パワーコンディショナとは?太陽光発電における役割や機能、仕組みなど徹底解説!

パワーコンディショナとは?太陽光発電における役割や機能、仕組みなど徹底解説!

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太陽光発電システムのなかでも重要な役割を果たし、欠かすことのできない機器がパワーコンディショナ(PCS)です。パワコンの機能をよく理解すれば、太陽光発電についてより深く理解することができるでしょう。

こちらの記事ではパワーコンディショナの仕組みや役割、機能、そして選び方のポイントや寿命などについて詳しく解説します。

パワーコンディショナの機能や仕組みに興味がある人、また太陽光発電について詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

目次

パワーコンディショナとは?仕組みについても解説!

パワーコンディショナとは?仕組みについても解説!

パワーコンディショナ(PCS)とは何かについて、まずは簡単に説明します。

仕組みについても解説するので、パワーコンディショナがどのようなものなのかを理解しておきましょう。

パワーコンディショナ(PCS)とは?

パワーコンディショナ(PCS)とはパワコンとも呼ばれますが、太陽電池モジュールで発電された電気を家庭用の交流電力に変換するための装置です。

太陽光発電によって作られた電気は直流電力ですが、この直流電力はそのまま家庭で使用することができません。そこでパワコンによって直流電力に変換する必要があるのです。これがパワーコンディショナの最も重要な機能です。

パワーコンディショナは太陽電池モジュール側と蓄電池側にそれぞれ1台ずつ必要ですが、これを1台にまとめた一体型のハイブリッドパワーコンディショナーを出しているメーカーもあります。

パワーコンディショナの仕組み

パワーコンディショナ(PCS)の仕組みは、インバータ部と電圧抑制装置で成り立っています

まず先ほど説明したパワコンの主要機能である、直流電力から交流電力への変換は、インバータ部でおこなわれます。そのほか次に説明する最大電力追従制御も、インバータ部の働きによるものです。

一方電圧抑制装置は、売電するときに逆潮流させるため電圧を上げる機能を果たしています。発電した電気を電力会社に売るためには、発電した電気をパワーコンディショナから外部の電線に戻す「逆潮流」を行う必要があるのです。

ちなみにパワーコンディショナに蓄電池としての機能はないため、売電するためには別途蓄電池を用意して電気を溜めておかなければなりません。

パワーコンディショナの役割や機能とは?

パワーコンディショナの役割や機能とは?

パワーコンディショナの役割は、主に以下の3つがあります。

・最大電力追従制御(MPPT)
・系統連系保護機能
・逆潮流制御機能

それぞれ順番に解説します。

役割1. 最大電力点追従制御(MPPT)

太陽電池パネルは電流・電圧が一定の組み合わせのときのみ発電ができる仕組みになっていますが、天候や季節によっては電流と電圧の変動が大きく安定的な発電がおこなえません。

そんなとき、このような不安定な発電量を調整できるのが最大電力点追従制御機能です。

最大電力点追従制御機能は、自動で発電量が最大となる電流・電圧の組み合わせを見つけることができるので、、天候に左右されず多くの発電量を維持できるようになります。

太陽光発電は自然エネルギーを使う発電方法であるため、発電量が不安定になりがちですが、最大電力点追従制御機能によってこのデメリットを緩和することができるのです。

役割2. 系統連系保護機能

売電を行う際に、万が一のトラブルから自分の家や周囲の家を守るのが「系統連系保護機能」です。

太陽光発電システムで作った電気を電力会社に売電するとき、家庭から外部の電線に電気を送り出しますが、このとき電線によって自宅と外の電線をつないでいる状態になります。そのため万が一太陽光発電の電力系統にトラブルが生じると、周囲の家の電力供給に不具合が生じるおそれがあるのです。

このような事態を防ぐために、自宅の太陽光発電設備と電力会社の電力を切り離すことができるのが、系統連系保護機能です。太陽光発電をするなら多くの場合売電をするでしょうから、この系統連系保護機能は欠かすことのできないパワーコンディショナの機能といえるでしょう。

役割3. 逆潮流制御機能

電気が電線から家庭へ流れていくことを潮流といいますが、これが逆に家庭から電線へと流れることを「逆潮流」といいます。

余剰電力を売電するときは逆潮流によって発電した電気を電線へ流すのですが、発電した電力を使い切らないと余剰電力が自動的に電線へ流れていってしまうのです。そしてこれを防いでいるのが、逆潮流制御機能ということです。

逆潮流はパワーコンディショナーの故障の原因にもなるため、売電をする家庭では逆潮流制御機能が大きな役割を果たしています。

パワーコンディショナの選び方

パワーコンディショナの選び方

パワーコンディショナはメーカーや機種によって性能がさまざまです。そこで以下のようなポイントをおさえておくことで、自分に合った最適なパワーコンディショナを選ぶことができます。

・最大定格出力
・変換効率
・価格
・サイズ
・保証
・自立運転機能の有無

以上6つのポイントについて、順番に解説します。

ポイント1. 最大定格出力

「最大定格出力」とは、パワーコンディショナが出力できる最大電力値のことです。

太陽光パネルの出力がパワーコンディショナの最大定格出力を上回ると、その分の電力は無駄になってしまうため、パワーコンディショナの容量はとても重要です。

つまり最大定格出力の大きなパワーコンディショナを選ぶことで、より効率よく発電量を増加させることができるのです。

ポイント2. 変換効率

太陽電池モジュールで発電された直流電気を交流電気に変換する際、電気ロスが生じます。変換効率はこのような電気ロスの割合を表していて、変換効率が100%に近いほどロスなく電気を変換できるのです。

そのためできる限り変換効率のよい機種を選ぶことが大事ですが、パワーコンディショナの変換効率は多くの機種で95%以上になっているため、機種による差はそこまで大きくありません。

ポイント3. 価格

一般家庭用のパワコンの場合、価格相場はおおよそ20~30万円程度ですが、価格はメーカーによっても異なります。そのため少しでも安く購入して初期費用を抑えるために、複数のメーカーを比較するなどして価格をきちんとチェックすることが大事です。

もっとも太陽光発電の普及に伴いパワーコンディショナの価格も徐々に下がってきているので、最近では昔より価格相場自体が安くなっています。

ポイント4. サイズ

パワーコンディショナは電気容量が大きいほどサイズも大きくなりますが、設置場所を想定してどのくらいのサイズが適切かをよく考えましょう。一般家庭用であれば、おおよそ小型エアコン程度の大きさです。

またパワーコンディショナには屋内用と屋外用があるので、屋内に設置するスペースがなければ屋外に設置することもできます。

ポイント5. 保証

パワーコンディショナの寿命は10~15年程度ですが、その間不具合が生じた場合の修理・交換を考えると保証の内容が重要です。パワーコンディショナには最低でも10年のメーカー保証が付いていますが、最近では15年の保証を付けているメーカーも増えています。

保証期間や有償・無償もメーカーによって異なるため、長期間安心して利用するためにはできるだけ長期の無償保証が付いているメーカーを選ぶとよいでしょう。

ポイント6. 自立運転機能の有無

パワーコンディショナには、地震などの災害による停電時でも発電した電気を使用することができる「自立運転機能」がついた機種もあります

自立運転用のコンセントに使用したい家電を接続して使用し、停電時でも1,500W程度の電力を賄うことができるのです。自立運転機能がついたパワーコンディショナの方が価格は高めなので、その点も踏まえて選ぶようにしてください。

パワーコンディショナの寿命|故障の原因も紹介!

パワーコンディショナの寿命|故障の原因も紹介!

パワーコンディショナの一般的な寿命から、故障の原因についても説明します。少しでも長く使うために、故障の原因は一つづつおさえておきましょう。

パワーコンディショナの寿命

パワーコンディショナの寿命は一般的に10~15年程度なので、このくらいを目安に交換してください。

パワーコンディショナはインバーター・回路基板・冷却用ファンといった多くの部品で構成されており、太陽光パネルと比較して消耗が激しいため故障もしやすいという特徴があります。

長く使用していれば故障や機能の低下は避けられないので、適切な時期に交換するようにしましょう。

パワーコンディショナの故障の原因

パワーコンディショナの故障の原因はいくつかありますが、以下のような原因が考えられます。

・初期不良や施工瑕疵
・経年劣化
・自然災害等による停止

パワーコンディショナの故障は、基本的に基盤・回路の不具合によって生じます。

たとえば初期不良や施工瑕疵があり、設置当初から回路が故障しているといったことがあります。また施工後に雷などの自然災害によって回路が故障し、機能が停止するということも。

そのほかパワーコンディショナ自体ではなくケーブルの断線といった故障原因も考えられるので、不具合が生じたら配線などの周辺機器も点検しておきましょう。

パワーコンディショナの価格

パワーコンディショナの価格

パワーコンディショナの価格は最大定格出力や変換効率によって費用が異なるため、メーカーによって値段もさまざまです。参考に、一般家庭用の4kWのもので大手メーカーの定価の相場を比較してみましょう。

パナソニック:295,000円
シャープ:283,580円
三菱電機:374,000円

ただしメーカーによっては見積もり価格が定価よりも安いこともあるため、実際に購入する際は数社から見積もりをとって比較してみることをおすすめします。

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まとめ

パワーコンディショナは、太陽光パネルによって作られた電気を家庭用の交流電力に変換するための装置です。

不安定な発電量を調整したり、売電に不可欠な逆潮流の際に電圧を調整するといった機能も有しており、太陽光発電システムにおいてパワーコンディショナの機能は欠かせません。

パワーコンディショナを選ぶ際は、補償やサイズ、変換効率などを踏まえ、価格相場と比較しながら自分に最適なものを選びましょう。

寿命は10~15年程度が平均的であり、適切な時期に交換が必要ですが、できるかぎり長く使うことでお得に太陽光発電をおこなってください。

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