ADSLとVDSLの違いとは?仕組みや回線速度などから徹底分析!

ADSLとVDSLの違いとは?仕組みや回線速度などから徹底分析!

ADSLとVDSLは、名前が似ていますがまったく異なる配線方式です。しかし、実際に両者の違いを詳しく知っている人は少ないでしょう。そこでこの記事では、ADSLとVDSLの違いをわかりやすく解説します。

「ADSLってそもそも何?」「VDSLとは?」といった、配線方式についてまったく知識のない方でも理解できる内容となっているため、ぜひご覧ください。

また、ADSLとVDSLは現在徐々に光回線へとシフトしています。近い内にサービス終了となるため、それぞれのメリットとデメリットを知った上で、新たな回線への乗り換えを検討しましょう。

目次

ADSL・VDSLとは?共通点も紹介します!

ADSL・VDSLとは?共通点も紹介します!

ADSLとVDSLをわかりやすく言うと、どちらも電話回線を利用してデータを通信する配線方式です。電話線を通る音声だけでなく、データも電話線を通して変換し、通信を実現しています。

両者の名前に付いている「DSL」とは、「Digital Subscriber Line」の略。わかりやすく訳すと、電話線を意味します。そのため、ADSLもVDSLも基本的には電話線さえ引き込んであればそのまま使えるということです。

またこの特徴から、両者ともに電話線の劣化や破損があると、通信障害が起きるなどの悪影響があるという点も共通しています。

ADSLとVDSLの違いは?回線速度や通信距離から分析!

ADSLとVDSLの違いは?回線速度や通信距離から分析!

基本的な配線方式は同じといえるADSLとVDSLですが、回線速度や通信距離に違いがあります。また、利用されるシーンにも違いがあるのも特長です。ここからは、両者の違いについてわかりやすく解説していきます。

回線速度|VDSLの方が速い

ADSLとVDSLでは、VDSLの方が通信速度が速いという特徴があります。

ADSL VDSL
下り:約50Mbps
上り:約5Mbps
下り:約100Mbps
上り:約40Mbps

VDSLの下り速度はADSLのおよそ倍。そして上り速度は、ADSLの8倍にものぼります。このように、いずれも電話線を使う配線方式でありながら、通信速度においてはVDSLに軍配が上がるといえます。

通信距離|ADSLの方が長い

ADSLにもメリットはあります。それは、通信距離が長いという点です。基本的にADSLは1km範囲内に基地局があれば、安定した通信を実現できます。

これに対し、VDSLの通信範囲はわずか数百メートル。これはVDSLが高い周波数帯も利用して速い通信速度を実現しているためです。周波数帯は高ければ高いほど、通信距離が遠退くにつれて周囲の雑音などの影響を受けやすくなります。

反対に、低周波数帯を利用するADSLは離れた距離へも安定した通信が実現できるのです。そのため、VDSLは集合住宅の部屋同士を繋げるために使われることが多くあります。

ADSLとVDSLのメリット・デメリット

ADSLとVDSLのメリット・デメリット

ADSLは通信距離が長く、VDSLは通信速度が速いというメリットがあります。

ではここで改めて、ADSLとVDSLのメリットとデメリットを整理していきましょう。基本的な配線方式は同じ両者ですが、現在それぞれの良い点を活かし、デメリットを補う方法で活用されています。

ADSLのメリット・デメリット

ADSLのメリット ADSLのデメリット
・電話線が使えるため開通に工事が不要
・簡単かつ工事費をかけず開通できる
・VDSLより通信範囲が広い
・VDSLに比べて通信速度が遅い
・NTT基地局が近くにないと通信に支障が出る場合がある
・サービスがまもなく終了となる(2024年3月末)
・電話線の破損等で通信に影響が出る

ADSLは、電話線を通信データと音声データに振り分ける「スプリッタ」を導入し、家の中にモデムを設置することですぐに使い始められます。そのため、既に電話やファックスのある家にとっては非常に手軽に使い始められる通信手段といえるでしょう。

また、VDSLよりも広く対応できる通信距離もADSLのメリットです。基地局との距離が1km以上離れてしまった場合でも、使えないことはありません。VDSLよりタフな通信がメリットです。

一方、ADSLは順次サービス終了が予定されています。(2024年3月末)これは光回線が主流になったことが背景にあります。そのため、これからADSLへ新規で乗り換えることはできません。

VDSLのメリット・デメリット

VDSLのメリット VDSLのデメリット
・ADSLに比べて通信速度が速い
・光ファイバーと繋げることで集合住宅の工事に便利に使える
・通信距離が短い
・汎用性が低い

VDSLは通信速度が速く、通信距離が短いという特徴からマンションやアパートなどで光回線を中継するために活用されています。

光ファイバーを個々の家へ引き込むよりも、途中から電話線を使う方が工事する上での取り回しが良いのです。一から光回線を引き込むよりは通信速度が劣るものの、ADSLに比べればかなり速い通信速度を実現できます。

一方、VDSLのデメリットは、通信距離の短さです。そのため、ADSLほど場所を選ばずに使うことができません。電話線があれば理論上は使える通信技術であるものの、家の周辺環境によっては周囲に電波が妨害されて、ほとんど使えなくなる可能性もあります。

こうしたデメリットから、現在では光回線を接続する用途で、集合住宅で主に利用されています。

ADSLが終了したらVDSLも廃止になるの?

ADSLが終了したらVDSLも廃止になるの?

ADSLが廃止になったからといって、VDSLもあわせて廃止になるわけではありません。VDSLは今後も少なからず、集合住宅の工事にはしばしば使われるでしょう。

しかし、2024年には保守部材が枯渇していることから、サービスを終了することが決まっています。なお一般住宅向けのVDSL契約はすでに新規契約を終了している企業も多数あります。

たとえばNTTメディアサプライでは2020年の12月に新規加入を終了しています。ちなみに自宅でインターネットをサクサク利用したい方は光回線がおすすめです。

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まとめ

ADSLとVDSLの違いをわかりやすく解説しました。どちらも電話線を利用するなど、配線方式は似ています。しかしADSLは通信距離が長く、VDSLは通信速度が速いなど、それぞれの特性には大きな違いがあります。

そのため、ADSLとVDSLは適材適所の使われ方をしています。なお、どちらも近い将来サービスが終了するという点も共通しています。現在ADSL回線等を利用している人は、早めに光回線へ乗り換えるなどの方法を検討しましょう。

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