愛犬が体を掻いていたり体を地面にこすりつけたりしている姿を見て、ノミに寄生されているのではないかと心配される方もいるでしょう。
ノミの発生には原因があり、きちんと駆除や予防対策を実施することで被害を最小限に抑えることができます。ノミの寄生によって皮膚炎だけでなく下痢・嘔吐という症状が出る危険もあり、さらにダニが人間に寄生することもあるので注意が必要です。
こちらの記事では犬ノミの発生原因から見つけ方、駆除方法、そして予防対策まで解説します。本記事を読んでしっかりとダニを駆除し、予防対策にも力を入れましょう。
犬ノミが発生する原因とは?
犬ノミが発生する原因としては、以下の4つのパターンが考えられます。
・部屋の中にある卵が孵化する
・散歩中に寄生する
・シャンプーやブラッシングをしていない
・他の動物や害獣から寄生する
それぞれ順番に解説します。
原因1.部屋の中にある卵が孵化する
屋外で人やペットに付いたノミが部屋に落ちると、家の中で卵を産んで繁殖します。ノミは暖かい季節が好きで、気温13℃以上になると活発に活動しはじめるので、7~9月の暖かい季節は特に注意しましょう。
またノミは湿った場所を好む習性があるため、換気をせずに部屋に湿気が溜まっていると活動が活発化して繁殖しやすくなります。さらに掃除を怠るとノミの餌となるフケやホコリが溜まるので、掃除をしないことも家の中でノミが繁殖する原因です。
原因2.散歩中に寄生する
ノミは屋外では茂みや草むらなどに多く生息するため、茂みや草むらで犬を散歩させているときに寄生されることがあります。またノミは動物から動物に移るので、他の飼い犬と接触した際に寄生することもあるでしょう。
屋外での散歩中はノミに寄生されるリスクが高いので、できるだけノミが多くいそうな草むらを避けるなどの注意が必要です。
原因3.シャンプーやブラッシングをしていない
ブラッシングはノミを発見するきっかけになり、シャンプーをすればノミを洗い流すことができるので、定期的にシャンプーやブラッシングをしましょう。
ブラッシングをしたとき黒い塊のようなものが毛についていたら、それはノミの糞である可能性が高いので、見つけ次第シャンプーで流すか駆除剤などを使用してノミを駆除してください。
原因4.他の動物や害獣から寄生する
ノミは動物から動物へと移る習性があるので、さきほども触れたように散歩中他の犬と接触したときに寄生する可能性があります。また犬同士に限らず猫や人から移ることもあり、特に犬が猫ノミに寄生されることは多いので猫との接触には注意してください。
さらに里山などでは野生の猪や鹿などが生息する地域もあるので、これらの野生動物からノミをもらってくることもあり得るでしょう。
犬ノミの寄生によって考えられる症状
犬ノミに噛まれたら、吸血された箇所が痒くなるというのが代表的な症状です。また刺された際にノミの唾液に触れることで生じるアレルギー性皮膚炎を発症し、強烈な痒みに加えて痛みや発疹が出ることがあります。
ほかにも体の小さい子犬が大量の血を吸われると、貧血の症状を引き起こすことがあるでしょう。さらにサナダムシに寄生されたノミを体内に取り込んでしまうと瓜実条虫症(サナダムシショウ)を引き起こし、下痢・嘔吐といった症状に見舞われます。
ノミの寄生には兆候があるので、以下のようなサインを見逃さないようにしてください。
・体を足で掻く
・歯で体を噛む
・体を地面でこする
・肌に赤い点々ができる
・抜け毛が発生する
・毛にノミの糞が付着している
犬ノミの駆除方法!効果的な退治法や注意点
犬ノミの駆除方法や取り方、退治の際の注意点について解説します。
正しく駆除しないと被害が拡大してしまう恐れがあるので、きちんとした知識を身に付けたうえで適切な駆除方法を実践してください。”
犬ノミの駆除方法・取り方
犬ノミの見つけ方は犬にクシを通したときに、毛にノミが付着しているかどうかでわかります。
ノミが付着していたらシャワーで流すか「コロコロ」のような粘着テープを使ってとるようにしてください。また駆除薬を使うのも有効な方法であり、定期的に投与することで犬に付いたノミを死滅させることができます。
駆除薬には首元から投与するタイプのものや口から摂取する飲み薬タイプのものなどがあり、種類によって効き目や持続時間が異なります。すでに寄生されている場合には何かしらの症状が出ている可能性もあるので、動物病院へ連れて行って駆除と一緒に症状も診てもらうとよいでしょう。
犬ノミを退治する際の注意点
まずノミを素手で触ってしまうとノミに寄生している無鉤条虫(むこうじょうちゅう)に寄生される危険があるので、粘着テープなどでとるようにしてください。
またノミを潰すと卵が飛散してしまい、ノミが繁殖してしまう可能性があるので絶対にノミを潰してはいけません。万が一飛散した際に卵が体内に入ると瓜実条虫症に感染してしまうこともあるので、十分注意しましょう。
犬に寄生したノミの見つけ方
ノミに寄生されると体が痒くなるので、まずは体を足で掻く・歯で体を噛む・体を地面でこするといった行動をとっていないかみてください。
またノミの糞が付いていないかどうかも重要なので、犬の毛にくしを通してみて黒い塊が付着していないか確認しましょう。黒い塊が付着していたらそれはノミの糞である可能性が高いです。
ノミの糞であるかどうか確かめる方法としては、発見した黒い塊を湿らせたティッシュの上に乗せて溶けたときの色を確認するという方法があります。もし溶けて茶色になったらそれはノミの糞なので、きちんと駆除しなければなりません。
犬にノミを寄生させないための予防対策
愛犬をノミの被害から守るためには、予防対策を徹底してノミが付くのを避けることが重要です。犬にノミを寄生させないための予防対策としては、以下の4つがあります。
・駆除薬を投与する
・散歩コースを変える、忌避剤を使用する
・適度にシャンプーやブラッシングを行う
・飼育環境を清潔に保つ
以上4つの予防対策について、順番に解説します。
駆除薬を投与する:初めは動物病院がおすすめ
駆除薬には首元から投与するタイプのものや口から摂取するタイプのものなどがあり、種類によって効き目や持続時間が異なります。
また市販薬だけでなく動物病院で処方してもらうこともできるので、どの駆除薬を使えばよいか迷ったときは、まず病院で診察を受けて症状に合った薬を処方してもらうのがよいでしょう。
動物病院では抗炎症剤も処方してくれるため、ノミを駆除するだけでなくすでに表れている症状も抑えることもできます。
散歩コースを変える・忌避剤を使用する
ノミは湿気が多い茂みや草むらなどに生息していることが多いので、散歩中は茂みや草むらをできる限り避けるようにしてください。
ノミの活動が盛んになる夏の間は特に注意して、その期間だけでも意識的に草むらを避け、忌避剤を使って散歩するようにすると効果的です。また室内ドックランなどであればノミに寄生されるリスクをかなり抑えることができるので、安全に散歩させられるでしょう。
適度にシャンプーやブラッシングを行う
外出後はクシを通してノミが付いていないか確認し、常に意識しておくことが大事です。もっとも外出時に限らずノミは部屋のなかにいることもあるため、たとえ外出をしていなくても寄生されるリスクは避けられません。
そのためブラッシングだけでなく適度にシャンプーすることで清潔な体を保ち、常に予防に努めることが大事でしょう。
飼育環境を清潔に保つ
ノミは動物の毛・フケ・ホコリなどを餌に集まってくるため、こまめに掃除して清潔な環境を保ちましょう。布製品など洗えるものは定期的に洗濯し、ソファーなどの家具は掃除機や粘着テープなどで掃除をするとよいです。布団は天日干しして乾燥させることで、ノミの好む湿気を取り除きましょう。
またノミは高温に弱いため、カーペットや布団などノミが生息しやすそうな箇所に乾燥機やスチームアイロンをかけるという予防対策も効果的です”
まとめ
ノミは外出時だけでなく部屋の中にいても寄生されることがあるので、しっかり予防しておくことが大事です。
体を足で掻く・歯で体を噛む・体を地面でこするといった行動がみられたら、ノミが寄生しているサインかもしれないのでしっかりチェックしてください。
ノミはマダニと違って高熱が出るようなことはないですが、症状がひどい場合には動物病院に連れて行き、適切な処置を受けることをおすすめします。飼育環境を清潔に保ち、ブラッシングやシャンプーを怠らずこまめに手入れしてあげることで、日ごろからノミ対策を万全にしておきましょう。