飼っているハリネズミが体を掻いていたり食欲不振になっていたりしたら、それはダニに寄生されているせいかもしれません。
ハリネズミは皮膚の病気にかかりやすい動物であり、ダニ症の罹患率も高いので、被害に遭わないためにはしっかり駆除・予防対策をする必要があります。
しかしダニの駆除にはスプレーやダニ取りシートなどさまざまな方法があるものの、何が本当に効果的なのかわからない方も多いでしょう。
そこでこちらの記事では、ハリネズミにダニが寄生する原因や被害に遭ったときの症状、そして予防・駆除対策方法について詳しく解説します。
ダニ対策のおすすめグッズも紹介するので、本記事を参考にしてしっかりダニ退治をし、ペットのハリネズミがダニの被害に遭わないようにしましょう。
ハリネズミにダニが寄生する原因
ダニは高温多湿の環境を好むため、ハリネズミを飼育しているケージが置かれた室内が暖かく湿気が多いと、ダニに寄生されやすくなります。
またハリネズミのおやつになるミルワームにダニが寄生していることがあり、ミルワームを生きたままハリネズミに与えるとダニに寄生されることがあるでしょう。あとは他のペットからダニをもらってしまうというケースもあります。
ハリネズミに寄生しやすいのはヒゼンダニという種類のダニですが、ヒゼンダニは犬や猫などの動物にも寄生するため、ハリネズミと同じ部屋で買っている犬や猫からダニをもらってしまうことがあるのです。
さらにペットショップで購入したときに、既にダニに寄生されているという可能性も否定できません。ペットショップではハリネズミが親子で同じケ―ジで飼われていることも多いため、母親に寄生したダニが子にも移っていることがあるのです。
以上のように、ハリネズミはさまざまな原因によってダニに寄生されます。
ダニがハリネズミに与える被害。どんな症状がでる?
ハリネズミがダニに寄生されると、以下のような症状が出ます。
・後ろ足で体を掻く
・毛やハリが抜け落ちる
・皮膚が赤くなったり出血したりしている
・食欲や元気がなくなる
ヒゼンダニはハリネズミの皮膚を掘って産卵しますが、皮膚を掘られたときに強い痒みが発生するため、ダニに寄生されたハリネズミは後ろ足で体をしきりに掻きます。
寄生しているダニの数が増えるとさらに痒みが増すため、掻いた箇所が赤くなったり出血したりすることもあるでしょう。そしてダニに寄生されたハリネズミは次第に元気がなくなり、毛やハリが抜け落ちることもあります。
以上のような症状がみられた場合、ハリネズミがダニに寄生されているかもしれません。
人間にもうつる?
ハリネズミに寄生したダニは、人間にもうつる可能性があります。
ダニに寄生されたハリネズミを直接触ったときにうつるので、ダニに寄生されている疑いのあるハリネズミに触るときは、必ず手袋などをしてから触るようにしましょう。
人間にうつった場合の症状もハリネズミのときと同じであり、皮膚を掘られて強い痒みを発症します。また寄生された箇所を掻くことで皮膚が炎症を起こし、二次被害を生じることがあるでしょう。
さらに血液がんなどの要因で免疫力が下がっている場合、皮膚が広範囲に厚くなりかさぶたができることもあります。
ハリネズミのダニ対策8選!予防・駆除方法
ハリネズミのダニ予防・駆除対策には、以下のような方法があります。
・砂場を作る
・ミルワームお風呂に入れる
・ゲージ、ハウスを掃除する
・外で遊ばせない
・犬や猫と接触させない
・スプレーや薬を使う
・室内のダニ対策もする
・動物病院に連れて行く
以上8つの対策について、それぞれ具体的な方法や効果について解説します。
ダニ対策1.砂場を作る
ハリネズミは砂場を使って体の表面に付いたダニを落とすため、砂場を作ることでダニの予防対策になります。
砂場があればハリネズミは自分でダニや寄生虫を落として体をきれいにするので、手間なくダニを駆除できるおすすめの対策方法といえるでしょう。
また砂場はハリネズミにとってストレス解消にもなります。そのため仮にダニに寄生されていなかったとしても、ストレス解消効果のために砂場を設置しておけば無駄にはならないでしょう。
ダニ対策2.お風呂に入れる
お風呂に入れることでハリネズミの体に寄生しているダニを駆除できるので、定期的にお風呂に入れるようにしましょう。またお風呂で体をきれいにすれば、さまざまな皮膚トラブルを防ぐことができます。
ただしお風呂に入れたからといってダニを完全に駆除できるわけではないので、あくまで予防対策の一手段と考えてください。またハリネズミは水浴びの習慣がないため、お風呂をストレスに感じることもあります。そのためお風呂に入れる頻度は月に1回程度にとどめておきましょう。
ダニ対策3.ゲージ・ハウスを掃除する
ケージやハウスが不衛生な状態だとダニが集まってきてしまうので、ケージやハウスはきれいに掃除しましょう。床材は数日に一回は交換し、シーツは洗濯して汚れを落としてください。
またダニは熱に弱く、熱湯を使って駆除することもできるので、ケージやシーツに熱湯をかけるのも効果的です。シーツは湿気が溜まらないよう、日光に当てて乾燥させると効果があるでしょう。
このようにケージやハウスを掃除することで、ダニを寄せ付けにくい環境を作ることができるのです。
ダニ対策4.屋外で遊ばせない
ダニは室内だけでなく屋外にも生息しているため、ハリネズミを外で遊ばせなければダニに寄生されるリスクを下げられます。特に山林や河川敷の草むらなどにはダニが多く生息しているため、これらの場所で遊ばせることはできる限り避けるのがよいでしょう。
ダニは自然の多いレジャースポットだけでなく、都会の公園などにも生息します。そのためたとえ家の近所であったとしても、外出させることでダニに寄生される危険があることは覚えておきましょう。
ダニ対策5.犬や猫と接触させない
前述のとおり、犬や猫に寄生したダニがハリネズミに移ることも少なくないので、犬や猫と接触させないことも大事です。
自宅で飼っているペットに限らず、屋外ですれ違った動物がダニに寄生されている可能性もあり、さまざまな動物からダニがうつることが考えられます。
そのためダニが多く生息する場所に近づかなかったとしても、すれ違ったり接触したりした他の動物から寄生される可能性があるということを忘れないようにしてください。
ダニ対策6.スプレーや薬を使う対策
市販されているダニ駆除用のスプレーや忌避剤を使うことで、ダニを駆除できます。
スプレーにはさまざまな種類があるので、ダニに直接かけて駆除する殺虫成分を含むものやダニの嫌う成分を使ったダニよけなど、目的に合わせて使い分けましょう。また体に寄生したダニを駆除する滴下薬もあり、身体に寄生しているダニを駆除することができます。
ただし犬・猫用の薬は多くありますが、それらがハリネズミに使えるかどうかはわからないので、心配な場合は動物病院などで確認したほうがよいでしょう。
ダニ対策7.室内のダニ対策もする
ダニは室内でも特にベッドやソファ、カーペットなど高温多湿になりやすい場所に多く発生します。これらの場所に発生したダニがハリネズミにうつってしまう可能性があるので、室内のダニ対策もしっかりおこないましょう。
部屋は換気して湿度を下げ、定期的に掃除や洗濯をしてダニの好む環境を作らないよう意識してください。ハリネズミのケージやハウスが置いてある部屋だけでなく、家全体を対策しておくと予防効果は高いでしょう。
室内のダニ対策についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
ダニ対策8.動物病院に連れて行く
動物病院で医師の診察を受けて治療してもらえば、症状に合わせて適切に治療してもらえます。自分でできる駆除や予防対策には限界があるので、動物病院へ連れて行って治療を受けるのがもっとも確実で効果の高い方法です。
治療には料金がかかりますが、自分でいろいろな対策を試すよりも結果的には安い料金で済むこともあるでしょう。ペットショップにいるときからすでに寄生されている可能性もあるので、飼いはじめや症状が出始めたタイミングで医師から診察を受けることをおすすめします。
ハリネズミのダニ対策におすすめのグッズ
ハリネズミのダニ対策なおすすめのグッズを3つ紹介します。それぞれ使用用途や効果が異なるので、目的に応じて適切に使い分けてください。
おすすめグッズ1.ペットクール
大豆エキスの天然成分でノミ・ダニを寄せ付けない効果があるスプレーです。匂いがなく使用しても不快感がありません。また天然成分で薬剤を使用していないため、安全性が高い忌避剤です。
ハリネズミが舐めてしまったとしても体に害はないので、安心して使うことができるのがメリットでしょう。
おすすめグッズ2.ジクラ (Zicra) アギト
除虫菊・レモン抽出エキスを使った成分で、ダニの発生を抑える効果があります。
ケージなど臭いが気になる箇所にスプレーしましょう。汚れた部分には直接スプレーして拭き取ります。
ハリネズミに直接かかっても特に健康上の問題はありませんが、直接かけて使用するものではありません。そのため故意にかけることがないよう注意して使用してください。
おすすめグッズ3.Sandclubハリネズミ浴び砂
国産天然ゼオライト100%の浴び砂で、ハリネズミが自分で体に付いたダニを落とすことができます。
ゼオライトの表面にある空洞がいやなニオイを吸着するので、防臭効果も期待できるでしょう。使用する際は砂浴び容器に2~3cm程の高さまで入れて、1日に5~10分を目安に砂浴びをさせてください。
まとめ
ダニは高温多湿を好むので、ケージやハウスを置いた室内が暖かくて湿った環境にあると被害にあいやすくなります。またおやつのミルワームや、他の動物から寄生することもあるでしょう。
ダニに寄生されると体を掻いたり食欲や元気が低下するといった症状が出ます。ダニの被害に遭わないためには日頃から掃除を心掛け、お風呂に入れて生活を保つことが大事です。
また屋外で遊ばせたり他の動物と接触したりすることは極力避けましょう。症状がひどい場合には動物病院で診てもらい、しっかり治療することをおすすめします。