今回は換気扇の種類別に分解方法から掃除の手順まで細かくご紹介します。手順が多く見えるかもしれませんが、やってみると意外と簡単な仕方で掃除できます。
作業の注意点や簡単に掃除できるコツはもちろん、事前に準備するものなどについても解説していますのでぜひ参考してみてください。最後におすすめの洗剤についてもご紹介しています。
ちなみにスチームクリーナーをお持ちの方はそちらを活用していただくことができます。スチームクリーナーがあれば洗剤いらずで作業できます。
換気扇には大きく2種類ある
換気扇には2種類のファンがあり、シロッコファンと呼ばれるレンジフードに使用されているタイプとプロペラファンというタイプがあります。ファンのタイプによって掃除の仕方が変わります。2つのファンには以下のような特徴があります。
種類1. シロッコファン(レンジフード)
シロッコファンは、縦長の細長い板状の羽根が筒状に何枚も取り付けられた形状をしています。掃除をする際はこの板状のファンを1枚1枚掃除することになります。
このシロッコファンは主にレンジフードに使用されており、ファンが回転することで汚れた空気を吸い込み、屋外にダクトを通して排気します。
プロペラファン式に比べると、内部に設置されているので複雑な構造をしており、分解清掃が難しくなります。しかし電気料金が安く、静音性が高いなどのメリットがあります。
種類2. プロペラファン
プロペラファンは扇風機のプロペラに似た形状のファンが取り付けられています。
ダクトを通さないので、ファンを回すことで直接屋外へ空気を排気します。そのため高い排気力があり、構造もシロッコファンよりシンプルで簡単に分解しやすくなっています。
ファンも1枚がプロペラのように大きいので掃除しやすいですが、外部に直接取り付けるので、取り付け場所が限られたり、風の影響で十分に排気できないこともあるなどのデメリットもあります。
換気扇掃除の前の準備。事前にやるべきことを3つ紹介!
換気扇の掃除に取り掛かる前に事前にやるべきことがあります。
安全に作業するために3つの準備をしましょう。簡単な準備をしておくだけで安全を確保し効率的な方法で掃除ができます。安全に掃除するためには準備がとても大切なのでしっかり確認しておきましょう。
換気扇掃除の準備1.ブレーカーを落とす
まずブレーカーを落としておきましょう。電力を断つことで、分解の際に換気扇が回ってしまい巻き込む、といった事故を防ぐことができます。
ブレーカーを落とす作業はついつい面倒になってしまうかもしれませんが、不意の事故を防ぐために確実に落としておきましょう。この簡単な作業を行っておくだけで大怪我をするリスクを減らすことができます。
換気扇掃除の準備2.床などの養生をする
床やキッチンに新聞紙などで簡単に養生をしておきましょう。換気扇から油汚れが落ち、床が汚れるのを防ぐことができます。せっかく掃除をしているのに周りを汚してしまうのは嫌ですよね。
しかも換気扇の汚れは油などの汚いものが多く、後々頑固な汚れと戦わなければならなくなります。
養生をしておくことで後の掃除の手間を省くことができ、楽に作業できますね。掃除する場所をできるだけ減らし、効率的な仕方で掃除に取り掛かりましょう。
換気扇掃除の準備3.手袋をつける
手袋をつけることで、自分の手を汚さず掃除できます。換気扇のファンは汚いので、直接触りたくないですよね。水も使うので手が荒れやすい方は手袋をつけて掃除する方が良いでしょう。
また、ファンによる手の怪我を防止することもできます。特に金属製のシロッコファンは手を怪我しやすいものとなっていますので、手袋をつけて掃除することをおすすめします。
換気扇掃除の簡単な仕方!簡単に汚れを落とすコツとは?
換気扇掃除をしたことないという方も簡単に掃除することできます。
換気扇の汚れは酸性の油汚れなので、汚れを中和してくれるアルカリ性の性質を持つセスキ炭酸ソーダやオキシクリーンのような溶剤を使うのがコツです。換気扇の具体的な掃除の仕方をご紹介します。
シロッコファン(レンジフード)の掃除方法
シロッコファンは、構造上掃除するのが難しく見えますが、アルカリ性のセスキ炭酸ソーダにつけ置きすることで比較的簡単にキレイにすることができます。
またファンの羽根の隙間は汚れが溜まりやすいところですが、狭くて掃除しにくいところとなっています。
そのため狭い隙間に入るような歯ブラシや割り箸などを活用すると良いでしょう。では具体的な掃除の仕方をご紹介します。
シロッコファンの掃除方法① 掃除前に用意するもの
・重曹
・セスキ炭酸ソーダ沸騰水
・新聞紙数枚
・ゴミ袋(40L)1枚
・ゴム手袋
・キッチンペーパー
・割り箸
・使い古しの歯ブラシ
・食品用ラップ
シロッコファンの掃除方法② 換気扇の分解方法
手順①
外側のフィルターを外します。外側のフィルターやカバーは留め具を外したりずらすことで簡単に外れるものが多いです。
しかし製品により分解方法は異なるので、不安な場合は取扱説明書を確認することをおすすめします。
手順②
ファンの手前にある円盤状のパーツに取り付けられている蝶ネジを反時計回りに回して外す。
ファンの手前にはベルマウスと呼ばれる円盤状のパーツがあります。このパーツを換気扇そのものと取り付けているネジを外します。
手順③
ファンの中心にある軸とファンを取り付けているネジを反時計回りに回し、ネジを緩めます。ファンの中心には軸があり、軸とファンを取り付けているネジがありますので、それを緩めます。
手順④
ファンが落ちないように抑えながらネジとファンを取り外します。押さえながら落下を防いで取り外しましょう。ネジもなくしやすいものですので、しっかりと保管しましょう。
シロッコファンの掃除方法③ 換気扇掃除の手順
手順①
重曹またはセスキ炭酸ソーダ沸騰水を作ります。重曹またはセスキ炭酸ソーダ沸騰水ですが、簡単に作れます。
水1Lに対し重曹またはセスキ炭酸ソーダを大さじ3の分量で用意します。よく混ぜて沸騰させ、沸騰から10分経過したら火からおろし、温度が下がったら完成です。
手順②
レンジフード(換気扇)の電源を切り、事故を防ぎましょう。
手順③
キッチン・床に汚れ防止の新聞紙を敷きます。汚したくないところに養生をします。また必要であれば脚立を用意しましょう。
手順④
フィルター・ファン・ネジを外します。前述の方法で換気扇を分解します。この時シンクや浴室などに外した部品が入るくらいのゴミ袋を広げて置き、袋の中に部品を入れましょう。
手順⑤
重曹またはセスキ炭酸ソーダ沸騰水を入れ、つけ置きします。部品を入れた袋の中に重曹、またはセスキ炭酸ソーダ沸騰水を入れ、1〜2時間ほどつけ置きしましょう。
手順⑥
割り箸や歯ブラシで汚れをこすり落とし、最後に洗い流します。ファンの羽根の隙間に割り箸や歯ブラシを入れ、羽根を1枚1枚こすり、汚れを落とします。最後にお湯で汚れをすべて洗い流します。
手順⑦
部品の水気を拭き取りレンジフード(換気扇)に取り付ける最後に水気を拭き、分解とは逆の手順で取り付け、掃除は終了です。
プロペラファンの掃除方法
プロペラファンはシロッコファンと比べると構造がシンプルなのでより簡単な仕方で掃除することが可能です。換気扇掃除をしたことがないという方でも簡単に分解できるので安心して作業に取り掛かれます。
コツは40℃~60℃のお湯を使い、オキシクリーンの効果を最大限発揮させる仕方で掃除することです。詳しくご説明します。
プロペラファンの掃除方法① 掃除前に用意するもの
・オキシクリーン
・40℃〜60℃のお湯
・大きめのバケツ
・ビニール手袋
・スポンジ
・重曹水
・45Lのビニール袋
・新聞紙
プロペラファンの掃除方法② 換気扇の分解方法
手順①
フィルターがついている場合、フィルターを外します。
プロペラファンもフィルターがついていない種類のものもありますが、もしフィルターがついていたら外しましょう。留め具を外したりずらすことで簡単に外せるはずです。
手順②
羽根をおさえ、中心についている円形のスピンナーを「緩む」方向に回し、手前に引っ張って外します。
ファンの中心部にある円形のスピンナーを回すことで簡単に外れます。ファンの落下に注意し、羽根を押さえておきましょう。
プロペラファンの掃除方法③ 換気扇掃除の手順
手順①
換気扇の下に新聞紙を敷きます。汚れ防止のために新聞紙で養生します。
手順②
換気扇の電源を切り、事故防止をしましょう。
手順③
換気扇のファンを分解しましょう。前述の仕方で分解します。部品をなくさないよう注意しましょう。
手順④
換気扇の部品をつけ置きします。40℃~60℃のお湯1Lに対しオキシクリーンを付属しているスプーン1杯を入れ溶かしたオキシ溶液をバケツやビニール袋に張り、1~2時間ほどつけ置きします。
手順⑤
スポンジでこすり、お湯ですすぎます。つけ置きしているので汚れを簡単に落とすことができます。汚れが残っているところをスポンジでこすりましょう。最後にお湯で洗い流します。
手順⑥
換気扇本体を掃除します。水1カップに重曹大さじ1を溶かした重曹水をスポンジにつけ、換気扇本体の枠をこすります。油汚れに効果の高い重曹水を使うことで枠部分もキレイにすることができます。
手順⑦
部品の水気を拭き取り、取り付けます。水気を拭き取り、分解と逆の手順で取り付け、換気扇の掃除は終了です。
換気扇掃除におすすめの洗剤は?
洗剤にもたくさん種類があって迷いますよね。換気扇の汚れは酸性のため、アルカリ性の洗剤を使うことで中和され、汚れが落ちやすくなります。
キッチン用の洗剤はほとんどがアルカリ性ですが、念のため成分表にアルカリ性と表示されているものを選びましょう。
セスキ炭酸ソーダやオキシクリーンの他におすすめの洗剤を4つご紹介します。
1.『花王 マジックリン ハンディスプレー』
掃除の定番『マジックリン』。換気扇をはじめとするキッチンの汚れに特化していてスプレーすると油を浮かせて分解します。スプレータイプなので吹きかけて掃除できます。
2.『ウエキ スーパーオレンジ 消臭・除菌 泡タイプ』
高天然オレンジオイルにアルカリ剤や溶剤を混ぜた強力な洗剤。汚れの具合によって原液でスプレーしたり、薄めたりと使い分けができます。キッチンペーパーなどにスプレーして染み込ませ、つけ置きするととってもキレイになります。
3.『リンレイ 換気扇レンジクリーナー』
泡でスプレーされる洗剤で、汚れに吹きかけると泡がモコモコと膨れ上がり、サッと拭くだけで簡単にキレイになります。換気扇だけでなくコンロなどさまざまな場所で活躍します。
4.『技・職人魂 油職人』
どうしても落とせないガンコな汚れにおすすめなスプレー。業者も使用するプロ仕様でこびりついた汚れをしっかりキレイにしてくれます。