マンションのベランダなど、建物のなかに鳩が侵入してきて自分で駆除対策をしてみたものの、いまいち効果が出なかったという人も多いでしょう。鳩を自分で追い出すには、鳩の習性を理解したうえで正しい駆除方法を実践しなければなりません。
こちらの記事では鳩の生態や習性について説明し、自分でできる駆除対策や駆除する際の注意点について解説します。鳩の撃退は簡単にはできないため、自分で効果的に対策するには正しい方法を覚え、効果的な対策をすることが重要です。
適切な対策をするため、鳩の生態と習性を理解する
鳩の生態や習性を理解することで適切な対策を立てることができ、鳩がきても撃退することができます。
鳩は一度住み着いた場所からは簡単に離れない習性があるため、正しい対策を取らなければ退治することができません。撃退グッズなどもさまざまなものが出回っていますが、やみくもに使用しても効果は半減するでしょう。
そこでここでは鳩の帰巣本能や住み着きやすい場所について解説します。鳩の習性や住み着く場所を正しく認識し、そのうえで対策グッズなどを使って退治するための具体的な方法を考えましょう。
鳩のもつ強い帰巣本能
鳩は強い帰巣本能を持っており、離れたところからでも巣に戻ってくる習性があります。
具体的には500~1000km程度の距離であれば、自分の巣に戻ってこられるようです。このことから、鳩は昔から伝書鳩としても利用されていました。
このようにかなりの長距離を飛行できる鳩ですが、なぜこれほどの飛行能力があるかについては諸説あり、明確な理由はいまだにわかっていないようです。
鳩が住み着き、巣を作りやすい場所
鳩が巣を作りやすい場所としては、以下のようなところがあります。
・ベランダ
・屋根と太陽光パネルの隙間
・雨どいの近く
・室外機の裏
鳩は狭くて薄暗いような場所に巣を作ります。そして縄張り本能が強く、一度巣を作った場所からは簡単に離れません。さらに人の生活エリアにはカラスなどの鳩の天敵が寄り付きにくいため、あえて人がいる場所の近くに巣を作ることもあります。
鳩による具体的な被害
鳩による被害としては、具体的に以下のようなものがあります。
・洗濯物やベランダが汚れる
・鳴き声や物音が気になる
・衛生面の被害(鳩の持つ寄生虫、乾いたふんによる感染症)
鳩は住み着いている場所にふんをするため、ベランダにふんが溜まって汚れます。鳩のフンには病原菌が付着しており、ふんを放置しておくと感染症の原因になるでしょう。また鳩の体にはダニやノミといった寄生虫が付いており、羽ばたいたときにこれらの寄生虫が飛散します。そのため鳩が住み着くことで洗濯などに寄生虫が付く可能性があります。
さらに寝室近くに鳩が居つくことで、鳴き声や物音が気になることもあるでしょう。鳩の被害はたくさんあるので、もし家に住み着いた場合には早期に駆除する必要があります。
自分でできる鳩駆除に効果的な対策
自分でできる鳩駆除に効果的な対策は、以下のとおりです。
・ベランダの不要なものを撤去する
・ふんを綺麗に掃除する
・ワイヤーやテグスを利用して鳩を撃退する
・忌避剤で鳩を寄せ付けない
・防鳥ネットで鳩を侵入させない
それぞれ具体的な内容を確認しましょう。
ベランダの不要なものを撤去する
ベランダからはできる限り不要なものを自分で撤去して、鳩が身を隠せる場所をなくしましょう。
鳩の天敵はカラスや鷹などの鳥類であり、鳩はこれらの天敵から身を隠せる場所に住み着きます。そのためものがたくさん置いてあって身を隠しやすい場所は、鳩にとって住み着きやす環境といえるでしょう。
ほかにも室外機や軒下など、上空から見えずらく雨風がしのげる箇所は、鳩が好んで住み着くので注意しなければなりません。
ふんを綺麗に掃除する
鳩のフンには病原菌が含まれれため衛生上よくないということもありますが、それだけでなくふんのある場所には鳩が戻ってきやすいということも重要です。
鳩は自分でしたふんがある場所を安全な場所であると判断するため、ふんを放置しておくとその場所に鳩が住み着いてしまう危険があります。鳩がふんをしたら、できるだけ早く掃除をしてふんを取り除きましょう。自分で正しくふんを処理する方法については、後ほど詳しく解説しています。
ワイヤーやテグスを利用して鳩を撃退する
鳩は手すりにとまって安全性を確かめてからベランダに侵入するため、ベランダの手すりにワイヤーを張っておくことで撃退できます。
ワイヤーが張ってある手すりにはうまくとまることができず、鳩は侵入を諦めるのです。この退治方法であれば鳩を傷つける心配もないため、安心しておこなえるでしょう。
もしワイヤーがない場合には釣り用のテグスでも代用できます。自宅にあるもので自分で使えるものがないか、探してみてください。
忌避剤で鳩を寄せ付けない
鳩の対策グッズには、鳩が嫌いう匂いを使った忌避剤があります。忌避剤のなかにもさまざまなタイプがありますが、例えばスプレータイプの忌避剤は家の中で鳩が来る場所に吹きかけておくことで鳩を寄せ付けない効果があります。
ただしスプレータイプは数時間しか効果が持続しないため、より持続効果を高めたいときはジェルタイプや固形タイプを使うようにしましょう。ジェルタイプは1年ほど効果が続きますが、使用するにはコーキングガンという対策グッズが別途必要となることに注意してください。
防鳥ネットで鳩を侵入させない
鳩が侵入する箇所に防鳥ネットを張っておくことで、鳩の侵入を防いで撃退できます。
防鳥ネットを使えば鳩の侵入を物理的に不可能にできるため、正しく設置すれば効果は高いでしょう。ただし隙間ができてしまうと効果は半減するので、ネットのサイズや設置方法には注意しなければなりません。
自分できれいにネットを張るのは難しいため、効果を高めるためには業者に依頼するのもおすすめです。
鳩を駆除する際の注意点
鳩を駆除するためにはいくつかの注意点があります。これらの注意点を知らないと法律違反になり、刑罰を受ける可能性もあるため、駆除する前に必ずチェックしておいてください。
鳩は法律で保護されている
鳩は鳥獣保護法によって保護されており、無断で駆除できません。
法律に違反すると100万円以下の罰金もしくは1年以下の懲役という罰則があるため、対策をする際は注意してください。具体的に禁止されているのは、鳩を傷つけるような行為です。たとえば鳩を棒で叩いたりエアガンで撃ったりするのは禁止行為にあたります。また雛や卵ごと巣を撤去するのも禁止の対象です。駆除する際は、これらの行為をおこなわないように気を付けましょう。
作業の際は、鳩ふんに含まれる病原菌に注意する
鳩は自分のフンがある場所を安全な場所とみなすため、ふんはすぐに除去しなければなりません。ただし鳩ふんには病原菌が含まれるので、作業の際には対策が必要です。
まず肌が露出しない衣類を着たうえで、マスク・手袋・ゴーグルを付けましょう。家の中に病原菌が入らないよう作業時は窓を閉めておくことも重要です。準備ができたらふんをぬるま湯につけ、病原菌が飛び散らないようにしたうえでふき取るように除去します。
自分で対策できないときは、業者に相談する
鳩は縄張り意識が強く、一度住み着いた場所には執拗に戻ってくるため簡単な対策では効果が出ません。
もし確実に駆除したいなら、業者に依頼するのがおすすめです。業者を選ぶときは適切な料金で見積もりをしてくれるところで、アフターフォローが充実しているところを選ぶとよいでしょう。口コミなどで実績や評判を確認しておくことも大事です。
まとめ
鳩は家のベランダや雨どいの下などに住み着いて巣を作ります。
鳩が住み着くことでふんによる衛生環境の悪化や、鳴き声・物音の騒音などさまざまな被害が出るので、できるだけ早期に駆除しなければなりません。
鳩の侵入を防ぐには、ワイヤーやネットを張ったり忌避剤を使ったりといった方法があります。ふんのある場所には鳩が戻ってくるので、ふんをしたらすぐに掃除して取り除きましょう。
鳩は鳥獣保護法によって保護されているので、駆除の際に傷つけないように注意してください。もし自分での対策が困難であれば、業者に依頼して駆除してもらいましょう。