タヌキは畑の農作物を荒らす害獣として比較的有名ですが、その生態についてはそこまで詳しく知らないという人も多いでしょう。
タヌキがどこにいるか、何を食べるか、これらの生態を理解することでより効果の高い対策を実践できるので、タヌキの生態を知ることも被害を防ぐうえでは重要です。
こちらの記事ではタヌキの生態や習性、種類などについて詳しく解説し、タヌキの被害と自分でできる対策、注意点などについて説明します。
ぜひ本記事を参考にして、タヌキの生態から対策方法の基本について知り、被害をなくすために生かしてください。
タヌキとは?生態や習性、種類など解説
タヌキがどのような生態をしているのか、習性や特徴などと合わせて解説します。まずは生態を理解をしたうえで特徴をとらえ、被害を防ぐための参考にしましょう。
タヌキの特徴:生態や習性
タヌキは哺乳綱食肉目イヌ科タヌキ属に分類される動物です。毛の色は全体的に灰褐色をしており、目の周りと脚の毛が黒いというのが特徴で、体長は50~60cm、体重は3~5キロほどの大きさ。寿命は6~8年ほどであり、視力が弱いため嗅覚を頼りにエサを探します。
タヌキに似ている動物にアライグマ・ハクビシン・イタチなどがいますが、アライグマの眉間の黒い筋、ハクビシンの額から鼻にかけて白いラインなど見た目に違いがあります。
生息地は主に山や森林ですが、餌を求めて都会に降りてくることも。臆病な性格をしているタヌキは車のクラクション、発砲音などで気絶してしまうことがあります。
タヌキの種類
日本にいるタヌキは主に以下の2種類がいます。
・ホンドタヌキ
・エゾタヌキ
ホンドタヌキは本州、四国、九州に生息する種類であり、都会などでみられるのはこのホンドタヌキである場合が多いでしょう。体長は50㎝~60㎝、体重4kg~8kgほど。本来木に登るのが苦手なタヌキですが、本土タヌキは木登りができます。繁殖期は春~夏にかけてであり、2ヶ月ほどで出産します。
エゾタヌキは北海道に生息する種類であり、ホンドタヌキよりも体が大きく、毛が長いという特徴があります。冬眠をせずに冬ごもりをするというのがエゾタヌキの特徴でしょう。
その他にも海外にはビンエツタヌキ・コウライタヌキ・ウスリータヌキ・ウンナンタヌキなどの亜種がいます。
タヌキの生息地・生息場所
タヌキは現在世界各地でみられますが、もともとは珍しい動物であり、日本の他では中国、朝鮮、ロシアの一部にしか生息していませんでした。しかし輸入された個体が野生化して繁殖したことで数を増やし、現在ではヨーロッパなどの地域でみられるようになっています。
輸入されたのは毛皮をとるという目的であり、ロシアに輸入されて野生化し出したと言われています。そしてポーランド、フィンランド、ドイツなどヨーロッパ地域でも増えてきており、知名度の高い動物になったのです。
タヌキの繁殖期や活動時期
タヌキの繫殖期は2月下旬から4月くらいの時期であり、春から夏にかけての季節です。出産までの期間は2ヶ月程度であり、5~6月に3~5頭ほど出産します。タヌキは狭くて薄暗い場所を好む傾向にあり、他の動物が掘った穴や岩の割れ目など、隙間があって隠れることのできる場所を繫殖場所として利用することが多いです。
夜行性の生き物であるため活動時間は基本的に暗い時間であり、夜遅くなるにつれて活動が活発化していきます。
タヌキによる被害とは?
タヌキが出現すると、以下のようにさまざまな被害をもたらします。
・畑の食害
・溜めフンによる悪臭・建物などの腐食
・感染症のリスク
どのような被害があるのかを押さえたうえで、しっかり対策を立てて被害をなくしましょう。
タヌキによる被害1.畑の食害
タヌキは雑食性という生態であるため植物や昆虫、農作物などなんでも食べますが、とくに糖度の高いトウモロコシやサツマイモ、スイカ、ミカンといった野菜・果物を好んで食べる習性があります。
農家が被害にあうことも多いですが、それだけでなく一般家庭の家庭菜園で育てている農作物まで食害にあうこともあるので、農家に限らず警戒を怠ってはいけません。
タヌキによる被害2.溜めフンによる悪臭・建物などの腐食
タヌキは居心地のよい場所で一箇所にまとめてフンをする、「溜めフン」という習性があります。タヌキが集まってフンが溜まると悪臭の被害がありますが、それだけではありません。タヌキのふんにはダニやノミが大量に発生するので、放置しておくとダニやノミに寄生する恐れがるのです。
タヌキによる被害3.感染症のリスク
タヌキのような野生動物は体にさまざまな病原菌を持っている可能性があり、触れることによって感染症にかかってしまう恐れがあります。駆除するときは手袋やマスク、ゴーグルなどを着用し、しっかりと感染症対策をしたうえで退治しましょう。
またタヌキのふんにはダニやノミといった害虫が大量に集まるので、フンを処理する際にもダニ・ノミに感染しないよう注意が必要です。
自分でできるタヌキ対策!注意点についても紹介
タヌキを見つけたら自分でできる退治・撃退方法としては、いくつかあります。
たとえばタヌキの嫌いな匂いである木酢液やハーブ、ハッカ油、天敵の尿などを使い、タヌキを寄せ付けない対策などが一般的でしょう。
忌避剤には置き型やスプレータイプ、地面に撒くものなどさまざまな種類があるので、用途に合わせて使い分けます。
ただし、タヌキは鳥獣保護法によって保護されているため、勝手に駆除・捕獲することは禁止されています。
そのためタヌキ駆除には役所の許可が必要で、自分でできる対策はタヌキを追い返すこと、近づけないことに限られますので注意してください。
タヌキ駆除は業者に依頼するのがおすすめ!
タヌキの対策は自分でできることもありますが、先日した通り、タヌキを駆除するには役所の許可が必要であるため個人でできる対策には限界があります。
そのため被害を完全に防ぐことは難しいでしょう。
そこでおすすめなのが、業者に駆除を依頼することです。
資格を持った専門業者であればタヌキを駆除・捕獲できるので、個人ではできない根本的な対策も取ることができます。
ただし害獣駆除業者はたくさんあるため選び方が重要なので、正しい駆除業者の選び方やおすすめの業者が知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
まとめ
タヌキはよくアライグマ・ハクビシン・イタチなどと間違われることがありますが、アライグマの眉間の黒い筋、ハクビシンの額から鼻にかけて白いラインなど見た目の見分け方があります。発見した動物がタヌキかどうかわからなかったときには、こちらの見分け方を参考にしてください。
日本にいるのは主にホンドタヌキ・エゾタヌキの2種類であり、都会でみられるタヌキの多くはホンドタヌキであると考えられます。タヌキは畑の農作物を荒らすだけでなく溜めフンによる悪臭や感染症など、さまざまな被害をもたらすので、正しい対策を実践して被害を防ぎましょう。