く、基本的には夜行性ですが昼間に行動することもあります。
アライグマの活動時期・季節
アライグマが最も活動的になる季節は夏です。春と秋が出産シーズンであるアライグマ。春に生まれた子供のアライグマも、夏ごろになると母親から離れて単独で行動し始めるようになります。アライグマによる被害が多くなるのも、この夏の時期。アライグマがエサとする農作物も豊富にある時期ですから、狙われやすくなってしまうのでしょう。
また、アライグマは冬眠をしないことで知られています。冬は1日の多くの時間を寝て過ごす「休眠」といわれる状態になり、活動量は控えめに。とはいえ、全く活動しないわけではないので油断は禁物です。
アライグマは危険な動物?
アライグマが積極的に人間を襲う可能性は低いです。かといってむやみに近寄ってはいけません。どちらかというと気性が荒いので鳥や猫を襲うことがあり、人間が襲われた事例もあります。
また、アライグマにはダニや寄生虫、細菌などが付着していることがあります。アライグマに触れたことによって感染症にかかってしまう危険性も。人間にとっては襲われることよりも、どちらかというと感染症による被害のほうが懸念事項となりそうですね。
アライグマに似ている動物を紹介
アライグマに似ている動物には、たぬきやハクビシンがいます。
たぬきはアライグマのように尻尾にしま模様がなく、ハクビシンはアライグマよりも大きいという所が、見た目上の違いです。
たぬきやハクビシンもアライグマと同様に雑食で、農作物を荒らしてしまうことがあります。同じ場所にふんをする「ためふん」という習性も、アライグマと同じくたぬきやハクビシンが持っている習性の一つ。見た目が似ているだけでなく習性も似ているんですね。
一方で、アライグマに比べるとたぬきやハクビシンは臆病な性格です。自分より体の大きい生き物を襲うことはほとんどなく、人間に遭遇すると逃げ出してしまいます。
アライグマによる被害とは?
見ている分にはかわいいアライグマですが、人間にとっては害になることもあるんです。軽く考えていると大きな被害にあってしまうこともあるので、油断してはいけません。アライグマによる被害にはどんなものがあるのか、詳しく見ていきましょう。
農作物等の食害
雑食でなんでも食べるアライグマ。農作物も好物で、畑を荒らして食害をもたらすことが報告されています。特に甘い果物や野菜を好んで食べ、ブドウ、スイカ、トウモロコシなどが食害の被害にあっています。
アライグマは手先が器用なので皮を剥いて中身だけ食べたり、スイカやメロンなど皮が硬いものは一部に穴を開けて、手を入れて中身を掻き出したりします。
金網などで対策を取っている農園もありますが、簡単によじ登られてしまうため防除は容易ではありません。
家屋の衛生被害
野生のアライグマが民家に侵入してしまい、被害が出るケースもあります。
アライグマは屋根の隙間をこじ開けたり、通気口などから家屋に浸入していきます。特に天井裏や床下に潜んでいることが多く、食べ物があると認識した場所には棲みついてしまうことも。
棲みついたアライグマのふんや尿によって悪臭に悩まされたり、天井や床が腐ってしまうという被害もあります。糞尿には雑菌も含まれていますから、衛生的にも良くないですよね。
健康被害
アライグマに寄生したノミやダニが、アライグマを介して民家に運び込まれてしまうことがあります。ノミやダニは人間を噛みますし、気づかないうちに家に棲みつかれて大量発生してしまう可能性も。
また、アライグマは体に細菌や寄生虫を持っている可能性があります。中には人間にも感染する感染症の原因になることも。アライグマを介して感染する感染症としてはアライグマ回虫症、狂犬病などがあり、失明したり死に至る可能性のある危険な感染症です。このように、アライグマを介して健康被害が発生することもあるのです。
アライグマの駆除方法!自分でできる効果的な撃退法
アライグマは見かけによらず危険な害獣であることが分かったと思います。被害にあう前に何とか駆除しておきたいですよね。ここからは、自分でもできるアライグマの駆除方法をご紹介します。被害の状況を見ながら、適切な駆除方法で退治しましょう。
駆除方法1.忌避剤を使って追い出す
アライグマの駆除方法の一つに、忌避剤を使って退治する方法があります。忌避剤という言葉を聞きなれない人もいるかもしれませんね。害獣が嫌いな匂いや成分を使って近寄らせないようにしたり、屋内から追い出す効果のある薬剤を忌避剤と言います。
忌避剤にもいくつか種類があり、煙を発生させて追い出す燻煙タイプ、アライグマが嫌いな匂いであるハーブやトウガラシの成分を利用した置くだけのタイプなどがあります。
燻煙タイプは、屋内にアライグマが侵入してしまった場合に有効です。煙に気づいたアライグマを外へ追い出す効果が期待できます。置くだけのタイプは、アライグマが嫌いな匂いを発生させることで屋内への侵入を防いだり、近寄らせない効果があります。
駆除方法2.捕獲器を使って自分で捕まえる
捕獲器を使って捕まえるのも有効な駆除方法です。先述した忌避剤は屋内に侵入したアライグマの退治や、侵入を防ぐためには高い効果を発揮します。一方で、屋外では十分な効果が得られないことも。捕獲器であれば屋外に潜んでいるアライグマでも退治することができます。
捕獲器はネットショップでも買えますし、自治体によっては貸し出しをしていることもあります。捕獲器の設置を検討する場合は、一度お住まいの自治体に問い合わせてみると良いかもしれませんね。
駆除方法3.専門業者に依頼する
ここまで自分でもできるアライグマの駆除方法をご紹介しましたが、やはり専門の業者に依頼して退治してもらうのが一番安心です。自分で駆除するとなるとアライグマと接触することも考えられますから、不安な場合は業者に頼みましょう。
駆除業者を選ぶ際には、対応している害獣の種類が多かったり、保証期間を設けている業者を選ぶのがおすすめです。対応している害獣が多ければ、アライグマではなく別の動物だったという場合でも対応してもらえる可能性が高くなります。
また、保証期間を設けている業者であれば、万が一施工に不良があった場合でも期間内なら無料で対応してくれますよ。
アライグマの駆除には許可が必要
アライグマを駆除するには実は許可が必要なんです。アライグマは外来生物法という法律で特定外来種に指定されている動物。駆除すること自体は問題ありませんが、事前に申請が必要になります。
自分でアライグマを駆除する場合には、捕獲許可の申請をお住まいの地域の役所にします。申請が通れば害獣を捕獲できるようになりますが、捕獲した後の対応は自治体によってまちまち。
自分で駆除をする場合には、捕獲許可の申請の際に捕獲後の対応について確認しておきましょう。
アライグマを寄せ付けない予防対策
業者に頼んで駆除してもらうのは有効な方法ですが、野生のアライグマを完全に駆除しきってしまうことはできません。寄せ付けないための予防対策もしておくとより安心ですね。
アライグマを寄せ付けないための予防対策としては、次のようなものがあります。
・エサをなくす
・侵入経路を塞ぐ
・電気柵で侵入を防ぐ
アライグマはエサがあると認識した場所に棲みついてしまいます。生ごみや農作業のときにでた野菜くずなどは速やかに片づけましょう。屋内への侵入を防ぐには、侵入経路となりそうな場所をあらかじめ塞いでおくと良いでしょう。
食害を防ぐためには、電気柵の設置がおすすめです。普通のフェンスや金網ではよじ登って越えられてしまうこともあります。より強力な対策をしたい場合は電気柵の設置を検討すると良いでしょう。
まとめ
アライグマの駆除方法を、生態や特徴を交えながらご紹介しました。アライグマは農作物を荒らしたり、民家に侵入してふんによる家屋の衛生被害や寄生虫などによる健康被害をもたらすことがあります。
アライグマを自分で駆除する場合は、捕獲器を設置したり、アライグマが嫌いな匂いを発生させて追い出す忌避剤を使うことが有効です。ただし、駆除する際には許可が必要になるので注意してください。自分で駆除するのが難しい場合には、専門の業者に依頼するのが確実でしょう。
駆除と併せてアライグマを寄せ付けないための予防対策をするのも有効です。エサになりそうなものは速やかに片づけたり、侵入経路を塞ぐなどして対処しましょう。