赤ダニ駆除にはハッカ油がおすすめ?
ハッカ油スプレーの作り方を知りたい
赤ダニは春先になると玄関やベランダなどに発生します。
特に人間に対して害はないものの、その赤い見た目に「気持ち悪い」と感じる方は多いでしょう。そんな方におすすめなのが、ハッカ油で作る自家製スプレーです。
実はハッカには赤ダニをはじめとする数々の不快害虫が嫌う成分が含まれています。そのため、精製水やエタノールと混ぜることで簡単に虫よけスプレーが作れるのです。
今回はそんなハッカ油虫よけスプレーの作り方や、使用上の注意点などについて詳しく解説していきます。メリットやデメリットについても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも赤ダニとは?特徴や発生原因など解説!
赤ダニとは、全身が赤い体長1mm程度の昆虫です。吸血性のツメダニなどとは異なり、花粉や植物の汁、小さい昆虫などを餌としているため、屋外で見かけることが多くあります。
発生時期は4月~5月頃で、花粉のよく付着しているコンクリート質の外壁や玄関先、ベランダなどで見つかります。
赤ダニは吸血性も毒性もありませんが、つぶした体液に直接触れると肌に湿疹が出る可能性があるため、直接触らない駆除方法がベストです。具体的には水で流したり殺虫剤を使うなど。
今回紹介するハッカ油は人体にやさしい駆除方法であるため、ペットや小さなお子さんのいる家庭でも安心してご活用いただけます。また効果もある程度持続するためおすすめです。
ハッカ油の効果とは?成分や安全性も解説
ハッカ油は赤ダニ予防に効果があるだけでなく、防カビや防臭効果があることでも知られます。
そのほか、肌に直接つけると清涼感が得られたり、血行促進作用があるともされているため、夏のアウトドアグッズなどに幅広く使われています。さらに安全性も高いため、お子さんやペットのいる家庭でも安心していようできるのが特長です。
ここからはそんなハッカ油の成分や安全性について紹介します。
ハッカ油は赤ダニに効果あり!
ハッカ油の香りをかぐと、鼻に抜けていくスッキリとした香りがします。これはハッカ油の主成分である「メントール」の香りです。リップクリームやハンドクリームで有名なメンソレータムは、このメントールを使用して作られています。
赤ダニはこのメントールの独特な香りを嫌うため、ダニ除けに効果的なのです。また、ハッカの香りを嫌うのはダニだけではありません。
ゴキブリやハチ、ムカデなどさまざまな害虫がハッカの香りを嫌うとされているため、害虫全般の虫よけとしても効果的です。
ハッカ油の成分
ハッカ油はハッカ草という植物から取れるエキスを原料としており、主な成分はメントールです。
今でこそ一般的に知られるようになったメントールですが、明治時代の日本では非常に希少な成分として認知されていました。というのも、ハッカ草100kgから取れるメントールはたったの4g。メントールは全体の2%しか取れない希少な成分なのです。
ハッカ油は安全?
ハッカ油は、ハッカ草から取れる天然成分のため安全です。
殺虫剤のように危険な成分も入っていないため、小さなお子さんや、ペットのいる環境でも比較的安全に使用できます。
ただしアレルギー体質の方や、アトピー性皮膚炎を患っている方は、ハッカ油を付けて炎症が起きる可能性がゼロではありません。そのため、使用前には医師に相談することをおすすめします。
ハッカ油虫除けスプレーの作り方
ハッカ油で虫よけスプレーを作るには、まず以下のアイテムを準備しましょう。
・ハッカ油(20滴ほどあればOK)
・空のスプレーボトル(100ml以上)
・無水エタノール(10ml)
・精製水(90ml)
作り方は以下のとおりです。
1.無水エタノールと精製水をボトルに入れる
2.ハッカ油を追加し、ボトルを閉めてよく混ぜる
3.完成
ハッカの香りが弱い、または効果を感じられない場合は、最大60滴ほどまでハッカ油を足して使用しましょう。60滴を超えると肌に刺激を感じる場合があるため、足しすぎには注意が必要です。
ハッカ油スプレーの注意点6つ
ハッカ油は赤ダニを寄せ付けないだけでなく、さまざまな効果が期待できます。そのため家のさまざまな場所に使う方も少なくありませんが、使用の際は注意すべき点もあります。
ここからはハッカ油を使用する際の注意点を見ていきましょう。
注意点①容器にポリスチレンを使用しない
ハッカ油を入れておく容器は、ガラスや陶器を用いましょう。
100円ショップなどではよくポリスチレン容器を販売していますが、ポリスチレンは避けることをおすすめします。というのもハッカ油に含まれる「リモネン」という成分は、ポリスチレンを溶かす作用があるからです。
ハッカ油をポリスチレン容器に入れると容器が溶け、液が漏れ出す原因になるため避けましょう。
注意点②精製水を使用する
ハッカ油で虫よけスプレーを作る際は、水道水でなく精製水を使用しましょう。水道水には塩素が含まれており、虫よけに必要な成分を分解してしまいます。結果的に虫よけ効果がなくなってしまうため、精製水を使用しましょう。
精製水は薬局やインターネット通販などで販売されています。少量で販売されていることは少ないですが、買い置きしておけば何度もハッカスプレーが作れます。
注意点③使用期限は一週間程度
ハッカ油の使用期限は、一週間程度です。短い期間で使い切る必要があるため、ハッカ油でスプレーを作る際は少量をこまめに作るようにしましょう。
一週間を過ぎると虫よけ効果は薄れますが、香りは少し残っている場合があるため掃除やアロマなどさまざまな使い方で使い切るとよいです。
なおハッカ油や精製水自体は、1~2ヶ月の使用期限があるため、保存がききます。
注意点④赤ちゃん・妊婦には使用しない
赤ちゃんや妊娠中の方は、念のため使用しないようにしましょう。先述のとおりハッカ油そのものに毒性や人体に悪影響を及ぼす成分はありません。
しかし肌の敏感な赤ちゃんは少量触れるだけでかぶれてしまったり、妊娠中の方は体調不良の原因となることもあります。そのため赤ちゃんや妊娠中の方に直接ハッカ油を使用するのは避けましょう。
注意点⑤動物に使用しない
ペットがいる家庭も、ハッカ油の使用に注意が必要です。
ハッカ油自体に毒性はないものの、香り成分に敏感な動物は臭いを嗅いだだけで中毒症状を起こしてしまうケースがあります。特に猫の腎臓は、人間のように香りを分解する機能が備わっていません。
そのため、動物に直接ハッカ油を使用するのは絶対にやめましょう。人が付ける場合も、動物と触れ合う場合はできるだけ使用を避けるのがおすすめです。
注意点⑥熱中症の危険がある
清涼感を得る目的でハッカ油を使用する際は、熱中症に十分気を付けましょう。ハッカ油を肌につけると、ス―ス―とした清涼感が得られます。
しかし、これは肌がそう感じているだけで実際に冷えて熱が放出されているわけではありません。つまり熱は身体の中にこもり続けるため、知らない間に熱中症になってしまう恐れがあります。
ハッカ油だけでは身体を冷やせないため、水分を取ったりしつつ暑さ対策をしましょう。
ハッカ油スプレーのメリット・デメリット
ハッカ油スプレーは非常に使い勝手が良いアイテムですが、デメリットもあります。
まずは作る前にメリットとデメリットを把握したうえで、安全かつ快適に使えるかどうかを確認しましょう。うまく使えば便利なハッカ油ですが、用量や使い方を間違えると、体調不良の原因になる可能性もあります。薬品と同様、注意して取り扱うことが大切です。
ハッカ油スプレーのメリット3つ
ハッカ油スプレーのメリットをまとめると、主に以下の3点です。
先ほどハッカ油の注意点について紹介しましたが、殺虫剤や駆除剤に比べればハッカは安全な成分といえます。
メリット①人体への影響が少ない
ハッカは人体への影響が少ない成分です。そのため、お子さんやペットのいる場所で使えない殺虫剤とは異なります。
また、子どもやペットへの使用は控えた方が良いですが、大人が使用し、近くに子供やペットがいる分には問題ないといえます。
ただし大量に使うと皮膚が荒れたり、臭いで気分を害する場合もあるため、使用する際は少量を意識しましょう。
メリット②アロマ・消臭効果がある
ハッカにはアロマや消臭剤としての効果があります。
ハッカの香りは鼻に抜けるような爽やかな香りで、ミントの香りが好きな方であればアロマ効果も期待できるでしょう。また、寝具やカーテンに使用すると消臭効果も期待できます。
中には靴の消臭剤としてハッカ油を使用するという方もいるほど。さらに防カビ効果や防虫効果もあるため、非常に万能です。
メリット③清涼感を味わえる
ハッカは肌につけたときの清涼感も魅力の1つ。
触れた部分がスーッと冷えていくような感覚が好きで、ハッカ油を愛用している方も少なくありません。
また、肌に直接つけるだけでなくお風呂に少量のハッカ油を入れることで、お風呂から出たあとに全身で清涼感が味わえます。
量には注意が必要ですが、夏場にはこうした楽しみ方もできるのがハッカのメリットです。
ハッカ油スプレーのデメリット3つ
ハッカ油スプレーのデメリットは、以下のとおりです。
ハッカ油はあくまで虫よけに使用するアイテムです。また、何に付けても良いわけではなく、衣類との相性もあります。使用前には、ぜひこれから紹介するデメリットをご覧ください。
デメリット①ハッカ油では赤ダニの駆除までできない
ハッカ油は赤ダニの嫌う香りを発するため虫よけは可能ですが、赤ダニを駆除することはできません。
あくまで赤ダニが寄ってこないようにする「予防対策」として考えましょう。そのためすでに発生している赤ダニを駆除したい場合は、別の方法を検討する必要があります。
赤ダニを駆除する方法については、最後の章で詳しく解説するので、そちらをご覧ください。
デメリット②衣類に使用すると変色することがある
ハッカ油スプレーは、衣類に使用すると変色することがあります。基本的に先ほど紹介した作り方のハッカ油スプレーであれば十分に希釈してあるため変色の心配はありません。
しかしハッカ油の原液を服やカーペットに垂らしてしまった場合、変色する可能性があります。また、垂らした部分が日に焼けやすくなるといったケースも。原液が服に付いた場合はすぐに洗い流し、場合によってはしみ抜きをしましょう。
デメリット③人によってはにおいが気になる
ハッカ油は、人によって好みの分かれる香りをしています。そのため、なかには「香りが苦手」「香りがキツすぎる」と感じる方がいるかもしれません。
香りを抑えたい場合は「ゼラニウム」というアロマオイルを数滴混ぜて使うと良いでしょう。ゼラニウムもまた虫よけ効果のあるアロマオイルで、ハッカ特有の香りを抑える効果があります。
赤ダニを駆除・退治する方法!ハッカ油スプレー以外の予防対策も解説
赤ダニを駆除する方法をご紹介します。
まず外壁や玄関にいる赤ダニはホースで水を流すだけで駆除できます。赤ダニは壁や床に付いた花粉を食べに集まってくるため、赤ダニごと花粉も洗い流すことで駆除と予防のどちらも可能です。
屋内の赤ダニであれば掃除機で吸ったり、粘着テープでとったりと簡単に駆除が可能です。このとき赤ダニはつぶすと赤い体液が出るため、直接触ってつぶさないようにしましょう。触ると人によっては湿疹が出る可能性もあります。
詳細については以下の記事で紹介していますので参考にしてみてください。
・赤ダニの駆除方法8選|発生原因や時期、屋内外別の退治法や予防対策まで徹底解説!
まとめ
赤ダニの特性を利用した、ハッカ油の虫よけスプレーについて解説しました。
ハッカ油は赤ダニだけでなく、数多くの害虫が嫌う香りを発するのが特徴です。そのため、虫よけスプレーを作って持っていればさまざまな不快害虫を寄せ付けずに済みます。
ただし、ハッカは毒性こそないものの、原液を扱う際には注意が必要です。特に赤ちゃんや妊娠中の方、そしてペットには使わないのが無難でしょう。
本記事で紹介した注意点を守り、安全にハッカ油を使用してください。正しい使い方をすれば、アロマや消臭効果も得られて非常に万能なアイテムとして使えます。