トコジラミは自分で駆除できる?
トコジラミの効果的な予防対策は?
トコジラミは繁殖力が強いうえに殺虫剤では駆除できないこともあり、対策が難しい害虫です。
重曹で駆除できる、嫌な匂いで寄せ付けなくできるという話を聞いたことがあるけど、実際どうなのかと気になっている方もいるでしょう。
こちらの記事ではトコジラミの生態や発生原因、駆除方法・予防対策などについて詳しく解説します。
自力での駆除が難しい場合の対処法についても説明するので、トコジラミの被害に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
トコジラミ(南京虫)の生態は?発生しやすい場所や発生原因
トコジラミは南京虫という名前で知っている方もいると思いますが、どちらも同じ生物です。
トコジラミとはどんな生物なのか、まずは生態や特徴を押さえておきましょう。発生しやすい場所や発生原因についても説明するので、効果的な対策をするためにしっかり理解してください。
トコジラミ(南京虫)とは?生態や特徴、習性など紹介
トコジラミとは体長5~8ミリ程度の昆虫で、茶褐色の体をした生物です。
吸血性の生物であり、鳥類やコウモリ類を主な宿主としますが人の血を吸う種類のトコジラミもいます。触るとカメムシのような独特の悪臭を放つのが特徴。
エサがない環境でもすぐには死なず、血が吸えない環境下でも2年近く生存できる、非常に生命力の高い生物です。さらに繁殖力にも優れており、1日当り5~6個の卵を毎日産んで生涯に200~500個もの卵を産みます。
家に発生したトコジラミはすぐに繁殖して数を増やすので、自分で駆除して完全に退治するのはかなり難しいでしょう。
トコジラミ(南京虫)が発生しやすい場所
トコジラミは暖かい場所や薄暗い場所を好みます。
たとえば布団やベッド、枕の中などは就寝時に内部が温まるうえ、人が寝ているときに吸血できるためトコジラミが発生しやすい場所の一つです。
ほかにも畳やカーペットの中、壁と家具の隙間や壁紙、本棚など、狭くて薄暗い場所にトコジラミはよく発生します。さらに天井と壁の間やカーテンの隙間など発見が難しい場所に潜んでいることもあるため、トコジラミが家に出るけどどこにいるのかわからないということは多いです。
トコジラミ(南京虫)の発生原因は?近年日本で増加中?
トコジラミはもともと1960年代ごろの日本において、都市部を中心に多く発生していた生物です。その後は徐々に減少していき、1970年代になると日本ではほとんどみられることがなくなりました。
しかし近年のグローバル化にともない海外からの渡航者が増えたことで、外国人の衣服や荷物に付いたトコジラミが国内に持ち込まれ、再度日本でもみられるようになったのです。
そして国内でも引っ越しや旅行の行き来によってトコジラミは分散し、全国的に広く分布するようになりました。
トコジラミ(南京虫)による被害と対処法
トコジラミに刺されると、刺された箇所に赤い発疹が出て痒みを生じ、場合によっては発熱することもあります。
対処法としてはステロイド系の軟膏などを塗って炎症を抑えることです。また痒みを抑えるには、抗ヒスタミン剤を使うのがよいでしょう。
痒みはアレルギー反応によるものなのですぐに痒みが出るとは限らず、痒みが出るまでに2~3日かかる人もいるため、症状に合わせて薬剤を使用してください。もし痒みがひどく、薬剤を使っても収まらなければ、皮膚科を受診して適切な治療を受けるのが望ましいでしょう。
症状が出ているのにそのままにしておくと、引っ掻いて肌を傷つけてしまうので、きちんと医療機関で治療を受けることをおすすめします。
トコジラミ(南京虫)の自分でできる駆除方法5選
トコジラミを自分で駆除できる方法を5つ紹介します。
・熱、冷気を使う
・掃除機で吸い込む
・駆除剤を使う
・粘着シート
・お湯につける
それぞれの駆除方法について、効果や具体的な手順を紹介するので、正しく実践して駆除に役立ててください。
駆除方法1.熱・冷気を使う
トコジラミは熱に弱く、50度以上の高温で死滅するため、熱を使って駆除できます。
やり方としては、熱湯をかける、アイロンをあてる、ドライヤーを使うといった方法が考えられるでしょう。布団やカーペット、ソファ―のうえであれば、布団乾燥機を使うという手段もあります。
また20度以下の冷気によっても駆除することができ、業者が使用する機器のなかに冷却材を噴射する機器があるためこれを使うと冷気によってトコジラミを駆除できます。
駆除方法2.掃除機で吸い込む
トコジラミが発生する箇所に掃除機をかけ、吸い込んで駆除します。
布団には専用のクリーナーがあるので、寝具にいるトコジラミを駆除するときはそれを使ってもよいでしょう。すべてのトコジラミを駆除するのは難しいですが、被害を抑える効果は期待できます。
掃除機のなかでトコジラミが生存することもあるので、できるだけ性能がよくパワーが強いものを使用するようにしてください。
駆除方法3.駆除剤を使う
殺虫スプレーのような駆除剤・殺虫剤を使うことで、トコジラミを駆除できます。殺虫剤を使用して駆除する場合には、使用している薬剤や成分に注意しましょう。
スプレータイプの殺虫剤にはよくピレスロイド系の成分を使用したものがありますが、ピレスロイド系の殺虫剤はトコジラミに効果がないものもあります。
駆除剤を選ぶ際は、トコジラミに効く成分や嫌う匂いを使った、専用の製品を選ぶようにしてください。
駆除方法4.粘着シート
粘着シートを使ってトコジラミを捕獲し、駆除します。トコジラミが近づいたら粘着シートにくっついて動けなくすることで、トコジラミの被害を防げます。
トコジラミはゴキブリのように誘因成分で引き寄せることが難しいので、たとえば布団の周囲などを粘着シートで囲むようにして設置しておくとよいでしょう。テープに付いたトコジラミは、そのまま捨てれば駆除できます。
駆除方法5.お湯につける
トコジラミは熱に弱いことを説明しましたが、衣類などにトコジラミが付いたときは高温のお湯に付けて駆除するという方法があります。温度が高いほど駆除効果は高くなりますが、高温のお湯につけると素材が傷む可能性があるので注意しましょう。
衣類などをお湯につける際は事前に繊維を確認したうえで、傷みにくいように70度くらいのお湯につけるのが無難です。
トコジラミ(南京虫)の予防対策
トコジラミは不衛生な環境から発生するわけではなく、人間の血があれば生きていけるので完全に退治して予防対策をするのは困難です。
予防策としては、衣類や持ち物について家のなかに持ち込まれるのを防ぐという方法が効果的でしょう。また外から侵入してこないように、家の隙間を目張りなどで塞いでおくという対策方法もあります。
万が一家に侵入してしまった場合、繁殖する前にすぐ退治できれば被害にはあいません。そのためには日頃から部屋に掃除機をかけ、トコジラミが潜んで繁殖できない環境を作りましょう。
布団や枕、家具の隙間など、トコジラミが潜みそうな場所には念入りに掃除機をかけ、早期に退治して繁殖を防いでください。
自力の駆除が難しいときは業者に依頼するのがおすすめ
トコジラミを自分で駆除・予防対策するのは難しいので、もし被害に遭ったら業者に依頼することも検討しましょう。
専門業者であれば、効果の高い殺虫剤や駆除剤を使い、自分では発見しにくい場所にいるトコジラミまで確実に駆除できます。またトコジラミが寄り付かない薬剤を使った駆除剤で予防対策までしてくれるので、トコジラミの再発を防げるのも嬉しい点。
繁殖力の高いトコジラミは、スプレーの駆除剤などを使って自分で駆除しても、残った生体が卵を産めばすぐに増えてしまいます。そのため不十分な対策では不完全な駆除しかできません。
業者の選び方やおすすめ業者、料金などについては、下記の記事を参考にしてください。
まとめ
トコジラミに刺されると体が赤く腫れて痒みが出るため、早期に対策して退治しなければなりません。
痒みを抑えるには抗ヒスタミン剤が効きますが、症状がひどい場合には病院で診察を受けるのがおすすめです。
また、トコジラミは熱に弱いためアイロンなどを使って駆除できます。駆除剤を使う際は、トコジラミに聞くかどうかを必ず確かめてください。
さらにトコジラミは予防対策が難しいため、自力で駆除しても被害が減らないようであれば業者に依頼してトコジラミを根絶しましょう。