IPv6パススルーとPPPoEパススルー、機能に似ている点はありますがそれぞれ別ものなので区別して理解しなければなりません。
一見専門的な言葉で難しそうにみえますが、それぞれの機能や違いを比較しながらみていけば初心者の方でもきちんと理解することができます。
こちらの記事ではPPPoEパススルーの機能やメリット・デメリット、PPPoEブリッジとの違いについて解説します。
初心者でもわかりやすい解説をしているので、インターネット回線について詳しくなりたい方、PPPoEパススルーについて知りたい方はぜひ参考にしてください。
PPPoEパススルーとは?機能やPPPoEブリッジとの違いも解説!
PPPoEパススルーとは、一方のネットワークから受け取ったデータをもう一方のデータに素通りさせるルーターの機能です。
つまり回線から受け取ったデータを、ルーターを介すことなく直接パソコンなどの端末に送信することができるということ。
この機能を利用すると、端末に直接グローバルIPアドレスを取得できます。
またPPPoEパススルーのことをPPPoEブリッジと呼ぶことがあるので、この2つは同じものだと思って問題ありません。
PPPoEパススルー(ブリッジ)のメリット
PPPoEパススルーには以下のようなメリットがあります。
・ IPv6で接続できないサービスも利用できる
・ネットワークカメラへ接続できる
・リモート機能が使用できる
・オンラインゲームがやりやすくなる
・ルーターの性能に左右されない
以上について、順番に解説します。
メリット① IPv6で接続できないサービスも利用できる
IPv6接続はPPPoE方式のIPv4接続に比べて、通信速度が速いなどのメリットが多い反面、IPv6とIPv4は互換性がないためIPv4ではIPv6対応のサイトに接続できません。
そのため現在主流のIPv4ではアクセスできるけど、IPv6ではアクセスが無効になるというサイトも少なくないのが現状です。
そこでPPPoEパススルー機能を利用すればルーターを介さずに接続ができるので、IPv6で使えないサイトにも接続できるようになります。
メリット② ネットワークカメラへ接続できる
PPPoEパススルーのメリットの2つ目は、見守り用のカメラなどのネットワークカメラの接続ができるようになることです。
モデムに直接接続することで、ルーターを介さずにカメラを使用することができます。
プロバイダーがIPアドレスをネットワークカメラに割り当て、簡単に導入できるので、自宅などにカメラを設置したい方はPPPoE方式を利用しましょう。
メリット③ リモート機能が使用できる
PPPoEパススルー機能を有効にするとルーターが外部からの通信を遮断することがなくなります。
そのため外からでも自宅のネットワークが利用できるようになり、IoT家電等の遠隔操作ができるようになります。
もっともパソコンのリモートデスクトップのように他にも遠隔操作ができる機能はあるので、リモート機能を使用するためだけにPPPoEパススルーを使う必要はありません。
もしリモート機能のためにPPPoEパススルーを使うなら、後で紹介するデメリットも踏まえたうえでよく検討するようにしてください。
メリット④ オンラインゲームがやりやすくなる
オンラインゲームを利用している人にとってIPv6の高速通信は魅力的ですが、ゲーム側の環境によってはIPv6に対応していないという場合もあります。
このようなオンラインゲームをIPv6でプレイすることはできません。
そこでPPPoEパススルーを使用することで、IPv6では接続できないオンラインゲームであっても接続することができます。
オンラインゲームはIPv6の高速通信で楽しみたいという人も多いので、PPPoEパススルーはそのために有効な手段といえるでしょう。
メリット⑤ ルーターの性能に左右されない
IPv6パススルーとは、一方のネットワークから受け取ったデータをもう一方のデータに素通りさせるルーターの機能と説明しました。
これはつまりルーターを介すことなく直接パソコンなどの端末に送信することができるということです。
そのためルーターの性能に左右されることなくインターネット通信をすることができます。
通信速度などはルーターの影響を受ける部分も大きいので、ルーターの性能に左右されることがなければIPv6による高速通信が実感しやすいでしょう。
PPPoEパススルー(ブリッジ)のデメリット
PPPoEパススルーのデメリットとしては、以下のような点があげられます。
・通信速度が遅い
・パススルー機能を許可することでセキュリティが落ちる
こちらもそれぞれ解説します。
デメリット① 通信速度が遅い
PPPoE方式ではインターネット接続時、網終端装置を経由してからインターネットに接続します。
そのためアクセスが集中する時間・エリアによって通信速度が低下することがあるのです。
オフィス街や夜の時間帯などに通信速度の低下が見られる場合は、このことが影響している可能性が高いでしょう。
通信速度という観点でいえば、やはり網終端装置を通さずに直接データ送受信できるIPoE方式のほうがよいといえます。
デメリット② パススルー機能を許可することでセキュリティが落ちる
IPv6パススルー利用時はデータが素通りするので、ルーターのセキュリティが機能せず、外部からの通信を遮断することなくアクセスが常に可能な状態となっています。
つまり自分が使っているインターネット環境や端末が世界中のネットワークと直結し筒抜け状態となるのです。
従来の接続方式に比べて情報漏えいが起きやすい状況と言えます。
そのためIPv6パススルー機能を利用する場合、セキュリティ対策ソフトが必要となる場合もあるので、ルーターにセキュリティが搭載されているからといって安心しないようにしましょう。
PPPoEパススルー(ブリッジ)の設定|有効する方法を紹介
PPPoEパススルーの設定方法は、以下のとおりです。
・ルーターのPPPoEパススルー機能を有効にする
・デバイスをインターネットに接続する
大きく分ければこの2つの手順で設定できますが、細かい動作や手順ついてはメーカーによっても違うところがあります。
PPPoEパススルーを使用するときは、PPPoEパススルー機能に対応したルーターを使うということも頭に入れておきましょう。
まとめ
PPPoEパススルーとは、一方のネットワークから受け取ったデータをもう一方のデータに素通りさせるルーターの機能です。
PPPoEパススルーにはIPv6で接続できないサービスも利用できるなどのメリットがありますが、PPPoE方式であるため通信速度が遅いというデメリットもあります。
メリット・デメリットをよく比較したうえで、必要性を検討して利用してください。
おおまかな設定方法はこちらの記事で紹介していますが、細かい点についてはメーカーの説明を参考にしましょう。