キクイムシの種類について徹底解説|駆除方法やキクイムシ以外の害虫も紹介!

キクイムシの種類について徹底解説|駆除方法やキクイムシ以外の害虫も紹介!

キクイムシといっても、その種類は実に多種多様です。名前のとおり、木を食べる虫はなんと国内だけでも300種類以上います。

しかし、すべてが家で発生するリスクのある害虫とは限りません。中には住宅で使われる建築資材には発生しない種類の昆虫も存在します。

そこで本記事では、一般的に害虫と呼ばれるキクイムシの種類についてを詳しく解説。またキクイムシと似た虫についても、いくつか紹介していきます。

家で見かけた虫が特定できれば、発生原因を絶ったり適切な対策を検討する手がかりになるでしょう。快適に生活するため、ぜひ最後までご覧ください。

目次

キクイムシとは?木材を食べる昆虫類の総称

キクイムシとは?木材を食べる昆虫類の総称

キクイムシというと、「どんな虫だろう」と思う方も多いでしょう。キクイムシとは木を主な食糧とする虫全般を指し、キクイムシは国内だけでも300種類以上いる虫の種類の総称です。

ただし学術的な分類上の「キクイムシ科」に加え、和名にキクイムシと入る種(「ナガシンクイムシ科」など)はごく一部ですその中でも家具や家財を食いかじってボロボロにしてしまうキクイムシは、全部で30種類程度います。

キクイムシの種類について解説

キクイムシの種類について解説

ここからはそんな多種多様なキクイムシの種類について解説します。

キクイムシの中でも、日本の住宅でよく発生するのは「ヒラタキクイムシ」という種類です。しかしこれ以外にも、日本で問題となるキクイムシは複数います。

ぜひキクイムシの種類を把握し、自宅で発生しているキクイムシの種類を特定し、駆除していきましょう。

ヒラタキクイムシ類・ヒラタキクイムシ科

ヒラタキクイムシ類・ヒラタキクイムシ科の昆虫の中には、ヒラタキクイムシやナラヒラタキクイムシ、アフリカヒラタキクイムシなどがいます。

ほかにもアラゲヒラタキクイムシ、ケブトキクイムシ、ケヤキヒラタキクイムシ、アメリカヒラタキクイムシが含まれます。

ヒラタキクイムシ

ヒラタキクイムシの体長は4~8mmで、体は赤褐色をしており、カブトムシのように硬い羽を持っています。

ヒラタキクイムシは基本的に日本全国に生息していますが、本州以南の温かい地域に多く生息する傾向があります。成虫の出現時期は5~6月と梅雨時に発生、繁殖するのが特徴です。それ以外の時期は卵や幼虫として木の中を食いかじりながら暮らします。

ヒラタキクイムシが発生すると木材に1mm台の小さな穴が空きます。穴の周囲には細かい木くずが積もっていることが多いです。

ナラヒラタキクイムシ

ナラヒラタキクイムシは体長2.5~5mm前後です。身体はヒラタキクイムシと同様、赤褐色をしています。

見た目や被害状況はヒラタキクイムシと非常によく似ていますが、身体に光沢がなく点状の模様がヒラタキクイムシよりも細かく濃い点が特徴です。

また、前胸背の両側がヒラタキクイムシでは前方に向かってひろがっているのに対して、ナラヒラタキクイムシはほぼ平行といった点でも見分けられます。

発生時期は6月から8月頃と、夏ごろが多いです。分布は日本全国ですが、本州以南で多く見られます。

アフリカヒラタキクイムシ

アフリカヒラタキクイムシは体長2.4~4mmと小ぶりな品種です。近年、関西以南で多く発生しており、ヒラタキクイムシと比べて温かい場所を好んで生息します。

見た目は赤褐色。日本には本来いなかった外来種であり、海外から侵入してきたものと思われます。また一般的に新しい木材を好むキクイムシですが、アフリカヒラタキクイムシに関しては築10年ほど経過した住宅も数多く被害に遭っています。活動時期は6~7月頃がメインです。

キクイムシ類・キクイムシ科

続いて、キクイムシ類キクイムシ科の昆虫を紹介します。キクイムシ類は7,000種類以上の品種を含む大きなグループです。

その中でも、家財や家具を侵食する害虫を紹介します。比較的温暖な地域を好む虫が多いため、関西以南にお住いの方は特にご覧ください。

マツノキクイムシ

マツノキクイムシはアカマツ、クロマツといった松を主な食料とする昆虫です。

大きさは約2mmほどで非常に小さいのが特徴。体色は黒色で、形状はヒラタキクイムシとよく似ています。発生時期は5~6と年に1回です。

マツノキクイムシの被害に遭った箇所は2mmほどの穴が空き、付近には細かい木くずが落ちたり、穴からヤニが出る傾向にあります。

6月頃成虫になったマツノキクイムシは、マツの新しい梢を狙って穴を空ける傾向があります。そのため、松を枯らしてしまうことも少なくありません。

キイロコキクイムシ

キイロコキクイムシは体長1.4~1.5mmの小さな昆虫です。

体色は茶色~黄土色と、他の種よりも薄い色をしています。またキイロコキクイムシも、マツノキクイムシと同様に松を主食をする昆虫です。その上、発生時期は年に2~4回。

繁殖サイクルが他の品種よりも早く、夏の場合は1ヶ月で1世代が交代します。そのため、1匹見つかったら早急に駆除することをおすすめします。なおキイロコキクイムシも、木の表面に1mm台の小さな穴を空けます。

ハンノキキクイムシ

ハンノキキクイムシは体長1~1.5mmほどの昆虫です。

体色は黒く、フンコロガシのように丸々としている姿が特徴です。ハンノキと名前についているものの、建築資材としてもよく使われるスギやヒノキにも住み着くのがこの虫の特徴です。

発生時期は3~10月頃で、建築業界でも大きな悩みの種となっています。またハンノキキクイムシは「養菌性」の昆虫です。

卵を産むと同時に共生菌(アンブロシア菌)という菌を植え付け、木の中で育った菌をふかした幼虫が餌として食べるのです。この菌により木が変色してしまうのも、ハンノキキクイムシの特徴です。

サクセスキクイムシ

サクセスキクイムシもまた、体長1mm台の昆虫です。

体色はやや茶色がかった黒色で、扁平型。発生時期は4~5月頃です。1年に1~2回ほど発生し、主にナシなどの果樹を好んで住み着く傾向があります。

特に樹勢の弱まった木が被害に遭いやすい傾向にあり、果樹農家からは非常に嫌厭される虫の1つです。またサクセスキクイムシは木の幹だけでなく果実にも穴を空けるのが特徴。穴の開いた果実はそこから腐敗し、売り物にならなくなってしまいます。

ミカドキクイムシ

ミカドキクイムシは体長約3.6mmと、ほかのキクイムシ科の品種よりもやや大きい昆虫です。

前胸背板後縁左右と中央が角ばっているため、このような名前が付けられたとされています。色は黒くツヤは少なめで、ぼこぼことした質感の羽が特徴です。

日本全国に広く分布しており、被害を加える木の種類も多種多様。一般的なキクイムシとは異なり、スギやヒノキ、マキなどさまざまな木材を好みます4月~5月頃に、多く発生します。

キクイムシ以外の害虫|家屋の木材を食べるのは?

キクイムシ以外の害虫|家屋の木材を食べるのは?

家屋の木材や家具を食べてしまうのは、キクイムシ科の昆虫だけではありません。ここからは、木材を食べるほかの昆虫を見ていきましょう。

ここまで紹介したキクイムシの特徴と、自宅で見た昆虫が合致しない方は特に、ご覧ください。

クロタマムシ

クロタマムシは、その名のとおり黒い光沢のある体色をしたタマムシの仲間です。

体長は11~22mm程度でタマムシの中では中型。日本全国に生息しており、主にマツを好んで食べるため柱や梁など建築用に用いる木材の中で発見されることがしばしばあります。

クロタマムシは幼虫の期間が5~10年と非常に長い点が特徴です。そのため、築10年以上経過した家の柱から出てくることもあります。ただし乾燥した木材はそこまで好まないため、家で発生するリスクが高いわけではありません。

カミキリムシ

カミキリムシはコウチュウ目・カミキリムシ科の甲虫の総称です。

体長は品種によりさまざまですが、成体時は3cm以上ある品種も多数。また白黒や黒とスカイブルーのような目立つ体色をしているカミキリムシも多いため、家に発生したら、比較的見つけやすい昆虫といえます。

発生時期は5~10月頃で、この間に1匹のカミキリムシが約200個もの卵を木に植え付けます。被害に遭う木は主にヤナギ類や柑橘系の樹木などであり、卵を産み付けられた木は弱ってしまうため、カミキリムシはミカン農家の大敵です。

シバンムシ

シバンムシは体長3mm程度で、小豆のような形をした茶褐色の虫です。

キクイムシを丸っぽくしたような姿をしており、雑食性なので木材だけでなく人間の食料や小麦粉、米、タバコなどさまざまものを食べます。人間に直接害を加えることはありませんが、すさまじい繁殖力で大量発生し、食品に混入するため害虫として嫌厭される昆虫です。

20度~30度が適温のため春先から秋にかけて発生することがありますが、暖房の効いた屋内では冬に見られるケースもあります。

キクイムシの駆除方法

キクイムシの駆除方法

キクイムシの駆除は自分でもできます。

具体的にはキクイムシ用のスプレーをしたり、燻煙タイプの殺虫剤を炊くといった方法です。しかし被害範囲が広い場合や木の奥にいるキクイムシをしっかり退治するには、業者への依頼もおすすめです。

駆除方法①自分で駆除する

自分でキクイムシを駆除する方法は、主に以下の2種類です。

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・キクイムシ用の殺虫剤を使う
・燻煙タイプの殺虫剤を使う

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被害場所が特定できている場合は、直接ノズルを差し込んで木の奥まで殺虫剤を届けられるキクイムシ用殺虫剤がおすすめです。

燻煙タイプは、部屋全体にまんべんなく効果が出るといった特徴があります。またキクイムシを予防したい場合は、天然木や無垢材の家具を購入しない、または塗料や防腐剤を塗るといった方法があります。

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

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駆除方法②業者に依頼する

キクイムシをしっかりと駆除したい場合は、業者に依頼するのもおすすめです。

害虫駆除業者の中には、シロアリのようにキクイムシ用の駆除プランを用意しているところも少なくありません。

業者に依頼すれば、自分では手の届かなかった場所にいるキクイムシや、駆除しにくい幼虫や卵もしっかり駆除できます。また、確実に駆除することで再発予防も可能です。キクイムシの駆除費用や、おすすめの業者について詳しくは以下の記事をご覧ください。

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まとめ

キクイムシの種類について解説しました。

キクイムシとは一般的に木を食べる虫の総称を指しますが、キクイムシ科キクイムシ類に分類される昆虫も数多くいます。

基本的にどのキクイムシも生態は似ていますが、好む木材や姿形、発生時期が少しずつ異なるため、駆除にはそれぞれの品種に適した方法を採用しなければなりません。

また、キクイムシ以外にも木材を侵食する昆虫はいます。

家の中で木材に穴が空いているのを見つけた場合や、知らない昆虫を見かけたら、まずはどの虫なのか特定してみましょう。

場合によっては自分で駆除せず、駆除業者に依頼するのもおすすめです。

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